たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

有馬の地

2016-12-10 10:09:40 | 熊野の神社

<花の窟 はなのいわや>

 

一説によりますと、熊野三山の発祥には、

花の窟や産田神社などが残る「有馬の地」が、

大きく関係しているといわれています。

熊野本宮大社のご由緒には、

本宮のご祭神である家津御子の大神が、

「私を祀るなら母イザナミも祀れ」と告げたため、

有馬に祀られていたイザナミのご神霊を、

本宮にお迎えしたという記述があり、

また、熊野速玉大社・熊野那智大社も同様に、

有馬や花の窟との関連をうかがわせる

古い資料が残っているそうです。

 

実は花の窟が「イザナミの墓所」

と呼ばれるようになったのは、

ごく最近のことだという話があります。

もともと土着神を祀っていた場所に、

南方由来の地母神信仰が入り込み、

イザナミ伝承と融合していったのでしょう。

古くから熊野周辺には「南方の息吹」が吹き込み、

「花」や「稲作」の文化が根を下ろしました。

名草戸畔とも関わりが深いとされる

ハイヌヴァレ型神話のような物語が、

この地に広まっていたのかもしれません。

 

【参考書籍】

イザナミの大国~熊野 桐村栄一郎

聖地をたどる旅~熊野 原水音