たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

神様の依り代

2016-12-26 10:03:17 | 熊野の神社

<熊野・神内神社/古神殿 こうのうちじんじゃ/こしんでん>

 

神様が人々の呼びかけに応じて降り立つのは、

巨大な樹木や巨大な磐座だといわれています。

「樹木」や「磐座」が、

多くの神社のご神体として祀られているのも、

それらの自然物が「神様の依り代」として

機能するからなのですね。

 

神様という存在は、ひとつの神社に常駐したり、

また社殿自体に宿ったりするわけではありません。

神社の建物は、あくまで神様が降りる目印であり、

氏子たちの神様への感謝のあらわれです。

本来日本人は、木や石などの自然物を、

「神様の拠り所」として手厚くお祀りし、

その場を清浄に保つよう心がけてきました。

 

神内神社のご神体である巨大な磐座、

そして熊野地方に点在する巨樹や大岩は、

昔から「神様が降りる目印」だったのでしょう。

古代の人々は、神様とつながりやすい場所を、

直感的に認識できる能力があったのです。

 

幸いなことに現在でも、私たちは無意識に、

巨大な樹木や巨大な磐座に対して敬意を払い、

神社を神聖な場所としてとらえています。

人工的な建物、人為的な祈願所の向こうにある

「自然物」に感謝を捧げることこそ、

本来の神社参拝の形なのかもしれません。

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