たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

黒潮の香り

2016-12-05 17:57:07 | 熊野の神社

<神倉神社 かみくらじんじゃ>

 

神倉神社という場所は、

もともと「古代の祭祀場」だったといわれています。

近隣の花の窟(はなのいわや)神社などと同様に、

巨石を依り代として神事を行っていたのでしょう。

神倉神社、そして花の窟に共通しているのは、

依り代である巨石の近くに たくさんの

「白石」が敷き詰められていることで、

花の窟の元宮ともされる産田神社などでも、

このような白石の庭を見ることができます。

 

一説によりますと、神倉神社のご神体である

ゴトビキ(ヒキガエル)岩の形状は女性器を象徴し、

敷かれた白石は「産卵」をあらわしているのだとか。

また熊野では、浜の白石を神社に奉納する習しがあり、

その習慣が伊勢のお白石行事などにも、

影響を与えているという話もあります。

ちなみに「白石を置く」という風習は、

南方(ポリネシア)から伝えられたものだそう。

 

熊野地方の神社には、「南の海の匂い」

「黒潮の香り」がそこかしこに漂っているのです。