<神倉神社 かみくらじんじゃ>
神倉神社に参拝するためには、
麓から続く長い石段を登らなければなりません。
しかもそれはただの石段ではなく、
最大傾斜が90度にもなろうかという危険な代物。
まさしく「よじ登る」という形容詞がぴったりで、
その昔一度だけチャレンジしてからは、
「もう二度と登るまい」と固く決心したほど、
気合と筋力が必要な「修行の道」なのです。
ただ、久々に神倉山の入り口に立ちますと、
どうしても「お参りしなくては」という
義務感にも似た気持ちが湧いてくるのが、
神社マニアの悪い癖でありまして、
今回もお約束通り、目の前に迫る岩壁に、
果敢に食らいついていった次第。
一番の難所である最初の断崖絶壁を越え、
つづら折りの坂道をひたすら前進すると、
額の汗と息切れが程よく収まったころ、
山頂にある朱色の鳥居が見えてまいります。
「山」とはいってもそれほど標高は高くなく、
市街地の風景とその向こうに横たわる熊野灘が、
ミニチュアのセットのように広がっていました。