<宇佐神宮 うさじんぐう>
宇佐神宮をはじめとする全国の八幡神社には、
放生会(ほうじょうえ)というお祭りがあります。
放生会というのは、捕獲した魚や鳥獣を野に放し、
殺生を戒める宗教儀式のことで、
宇佐神宮の放生会は、放生会の起源ともされ、
宇佐神宮を代表する重要な祭礼です。
由緒によりますと、戦乱で亡くなった
隼人の霊を慰めるために始められたそうですが、
注目すべきは、この放生会のクライマックスで行われる、
傀儡子舞(くぐつのまい)という一風変わったお祭りのこと。
傀儡子舞は、傀儡子(くぐつ)という操り人形を使い、
舞や芝居や相撲など順次に披露するもので、
安曇族の祖人である磯良神(いそらのかみ)や、
住吉族の祖神である住吉大神などが登場します。
そして物語の終盤には、東軍と西軍に分かれた相撲の勝負が、
住吉大神の活躍により、西軍勝利で幕を下ろすのだそうです。
不思議なことに、宇佐神宮の重要祭礼で活躍するのは、
ご祭神の八幡神ではなく住吉大神なのですね。