ワイン載録記 

【 ワイン香の空間(Espace-Vineux)に憩いを求めて 】

ビトゥーゼ・プリュール ヴォルネイ 1er カイユレ 1997

2009-11-30 | ヴォルネー/ポマール/SLB
ビトゥーゼ・プリュール ヴォルネイ 1er カイユレ
BITOUZET PRIEUR Volnay 1er Cailleret 1997



ネゴシアン物でも
ヴォルネイのカイユレが3400円という廉価が魅力で購入

デフレスパイラル的な昨今の経済情勢がワイン価格まで押し下げて
うれしい限りではありますが・・・




ヴォルネイらしく繊細で優しく香り
口当たりの優しさが心地よい
Vintage1997の熟成感を持ってゆったりと香る

たおやかにゆっくりと味わうワイン




ビトゥーゼは同様のネゴシアンのピエール・ブレ同様に長熟タイプのワイン造りと思い込んでいた

この97カイユレを飲んでいる限りでは
飲みごろ期間が比較的長いワイン造りをしているのかもしれない


値ごろ感から普段飲みように4本購入したのだが

3本ハズレ     ・・・ 香が閉じていて香と味わいのバランスが今少し
最後の1本アタリ  ・・・ 香が閉じている状態からあたり一面に芳香
              ・・・ 余韻に至るまで芳醇で艶めかしさを醸している

まあ価格的にはこんなものだろうか

それより1本アタリがあったから良しとしたい 


赤果実がいっぱいの NSGテラス・デ・ヴァレロ 2006

2009-11-27 | NSG
NSG Les Terasses Des Vallerots 2006
ベルトラン・マーシャル・ド・グラモン


NSG レ・テラス・デ・ヴァレロの収量はなんと15hl/hという


あまり宣伝文句を信じないのも日本のワイン文化のカルチャーかも
ちょっと悲しいのだが




騙されたと思って購入した廉価のNSG村名は・・・

収量を感じる果実味たっぷりの味わいは1erの上位物と変わらない
Vintage2006が既に十分果実味、甘み、細やかなタンニンも

この若いVintageからは想像できないマイルドさ



赤果実や微かな梅香はVR1erのようだ
でも確かにNSG



女性ヴィニュロン故の優しさのある造りなのか
シルヴィ・エモナンと共通するのは・・・

濃いめの色調、優しいアタック、タンニンの抽出が
優しく余韻が長くきれいなのは面白い

購入価格からすれば普段飲みだが、味わいからすれば勿体ない贅沢なワインだろう

3日目に実力発揮のTres-Bienな モレ・ブラン サン・ロマン2005 

2009-11-25 | サントーバン/マランジュ/ラドワ
モレ・ブラン サン・ロマン
MOREY-BLANC SAINT-ROMAIN 2005



飲みごろのワインがないので
飲み会の日を見越して・・・飲み会の日が間に入って3日間で空けようと計画

モレ・ブラン05の白を開栓

初日は予想通り早すぎる開栓でした
バランスが崩れており
ALCが強すぎ甘みが固く酸味も刺々しい

05は優良年だけに早飲みするとワインの本来の実力が解らないものだ





初日こそ1杯目でうんざりだったのだが

そう、まるで”醜いアヒルの子”


3日目の今日は・・・”これぞ成鳥した白鳥そのもの”


素晴らしいバランスで
あっという間にブルゴーニュ・グラスが空いていく

このワインをお持ちの方は今飲むなら
開栓して1時間程度でバキュバンして3日目まで待って飲むと
このワインの素晴らしい真の姿が見えます

PPで言えば現時点で90点くらいはありますね

値段的に3900円は高くなかった
今思えば2~3本買っておけば良かったと悔やむのは良くある話でした

ペルナン・ヴェルジュレス 1er スー・フレティーユ2003 ドニ・ペール・エ・フィス

2009-11-24 | コルトン/ペルナン/ボーヌ
ペルナン・ヴェルジュレス ドニ・ペール・エ・フィス
PERNAND-VERGELESSES 1er SOUS-FRETILLE 2003


ドニ・ペール・エ・フィス

あまり聞きなれない造り手

ヴェルジュレスは当たり外れの落差が大きいと思い込みがある
しかしながら
飲み慣れた方なら黙って飲めばシャルルマーニュと間違えるだろう
でも今回のワインはこの造り手のC・D・Bで1er
きっと誰も分からないだろうと思う


ミネラル感や酸、余韻を含めて輪郭がきちっとして全体のバランスが良い



Lieu-Dit(謂れ) から言えば
シャルルマーニュと名乗れる畑と隣接
故に間違えても必然かも



難しいVintage03としては第七弾なのだが

そんなの抜きにして
7年目にして既に申し分のない味わいと香り

造り手の力量としても申し分ないのだろう
あと1本は確実に
10年以上の熟成させたいと思える、言葉にならない美味しさ

そういうワインに育てたいものだ



金色の熟成感が最高度になった時まで・・・・

白屋が造る赤ワイン・・・とは フィリップ・コラン 

2009-11-22 | ピュルニ/シャサーニュ・モンラッシェ
シャサーニュ・モンラッシェ レ・シェーヌ2007
CHASSAGNE-MONTRACHET LES CHENES



シャサーニュは白ワインの代名詞のように思われている方が多いのですが

元々はピノの畑がほとんどだった



フィロキセラをきっかけにシャルドネが植わり
今ではラモネやコラン一族など白ワインが有名だけど赤も必見

という造り手は沢山います


私が「あれっシャサーニュに赤がある!」
と気付いたのはワインを飲み始めたころ

ブシャールのAINE et FILSに出会った1997年来から

シャサーニュの赤にも魅力を感じるのは
バカ高いワインが多い中で2600円程度と比較的安価であることでしょう



このワインは07にして既に美味しく飲めました

樽を利かさず葡萄の甘みや果実味が美味しく
タンニンもほどほどで余韻もいい

色調も濃くも薄くもなく若飲みするには丁度いい

ボジョレー 09ヌーボーと07クリュの比較

2009-11-22 | プィフュッセ/マコネ/ボジョレー
マルセル・ラピエール


ボジョレの第一人者と称される一人

ずっと以前から彼の苦労話や成功秘話は宣伝文句にもなっているし
アニメか何かでも紹介があったりして知ってはいたものの
買ってまでガメイを飲もうとは思うこともありませんでした


今回は丁度半額以下の1500円弱で

ラピエールのシルーブル(Chiroubles)とシェナ(Chénas)を購入



ボジョレーと一言で言っても
クリュ、ヴィラージュ、ヌーボーの3分類され、しかもヴィラージュ物にもヌーボーがある



さて今年の”50年に一度”のヌーボーと
クリュ・ボジョレとの面白い比較ができました

<比較>

ヌーボー:シルーブル:

今年のヌーボー
色眼にも濃さがしっかりあって
見た目ではヌーボーはピノと勘違いするでしょう


味わいにも
ヌーボーにはフルーティさに軍配
シルーブルには余韻の良さとミネラル感で軍配

今年はこのくらいで・・・お開きにしましょう

本当か 50年に一度の出来映えボジョレー・ヌーボー2009

2009-11-21 | プィフュッセ/マコネ/ボジョレー
今年のボジョレーは50年に一度の出来映えだとか

帰宅してみると

なんとテーブルの上にTVでみたペットボトルのボジョレーが

家内がTストアであれこれ試飲して買ってきたそうな
本人は悦に入って・・・「どう?」って



基本的に飲まないガメイ
でも確かに何年も前に飲んだことあるのですが・・・
セパージュを抜きにして夕食に結構に合いました

Vintage2009のフランスワインは期待できるかも



綺麗な赤紫でヌーボーらしいピンクが弱い

美味しいワインの色調はピノ系の赤紫系なのかもしれない

レオヴィル・ラスカーズ1992 ST-JULIEN

2009-11-19 | ボルドー
レオヴィル・ラスカーズ1992
CH LEOVILLE LAS CASES ST-JULIEN



オフVintageの1992ではボルドー№1とされたラスカーズ

大切に保管してあったはずなのにアルミキャップが回らない

なぜ?・・・理由が思い浮かばない

セラーの故障?
セラーの到着が2週間ずれたから?
帰国時の引っ越し便の輸送温度管理? ・・・全てAIRなのに?
通関時の保税倉庫の温度?

いろいろと要因はあるから判然としない

キャップシールをとるとコルクトップはカビがうっすらと
噴いた痕もなく多分大丈夫だと逆に一安心




ラスカーズのVintage1992

一口目で17年間をの熟成がまだまだ若いくらい途中であることを教えられ





このワインの長命さ感じ
また色調や酸の状態からあと10年でも問題なく
熟成した時の楽しみがあるなと感心

最後の1本は十分熟成するまで保管しよう

タストヴィナージュは伊達でなかった フェブレ エシェゾー 1992 

2009-11-16 | エシェゾー/VR/クロブジョー
フェヴレ エシェゾー 1992 タストヴィナージュ
FAIVELEY ECHEZEAUX GC  Taste-Vinage


このワインはHOTEL Le Montrachetに滞在したとき

当時のフランスでは
カトリック教徒がほとんどで
日曜日は礼拝に行くため殆どの店は休みのところが多かった

時たまHOTEL近くを散策していて日曜日に開いていたCAVEで買い求めたもの


EUROになる前、当時の価格で1本400FF(8500円)と高価でしたが
旅の思い出に子供のVintage1992を2本と
ほかに白でガニャールのシャサーニュ・モンラッシェ 1er カイユレ1999を半ダース
車のトランクルームにいれて持ち帰ったものでした





さて前置きが長くなりましたが

”タストヴィナージュ”をフェブレが・・・・

フェヴレのイメージはドメーヌとしては中クラスランクのイメージで
エシェゾーといえども大したワインではないのでは
などと造り手に失礼なイメージが自分の中では先行していたので

少しビックリ


(汚れは保管中にワインボトル(ラ・ミッシオン・オー・ブリオン1977)が割れた時の汚れ)



1992というVintageはロワールの白などいいものもありますが
概して拾いモノには出会わない年と言えるでしょう

13年目に開けた1本目から想像して、
17年目は流石にもう枯れているかもしれない

と思って開栓したわけですが




これがボトル差というのでしょうか
閉じ開きの妙味でしょうか

距離的に離れていた家内が「あれーっ。いい香りのするワインね。」


まさしくブログタイトルにしている”Vineux(ワイン香)”が ・・・・・ 辺り一面ワイン香に満ちて



期待してなかったオフヴィンテージで熟成ブルゴーニュを楽しませてもらいました

03シリーズ第6弾 ボングラン

2009-11-15 | プィフュッセ/マコネ/ボジョレー
Macon-Villages 2003 BONGRAN
CUVEE TRADITION


2本購入して
最初の1本目は酸味が強くバランスの悪いワイン
PP91-93という宣伝文句にまたかと閉口

それから半年後
セラーに空きスペースが必要になり
どうでもいいと思ったものから整理したのが2本目


ところが・・・

知人から突然化けるよとは聞いていたのですが
まさか半年で豹変するとは私もびっくり
ボトル差もあったのでしょうが楽しめる域に


ただボトル半分手前くらい飲んだ頃に
飽きがきてグラスが止まるのはなぜ






それは

甘みがだんだんしつこくなり

同時に酸味に不自然さ・・・補酸か?・・・を若干感じ

バランスも崩れているように感じはじめ

多分、調整しているという不自然さを無意識で感じたのでしょうか


まだ早かった プチ・アルロ 2005

2009-11-15 | NSG
CUVEE LE PETIT ARLOT 2005 DOMAINE DE L'ARLOT


まだ早いと思いつつ
待ってられない気持ちもあって


意味のない若飲みは避けたいところ
上級キュベの「Clos des Forets St Georges2005」の
開栓時期を確認のためにまずこれをと・・・・言い訳を自問自答

CLOS DE L'ARLOT の若木



まあいいか
・・・いつかは開けるんだし

2005は予想通りの若飲みになってしまったようです




開栓して1時間放置 + カラフェに入れてこなれるを待って
 香が雰囲気中に漂ってきていい感じですが、
 樽の硬さを感じるようなアロマが感じられたのですが・・・
 
試飲しながらでも
その固さを感じながら
大凡3時間後にやっと柔さを出し始めたのでした

最初のうちは要素要素に樽香あり
味わいにも果実の甘さや酸味、タンニンの背景に
しっかりと主張してきて少しうんざりして閉口

若飲みの部分はおいて

少し色付いた甘酸っぱさの残る赤果実
白い花を感じさせるちょっと硬めのフローラル
微かな腐葉土を伴った乾いた鞣革
スパイス香が絶えず背景にある

・・・惜しむらくは深みやコクが今一歩
  これは熟成がカバーしてくれるでしょう

Clos des Forets St Georges
  1995 ・・・・・ 15年熟成だから今年か来年には
  2005 ・・・・・ 2015以降にやっと飲み頃に 


半ボトルは翌日に置いておいたのですが

想像されるのは
きっと翌日のほうが丸みが出て良くなると期待して・・・

好印象のアンリ・グージュのACブル ピノ・ブラン03 

2009-11-14 | ACブルゴーニュ
Vintage03の第5弾

ブログアップした03ワインの過去4回分は

優  ・・・ アルロー    リュショ
良  ・・・ コトティッド  エシェゾー
不可 ・・・ セガン     ラヴォー・サンジャック
不可 ・・・ ミヨ      クロ・ブジョー

いうなれば1勝1分け2敗というところ





なかなか味わう機会がなかったのですが

本家本元のピノ・グージュの味わいは
バランスの良さも手伝って日本食を楽しませてくれる

価格3千円は高くはないと言ったところか
外れの多い03の中で良い出来栄えのワインと言いえるでしょう

失敗作の例か J・M・ミヨのクロ・ブジョー03

2009-11-12 | エシェゾー/VR/クロブジョー
03シリーズの第4弾
「JEAN MARC MILLOT CLOS-VOUGEOT GC VV 2003」


例によってワイン業者達が上手な美辞麗句の宣伝をして
”香りの魔術師”という触れ込み




03の難しい年で
しかもクロ・ヴージョは秀逸か駄作か
極端な分かれ道のある難しい特急畑


この造り手のワイン
初めて相対してみると




VIEILLES-VIGNESでもあるしあれば期待させられたが

香は閉じているというよりもないと言ったほうが正解か
バランスは崩れ
余韻に下降線をイメージさせるえぐみまで


期待以下であった



裾物の試飲をしてから買えばよかったのか
・・・しばし沈黙してしまった


セラーにMILLOTのECHEZAUが3本寝ているが
どうしたものか

いい塩梅で峠過ぎを官能 ラファルジュ・セレクショネ2000

2009-11-11 | ヴォルネー/ポマール/SLB
ラファルジュ ヴァンダンジュ・セレクショネ 2000



飲みごろに入っているのは分かっているのだが

ピークに開けたかったワインだった

摘み取り(ヴァンダンジュ)の葡萄を選びぬいて(セレクショネ)
1er CruやVV(古樹)の区画から最良のぶどうで造ったキュヴェ

さりげなく小さなラベルで・・・




コト・ド・ボ-ヌであるのだが

香りにVRのような梅香を感ずるのはどうしたものか
こなれてきて柔らかなミネラル感のある香りを伴ってきて
やっとVolnayかなと思えるようになった

ブラインドならChambolle-Musigny と答えたのではと思う

セレクショネが故に
いろいろな畑が混じり合っているからそれが香りや味わいに出てくる




いずれにしても
色調からも熟成感のあるレンガ(オレンジ系)が入ってきて
ゆったりとした味わいがあるのだが

余韻の落ち方が峠過ぎのようだ
決してVintageから予想される葡萄の弱さではないだろう


時間とともにかろうじて

繊細な赤果実とブーケの香りがVolnayと言えるだろう

いい塩梅で楽しめたワインでした

あるがままに醸造なのか ジェラール・セガン03

2009-11-10 | ジュブシャン/マルサネ/フィサン
ジュブレ-シャンベルタン 1er Cru ラヴォー・サンジャック
「Gevrey-Chambertin LAVAUX ST-JACQUES 2003」

Gerard SEGUIN

畑も良いので随分期待していた造り手




私にとって新しい造り手だから

楽しみにしていたのだが・・・・


酸味がまるっきりないという問題以外は

果実味も素晴らしいというか
単純なジュースでは悲しいというか  ・・・ ”葡萄ジュース”

酸味がないがゆえに飽きがすぐにきてしまう







酸味を含めて

ワインは如何にバランスが大切か

ワインに教えてもらったと言えよう