<峯・矢倉神社 みねやぐらじんじゃ>
一口に無社殿神社と申しましても、
古代そのままの様相を残す場所もあれば、
後世の人たちの手により、社殿や社務所などが作られ、
表向きは一般の神社と変わらないような場所もあります。
ゆえに、無社殿神社の定義を伝えるのは難しいのですが、
一つだけ言えるのは、それらの神社のすべてに、
「岩」「滝」「川」「木」などの自然物が存在し、
人々がそれらを「神」として祀ってきた
痕跡が残っているということです。
そして無社殿神社のほとんどは、
「神社名」を示すような表札がなく、
地元の人しか知らないような集落の一角、
あるいは林の中、川の対岸や山中などに
ひっそりと祀られているため、
場所を特定するだけでもかなりの時間を要します。
おそらく、ちょっと前までは日本全国に、
このような「神社」が残っていたのでしょうが、
今では本当に数が少なくなってしまいました。