<熊野・神内神社/古神殿 こうのうちじんじゃ/こしんでん>
神様が人々の呼びかけに応じて降り立つのは、
巨大な樹木や巨大な磐座だといわれています。
「樹木」や「磐座」が、
多くの神社のご神体として祀られているのも、
それらの自然物が「神様の依り代」として
機能するからなのですね。
神様という存在は、ひとつの神社に常駐したり、
また社殿自体に宿ったりするわけではありません。
神社の建物は、あくまで神様が降りる目印であり、
氏子たちの神様への感謝のあらわれです。
本来日本人は、木や石などの自然物を、
「神様の拠り所」として手厚くお祀りし、
その場を清浄に保つよう心がけてきました。
神内神社のご神体である巨大な磐座、
そして熊野地方に点在する巨樹や大岩は、
昔から「神様が降りる目印」だったのでしょう。
古代の人々は、神様とつながりやすい場所を、
直感的に認識できる能力があったのです。
幸いなことに現在でも、私たちは無意識に、
巨大な樹木や巨大な磐座に対して敬意を払い、
神社を神聖な場所としてとらえています。
人工的な建物、人為的な祈願所の向こうにある
「自然物」に感謝を捧げることこそ、
本来の神社参拝の形なのかもしれません。