ワイン載録記 

【 ワイン香の空間(Espace-Vineux)に憩いを求めて 】

プリモ・パラテューム ペイ・ドック 1999 ミトロジア

2010-02-28 | ラングドック/南西地区/マディラン
プリモ・パラテューム ペイ・ドック 1999 ミトロジア
PRIMO PALATUM VIN DE PAYS D'OC 1999 MYTHOLOGIA


グサビエ・コペルが醸造家ネゴシアンとして造るワイン

エチケット下部の”Mythologia(ミトロジア)”とは神話という意味であり
彼が造るワインは複数のAOCがあるのだがそのAOCにおける最上級キュベの証

同じペイ・ドックでも99はミトロジアがあるが98は存在しない
ヴィンテージチャートでは南西部のチャートはないがボルドーでは98の方が良い
試しに98のミトロジアの冠を配してないものも飲んでみたが
結局、神話の冠を頂いた99は一枚違うということが香や味わいにおいてハッキリ分かった



彼のWEBに記載されている事項には
Vintage1999は4800ボトルでCS50%CF45%ML5%となっている

このワインは終売のため特売で2000円ほどだったので1ダース買い込んだ
後から分かった情報ではフランス現地の廉売よりも安ったようだ

それはともかく
この値段でこれだけの香と味わいを堪能できるんだとつくづく思った

苦みの少ない泡 ルノーブル CUVEE  INTENSE  NV

2010-02-27 | シャンパーニュ/フランチャコルタ/他
ルノーブル NV
LE NOBLE CUVEE INTENSE NV




1か月前の泡はエグリウーリエのGC ブリュット・トラディションNVでした
今回はそれほどではないだろうと期待もせず開栓
期待してないほど美味しいときの驚きと感動は大きいものだとつくづく感心!

泡が余り好きでもないのに時折開栓していること自体が疑問なのだが・・
好きになれない理由は炭酸と仲のよい苦味が私にとっては有難くないのである



シャンパーニュを飲む度にいいワインだと思うことはない

だからなぜ一般的にシャンパーニが美味しいと言われるのかが良く分からない
故に私自信が泡を飲んでいるのは何故なのか自分でも良く分からなくなる

ほんとに変な話でこれという理由がないのである

が・・・

強いて挙げれば
美味しいと言う人がいるということはきっと何か魅了するものがあるはず
    ・・・・・・・と思って
     ・・・・・・・それは何か知りたいと思って飲んでいるだけかも

そうやって押し問答のような自問自答をしている間にボトルが半分空いてしまった



この泡はエグリを凌駕するほど苦味が少ない
  ・・・本来炭酸に苦味は無い筈だと前回も書いたのだが・・・

色調はエグリに比べて黄色が弱いが
味わいはムニエの分だけであろうか酸味が押さえられてバランスが良い
アタックから柔らかさと程よい甘みがあって苦みがなければ更に良いのだが

そんな風に思いながら飲んでいる
まあ、値段も3000円強でAOCから言えば安価であり
飲んでて嫌とは思わなかった泡なので良しとする泡だろう

アンリ・ボワイヨ ACブル ルージュ 2007

2010-02-25 | ACブルゴーニュ
AC BOURGOGNE ROUGE 2007 HENRI BOILLOT
アンリ・ボワイヨ ACブル 2007




ムルソーといえば普通は長熟の白といったイメージがある

でもこのワインはヴォルネイに本拠を置くアンリ・ボワイヨのピノノワール
でもエチケットの中央最下欄に”A MEURSAULT”と記載がある

考えられるのはたぶんネゴシアン物で瓶詰めがムルソーで行われたのだろう



ネゴシアン物のACブルとは言え
この赤は若干のバランスを崩してはいるものの
苦味も雑味も殆どなくACブルとしては上質の村名クラスと遜色ない

味わいからは
そのメリハリと中心線のあり方からNSGのように感ずるのだが・・・
まあVintage07のACブルとしては最上と言えると思う
裾モノでこのレベルであり
この07のVintageで初日のこの味わいは村名クラスを見まごうばかりで嬉しい驚き



勿論1時間半前からデキャンティングしていたのですが
ワインにバタツキは残っているものの少しは柔らかくなっただろうから
そうしたことを勘案すると推定で4-5年程度で十分楽しめる域に達するのではと思う

ACブル赤では
私にとってルロワの1999がこれまでは最上であったが
たぶんこのボワイヨはそれ以上に熟成していくように思える

久しぶりにいいACブルに出会えたものだ

<二日目>
若干味わいと香りに酸化っぽさがでてきた
これはネゴシアン物のルロワのACブルと同様である

まあ二日目落ちるのは良いワインとは言えないが
ネゴシアン物としては十分合格点であることにかわりない

腰のある味わい ベルトラン・アンブロワーズ コルトン・ロニェ GC 2000

2010-02-21 | コルトン/ペルナン/ボーヌ
ベルトラン・アンブロワーズ コルトン・ロニェ GC 2000
CORTON GC LE ROGNET Bertrand AMBROISE




今週は欧州赴任経験者のOB会や別の適当タイトルの飲み会など
あれやこれやと飲み会が重なった週だった
欧州OB会は久しぶりにクスクスを食べたのだが
やっぱりメルゲーズにロゼワインを中心にいただきました

クスクスは確か北アフリカ料理だったと思うのですが
暑い地域の食べ物によくある香辛料の利いた後を引く料理
(写真は撮ってません)


そんなこんなでここ暫く白ワインが続いたので
美味しい赤ワインが飲みたいと思い開栓したのがこのコルトン・ロニェ
AOCから長熟型のワインでちょっと早いかと思いながらも
Vintage2000であれば、もうそろそろ飲めるかもと期待して開栓したわけです



Vintageとしては葡萄が強くはないのは周知の事実
そのわりにきちっとしたタンニン・・・ゴツゴツ感ではなく柔らかさのある・・・を感じながら
バランスも取れているが故にグラスが進む
・・・のだが
ちょっとした後引きの悪さが残ったのが気になる

価格は8千円前後だったか記録がなくなって不明



コルトンはアロースコルトンを含め割と酸味やタンニンが強く
結果的に長熟型が多いAOCと捉えている
このワインは10年熟成でそろそろ飲み頃に入ったかなと思ったのだが
正直まだ「早かった」というのが実感である

飲み頃を知るというのは
Vintageと天候、テロワール、葡萄の強さ、そして造り手の力量など相対的に捉えて
ワインの一番美味しいピークを知ることが自分にとっての永年の課題になっている

コントラフォン マコン クロ・ド・ラ・クロシェット 2007

2010-02-18 | プィフュッセ/マコネ/ボジョレー
マコン クロ・ド・ラ・クロシェット 2007
MACON-CHARDONNAY CLOS DE LA CROCHETTE



Vintage2007は昨年11月5日に飲んだのが

今回はいやに酸味が強く感じられる
体調が悪いのか、ボトルコンディションが悪いのか分からない
ただ苦みや雑味がないのが救い



4日目も酸味の強さは残るものの美味しく飲めました
この強さならあと数年は寝かさなければいかんのですね



06に関しては
ヴィンテージチャートが出る前から造り手によっては05より良いではと思ったものですが
このボトルだけを見ていると
他の07も含めて06に比べて良いと思ったワインがなく
やはり07は難しかったのかなと思うしかないようだ

リンゴの果実味一杯 紅玉ワイン 

2010-02-14 | 日本のワイン
リンゴのワイン 紅玉




紅玉から造られたリンゴのワインを仙台出張で見つけました

でもワインというのは葡萄酒のことですから
よ~く考えるとリンゴの場合に使う言葉としては変だなあと思う

リンゴ系では蒸留酒がカルバドスで、リンゴの発泡酒がシードル・・・と思うのだが
”cidre”というのは仏語辞書ではシードル、リンゴ酒という

どう言えばいいのだろうか?
まあリンゴワインと呼ぶ方がイメージしやすいし、何とはなく高級感があるような気がする

ALC8%なので軽さとリンゴの甘さとサラリと味わいであっという間になくなりました



YAMAMOTO APPLE WINE<紅玉>
宮城県山元町特産リンゴの中から、厳選した”紅玉”
をていねいに発酵させました。ラベルもリンゴの木皮
を成分とした、こだわりの手造りです。
すっきりとした酸味の中に、リンゴのやさしい甘さが
とけ込んだバランスのよいワインです。よく冷やして
お飲みください。

とは裏ラベルの売り文句でした

平成22年立春絞り 梅錦

2010-02-11 | 日本酒
平成22年立春絞り 梅錦



この日本酒は”立春朝搾り”という梅錦の生原酒

節分の夜から一晩中もろみを搾り続けて
立春の早朝に搾りあがったばかりの火入れをしない生原酒

酒蔵でしか味わえなかった新酒の味わいで
お酒を造る人・届ける人・飲む人…〈立春朝搾り〉に関わるすべての人の
無病息災、家内安全、商売繁盛を隣の神社である大西神社の神主さんがお祓い祈願

神事的なラベルはそういう意味なんです

ですから数量が限られていること
地元でしか手に入らないこと
2月4日の立春にしか飲めないこと



とてもフルーティな日本酒で甘味が果実のような甘味で
口中にトロミ感も感じ素直に美味しい

こんな限定品、ワインだったらいい値段になりそうですね
でも1500円と手にしやすい価格で、食事にも合って
いい立春になりました


フェルトン・ロード ブロック2 シャルドネ ・・・ 2007水平FR vs NZ 

2010-02-08 | NZ・AUT・南米その他
フェルトン・ロード ブロック2 シャルドネ 2007
FELTON ROAD BLOCK 2 CHARDONNAY




同時ではないが興味もあり
前回掲載のボワイヨのピタンジェレと同Vintageを試してみようと開栓

まず、興味を引くのは栓がコルクではなくスクリューキャップ仕様であること
ローヌ地区などでVDTクラスで見かけはするものの
フラッグシップのクラスではお目にかかることはまずないだろう

まあ確かにこれではコルクの雑菌によるブッショネが発生することはないだろうし
安全で安心ではある



取り扱いも楽だし面倒でないことは確か
でもコルクを抜く作業がない分なにか物足りなさを感じてしまう

ブッショネ対策として効果があることは確かなんだろうが

ポンと音がするわけではないが
コルクが抜けきるときの感覚音や抜け切った時に
ボトル口からのワイン香の香り立つ様が好きなので

好みだけで言えばやはりコルクの方がいい



さて、本題のワインの味わいだが

香は
乾いた鞣革香にユリの花香にピピ・ド・シャー的な軽い還元臭が混じり合ったようで

味わいは
ドライなグレープフルーツで酸味が立ち過ぎ甘味が弱弱しい
余韻にかけてシースルーカーテンのように覆う苦味が気になる

Vintage故の酸味の刺々しさも相まってグラスが進まない
結果的に現段階ではバランスを崩しているワインなっている

<2日目>
やはり酸味が落ち着いて程よい甘味が出てきてバランスが上がってきている
シースルーの苦味が随分押さえられたが余韻の最後に僅かに残る

まあその苦味は良く言えば輪郭になるのだが
ある方が仰っていた話で良いワインに雑味や苦味はないと
私もまったく同感であり、そういう面で敢えて今一歩と言わざるをえない



価格的にはフェルトン・ロードは5000円超でボワイヨのピタンジェレは3000円弱
好みから言えば現段階ではボワイヨであるが、熟成したらどうなるか面白いところだ
この二日間でしかわからないが
ボワイヨが先に熟成ピークを迎え、1~2年遅れてフェルトン・ロードが迎えるのだろう

一頃前はフランス産が高くて今回のニュージーランドなどニューワールドが安くて美味しい
そんなイメージであったのだが
今では有名になれば、産地国に関係なく値段が上がってくるのだろう

どちらももう一本づつあるので、あと数年熟成させてから水平テイスティングしてみよう

バランスの取れた造り アンリ・ボワイヨ サン・トーバン 1er ピタンジェレ 2007 

2010-02-06 | サントーバン/マランジュ/ラドワ
アンリ・ボワイヨ サン・トーバン 1er ピタンジェレ2007 
SAINT-AUBIN 1er PITANGERET




割安でそれなりに美味しいワインのイメージがあるのがサントーバン


このワインは07なので固さと酸の強さで1~2日放置しないとダメかな
   
   ・・・と思いながら開栓した


いやー  最近飲んだ白ワインでは、というより久しぶりだろうか
   ・・・ 艶めかしくしっとりとした鞣革香が漂っていいですね

   ・・・ 味わいとしてはピヒラーに続いてストライクゾーンに入ってきました



サントーバンの白はマルク・コランのシャトニエール97
アラン・シャヴィの1er・アン・ルミリー05以来だが

このワインの方が甘味が程良く、柔らかな酸味も相まって
全体的な良好なバランスと伴に優雅さのある仕上がりになっている



驚きは開栓前の予想と違って十分飲んで楽しい域に入っている

最近では若飲みにたえられるものが主流なのだろう
パーカーが5星を与えた赤白両方の造り手はルロワとH・ボワイヨだけだったと思うのだが
そんなイメージから少なくとも1erクラスであれば最低でも5~6年経ってなければ厳しいと思っていた


質感のある色調で口中でのビロード感も申し分なく雑味や苦味も一切なく

ミネラル感や透明感のある味わいは若飲みの熟成感不足を十分補って余りあるほどで申し分ない
立ち位置が畑の位置と同様でピュルニーとサシャーニュの中間的で
但し高地であるのに厚みがあるためにブラインドは難しいだろう

まあサントーバンでは指折りのワインと言えるのではなかろうか

ほんのり鞣革香を漂わせる アラン・シャヴィー ACブル 2007

2010-02-03 | ACブルゴーニュ
アラン・シャヴィー ACブル 2007
Alain Chavy BOURGOGNE CHARDONNAY


A・シャヴィーは2007年のワイン誌「デキャンタ」で最も進歩したドメーヌ10傑に選ばれ
一躍檜舞台に出たのだが、日本ではまだまだあまり有名ではないようだ

造りはメリハリが利いていて、若い間は取っ付きにくいかもしれないが
口に含んだ瞬間 ・・・・・熟成した時には芳醇でバランスが取れた良いワインをイメージさせる

おこがましい話で恐縮だが
古典的というのではなく、飲み飽きしない、熟成を楽しむ
そうした”通好み”のワインに化けるのではと思える



06に比べて果実の甘味が弱いものの余り遜色のない出来栄えの07

  ・・・・・今は開栓3日目でもOKで、それぐらい経過後の方が美味しい

どうやら一般的には07は、06に比べて難しい年で芳しくない評価のようだから
お陰で30%以上安くなったのでしょうね

A・シャヴィのようなきちっとした造り手であれば
少々の天候不良は技術でカバーしているのだと実感



写真と違って恐らく樽は余り使ってないと思われ

葡萄の果実味と甘味、酸味をダイレクトに味わえる

ACブルはピュルニーの葡萄のみ(100%)で造られるようで
現時点ではデキャンタージュで酸味を飛ばしてからでないと固さが目立つが
襟を正すようなメリハリはACブルのなかでも好みのタイプ

その味わいにポテンシャルを感じるだけでなく
ワイン香に仄かに乾いた鞣革香を漂わせて”おっ”て思わせられました

いつものことだが
結局あと3~4年寝かせればいいものを
他に開栓していいものがないので
その芳醇できっとバランスの取れた(頃の)味わいを知らないまま庫内から消えてしまうのである

苦味の少ない泡 エグリ・ウーリエ ブリュット・トラディッション GC NV

2010-02-01 | シャンパーニュ/フランチャコルタ/他
エグリ・ウーリエ ブリュット・トラディッション GC NV
EGLY-OURIET BRUT TRADITION GRAND CRU




私は正直言ってシャンパーニュは好きではない
にもかかわらず時折開栓している
変な話である

喉がゴロゴロしてすっきりしたい気分になる時や
何~んとはなく赤ワインも白ワインもビールも飲みたくないときに
何~とはなくシャンパーニュになっている
何とはなくなんて贅沢な話かもしれません

ブルゴーニュやロワールで「おっ」って思える泡に出会えないために
結局シャンパーニュに戻ってきたわけで
手持ちはAYやAMBONNAY、BOUZYなどのブラン・ド・ノワールが中心

今回はエグリ・ウーリエ



好きではないにもかかわらず
きっとあるはずの”美味しいシャンパーニュ”を探して
果てしのない旅をしている(大げさ)・・・・・・・アルコールが入ってりゃいいだけなのかも



綺麗な濃い黄淡色が美味しそうな色調である

PPで91点などの評価があるようだが
ハッキリと言えるのは


パーカー評価ランキングで同ランクの★★★★★のピエール・ペテルスの
今年の正月に味わったPP95であるシェティヨン2000よりもエグリのNVの方が美味しい
同ランクの造り手のVintageシャンパーニュがNVに負けてる・・・・・・・・・洒落にならないですね



このシャンパーニュは裏エチケットに

  PASSAGE EN CVE:     37MOIS ・・・・・ 瓶熟はカーブ(造り手のセラー)で37ヵ月
  DATE DE DEGOGEMENT: AOUT 2009  ・・・・・ デゴルジュマンの日付は2009年8月

と親切に表記してある


炭酸が持っているわけではないのだが
シャンパーニュなど泡物に付きものの苦味以外に変な苦味もなく
グラスがすっと空いていくのは
私にとって異例だったブラン・ド・ブランのランスロ・ロワイエGC1999以来

このエグリはピノが主体で、落ち着くところはピノ主体の方が肌に合っているようだ

だからという訳ではないが手持ちのシャンパーニュの殆どはブラン・ド・ノワールが中心である