ワイン載録記 

【 ワイン香の空間(Espace-Vineux)に憩いを求めて 】

謹賀新春 ピエール・ペルテス “レ・シェティヨン” 2000 で2010を迎える

2009-12-31 | シャンパーニュ/フランチャコルタ/他
Pierre Peters Champagne Grand Cru Cuvee Special Brut
         “Les Chetillons” Blanc de Blancs2000
ピエール・ペルテス キュヴェ・スペシャル“レ・シェティヨン” ブリュット



“レ・シェティヨン”は平均樹齢72年の古樹のシャルドネで造られる
ワイン冷蔵庫に泡物は10本程度のストックしかないのですが

丁度切りのいい2010を迎えるにあたって
今晩は丁度10年物のこのシャンパーニュを開けることにしました

R・パーカーだけでなく
2005年にはフランスのベストセラー・ワインガイド「デュセール・ジェルベ」で
クリュッグ、ボランジェ、ドン・ペリニヨンに並ぶ5ッ星の最高ドメーヌに格付された




訪問していただいた皆様もよい正月をお迎えください

来年も気まぐれなブログ更新になるかと思いますが
時折立ち寄っていただければ幸いです


新進気鋭のスペインワイン ヴェンタ・マザロン 2005

2009-12-30 | スペイン/ポルトガル
ヴェンタ・マザロン 2005 ヴィニャス・デル・セニト
VENTA MAZARRON


2002年に初Vintageとなったというワイン

あまり期待したわけではなく
高価になったボルドーなら
味わいや香りにCSに似たものがあるテンプラニーリョで探したもの



接木されていないテンプラニーリョ
という意味のティント・ド・トロ100%という売り文句で購入

何だかシャルロパン・パリゾのフラン・ド・ピエ(純粋な足=接木していない)を思い出させてくれる

まあそんなイメージが広がって試しに買ったもの



全体のバランスはVintageからは想像できないしっかりしたワインだと思う

樽香を醸しながらタンニンが余韻として舌に残るのが好みが分かれるだろう

果実の甘みが舌にちょっと残るのがバランスを崩しているところかな

造りがしっかりしているので
あと2~3年でバランスが良くなっていくだろう

3年後が楽しみ ピエロパン ソアベ・カルバリーノ 2007

2009-12-27 | イタリア
PIEROPAN SOAVE CLASSICO CALVARINO 2007
ピエロパン ソアベ・カルバリーノ


イタリア系の白ワインは飲む機会が少ないのもあるので
イタリアワインに対する物差しがなく良く分からない

柑橘系のアロマをしきりに言われているようだが

私にはアブリコットに土っぽさのあるミネラルのアロマを感じる
色調から樽使いは多くはないようだ

アタックにはVintage通り若さゆえの刺激がある



<初日>
印象としては3年を目安に寝かせると
酸味の刺激的な強さが落ち着いてきて
バランスの悪さが解消されると思われる

<二日目>
変わらず酸味が強い
初日にも感じたのだが余韻に本当に微かな苦味が残ったのが気になったのだが
まるでグレープフルーツのようにこの余韻の苦味も変わらず存在している

総じて2000円超で買えるワインとしては合格点
では熟成させれば厚みやコク、ワイン香や味わいに柔らかさが出てくるのだろうか

私にはイタリアワインの熟成させたものの経験がないのでわからないのである

・・・まあFR産と同じように寝かせてみるしかないかな?!



フランスワインからみると価格から考えらないしっかりしたコルク




・・・Vintage2007はPP92という

初日と二日目の印象からは”?”だろうか
熟成させること、或いはしてからの評価であるなら・・・そうなのかも知れない

私はPPにしても目安にしかしてないので

何故なら
それはワインの熟成度や閉じ開き、試飲時の温度、味わいの好みや思い入れ
・・・などなど・・・・・によって評価者の採点が変わってくるからである


地中海沿岸の国々にはそれぞれワインを産出していうわけだが
石灰質の土が多い地域のワインが概ね美味しいとされている
そういう意味ではChablisのキンメリジャンをイメージするのだが
セパージュの違いもあり、味わいや香りからイメージされるAOCが当然出てこない

フランスワインから範疇を広げるときのためにも
記憶しておかなければと思う


このソアベは大好きな街である州都ヴェネチアのあるヴェネト州という



ヴェネチアと聞くと

何とはなくこのワインの持つ酸味は


自分で紋甲いかを捌いて
アンチョビを隠し味に使った好物のイカスミスパを思い出させる


濃さを楽しむ! コト・ド・ニュイ・ヴィラージュ 2005 シルヴィー・エモナン

2009-12-26 | HCDN/CDNV/その他
シルヴィー・エモナン コト・ド・ニュイ・ヴィラージュ 2005
COTE de NUITS-VILLAGES 2005 S.ESMONIN



女性醸造家シルヴィー

このボトルで何本目になるだろうか・・・・・
気に入っているワインであることに間違いはない





相変わらず彼女のワインはワイングラスの底が見えない

スワリングしなくとも

さりげないワイン香から
だんだんと温度が上がってくると
グラス口から優しく香ってくる様が心地よい




対極にあるライヤールやラファルジュなどのような薄造りのワイン
彼らのように味わいがじわっと後から感じられる粋なワインもある


・・・・・だけど

夫がドミニク・ローラン(FR語だとロホンと発音した方が近い)

夫婦ともに”濃いピノ”なのだが
シルヴィの方が早飲みには耐えられる造りはしている


05は「天候の良かった年 = 葡萄が強い年」
という図式になるわけであるから
このワインもご多聞に洩れず力強い

初日は開栓当初から若干の樽を感じさせながら
若飲みするにはちょっと厳しさを感じさせるのだが

二日目は打って変わって従順な貴婦人的な装いを感じさせ
香や味わいに力強さとともに余韻に魅力を感じさせてくれる

10年以上の熟成をさせてから飲みたいワインだといえるだろう
・・・・・CDNVはもうないのだが
ジュブ・シャンとクロ・サン・ジャックは確実に寝かせようと思っている

まあ試したかったのと、上級キュベの開栓時期を見たかったわけである



シルヴィのお父さんミッシェルが造った
「ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック1997」
は大切に寝かしたままだが

流石にこのワインは少なくとも17年以上、できれば20年は寝かせたい

・・・・枯れようが、ピークを過ぎようが

もうミッシェルのワインは飲めないから

求める完熟リンゴ  ピヒラー ロイブナー・ベルグ スマラクト 2004

2009-12-23 | ドイツ/オーストリア
ピヒラー グリューナー・フェルトリーナー ロイブナー・ベルグ スマラクト 2004
PICHLER GRUNER VELTLINER SMARAGD LOIBNER-BERG


最近のワイン価格は全体的に下がってきている
このワインにしても特価とは言え従前の半分である

ワイン市場が廉価になって嬉しいのだが

そういう状況にあると
今ワイン冷蔵庫に寝かせてあるワインリストを見ていて
在庫そのものの市場価格も下がっているわけだから
これらも半額なのかと力がなえる

何とも歯がゆさが残るのは仕方ない

まあ、ワイン冷蔵庫のワインは既に市場にないのだからお金を出しても買えないもの
・・・と慰めのような言い訳している



さて、オーストリアは在仏時代に何度か旅行に行ったが
熟成させれば美味しいワインになるからといって
手持ちフランスワインのように、熟成するのを楽しみに寝かせるワインにはお目にかかれていない

オーストリア最高峰生産者のスマラクト
価格も安くなったし、リースリングは好きではないが、オーストリア原産のセパージュ”グリューナー・フェルトリーナー”を初めて味わおうと1本だけ購入してみた



抜栓してグラスに注ぎ入れるときから
色調には黄金色が綺麗に入り
ワイン香に完熟フルーツ香がたち、時折鞣革~動物臭を交え
味わいに厚みやコクもそこそこあり
雑味、苦みなど一切ない・・・良いワインの典型的なワイン

いやー・・・素晴らしい!

私にはど真ん中ストライクのワインに出会えた


Vintage2004ですから約5年ものですが
初めて味わうセパージュ”グリューナー・フェルトリーナー”

熟成感も手伝っているのか
”完熟”リンゴ・パイナップルを味わわせ、それはイコール、蜂蜜感やビロード感を持たせている 



恐らくピークに入ってきているのではないだろうか
今からあと5~8年程度美味しく飲めるだろうと思われる

・・・思わず残っていた半ダースだが買い占めてしまった。
探せば良いものはあるものだ

シャンボールの優しさ ポール・ミセ シャンボール・ミュズニ1995

2009-12-17 | C・M/ボンヌマール/ミュジニ
村名では熟成14年というのは峠過ぎといったところか


初日は熟成感を官能し

二日目は下り坂を感応し


二度楽しめたワインと言えるかな



コルクはキャップシールを剥がしたとたん

表面が真っ黒くカビていて、湿度の高い場所での保管を裏付けか



ボトルに澱が少しだけど付着していた

ピーク過ぎと言えるかだろうか



それなりにシャンボールの優しい味わいと香りを楽しめたワイン

厚みは無いのだが、薄いと言うわけではなく
それなりに隠微的なイメージを持たせられる

価格的に5千円超だったと思うが

Vintage的に平均的な年であるから
良い年のものがでたら購入してみようかと思う

PPほどではないがそれなりに美味しい ニコライホフ リースリング レゼルブ 2004

2009-12-13 | ドイツ/オーストリア
NIKOLAIHOF STEINER HUND RIESLING RESERVE 2004


久しぶりのリースリング

リースリングはアロマというか醸造のでできるのだろうが
あの石油臭さが好みではないので、めったに飲まないセパージュのワイン


”PP97”に翻弄されて買ってしまったワインでした


後から考えれば
パーカー本人が試飲したわけではないだろう
くらいの知恵が回れば思いとどまったかもしれない。



リースリングとの出会いは
アルザスでシュークルットに合わせて頂いたのが最初だったと思う

その時は料理と一緒だったので印象は浅い

数年後・・・プラハ観光に車でパリから行った帰りに
ウィーンとザルツブルグにそれぞれ1泊したのだが

ザルツブルグ城の対岸側の小高い丘の上のホテルで宿泊した折に
ホテル内のレストランで夕食をとった時に、折角来たのだからと思って

その折に好きではない石油臭を気にする前に
初めて美味しいと思えたワインがオーストリアのリースリング

リースリングも時には・・・・安くてそれなりに美味しい

プイィ・フュッセ ヴェール・クラ 2005 コルディエ ・・・ 完熟リンゴを凌駕する

2009-12-08 | プィフュッセ/マコネ/ボジョレー
POUILLY-FUISSE VERS CRAS 2005  DOMAINE CORDIER


クリストフ・コルディエが最も好きだという"VERS CRAS"



色調の金色に琥珀を感じさせるワイン

香に完熟リンゴを中心とする味わい

軽く鞣革、牧草や白花のフローラルなど、昏々と湧きいずるワイン香



専門誌『ブルゴーニュ・オージュルデュイ』でブルゴーニュNo.1ヴィニュロンに選ばれ

その名は広く知られるようになった

私の手持ちのクラスマン2002~2003では星一つ



Vintageからいつものように飲む前30分~1時間程度はカラフェで空気に触れさせる

現時点ではグラスからの香りはきちっとあるのだが
色調や時折僅かに香る動物臭から

たぶん閉じていると言って良いのではないかと思う


このワインは美味しいのだが、
甘みが完熟葡萄という意味合いではなく余韻に残糖感を感じる分だけ

現時点ではバランスが若干崩れている

Vintageから、香から、味わいの3面から見て熟成途中と見るべきだろう


このワインが熟成して本当に開いたら

”至福の時を感じる”ことが出来るのではないだろうか




収量が少ないが故に

年間で1500本程度の出荷しかできない造り手のこだわりのワイン




クリストフの代で畑ごとにキュベができたというが
テロワールに対してより忠実に表現したかったのだろうか

液温は測ってみると16℃
シャルドネにしてはちょっと高めだが・・・私には丁度いい

低めにする必要は感じない


白ワインでは南ローヌのモンラッシェと呼ばれる Beaucastel Blanc VV と
セパージュが違うが飲み比べたいワイン
・・・恐らくVintageによっては好みが分かれるだろう


あと4~5年程度寝かせてコクやバランスの最良を求めたいが

05でこの味わいは飲んでいて楽しく幸福感があって嬉しいが故に
熟成を楽しみにしたいのだが ・・・・・ 待っていられないかも

マランジュの高い買い物 ワイン

2009-12-04 | サントーバン/マランジュ/ラドワ
比較的新しいAOCマランジュから面白いワイン


エリック・マルタンの造るMARANGES COTE DE BEAUNE 2005

ボトルにVIGNOBLE ECOLOGIQUE = ヴィニョーブル・エコロジック
(フランス語で「生態環境保全畑」という意味)




馬耕耘によって土への空気を送り込むことによって微生物との共存という
畑の自然な還元サイクルを目指している造り手

その耕耘している愛馬の写真がエチケットに




熟成はシュール・リー状態で、澱引きはなしで
12ヶ月の熟成後に無清澄、無濾過で手作業で瓶詰め



2005ヴィンテージ総生産量1,500本という

にしては透明度が高いように思える



ただ

開栓当初に獣臭が漂ったときは・・・”アタリ”だと思ったのだが

間もなく消えてしまった


プラスチック蝋でキャップを封印しているワインを久しぶりに見ました



この造り手のワインはなかなか味わう機会がないだろう

いずれにしても
5000円以上出すのであれば

Vintageの割に若飲みではなかったし
単純に美味しいだけでなく
香や余韻にまで厚みを感じさせる何かがほしいでしょう

翻弄されるワイン プピーユ 2003

2009-12-02 | ボルドー
プピーユ”Poupille”

このワインをグラスに入れるたびに




<初日記載>
何て濃いんだろうとつくづく思う

Vintage2002は軽く飲みやすさがあったのだが

Vintage2003は過熱果である分
果実味が勝ちすぎ
タンニンのザラツキが面白みがない

このワインが染み入るようなワインになるにはまだまだ時間がかかる

現時点で10年以上のバランスをが必要なワインだろうと思う




<2日目記載>
いやーまいったなあ
まだ樽が利きすぎ
固くて全然美味しくない

明日だめならビーフシチュー行きは決定



<3日目記載>
赤ワイン故に
タンニンの酸化があるだろうとあまり期待せずいた3日目


赤でしかも熟成7年目のワインで

開栓してやっと花が開くように本領発揮するワイン
飲み頃温度も少し高めでないとバランスが崩れてしまう難しいワイン

ほんとに機嫌屋の2003を飲むには単純ではないのだけれど

メルロー100%であるが故に
ちゃんとした造り手がちゃんと造ったワインであることを
味わいで教えてくれる

セパージュとイメージから少しは期待はしていたものの

色合いからもかなりの濃さで透明感が全然ない
”03”葡萄の強さをそのまま表現するとは・・・


3300円のワインで

熟成は軽く15年以上かもしれない

Vintage2003を飲まれた方の多くの方は
劇画「神の雫」に出た割には・・・なんて思った方が多いのだろう


葡萄樹メルローの果実味、甘み、この時点での若さを感じながらのコク
やっと出てきた酸味・・・・それらのバランスが取れた3日目

それがこの03のプピーユの美味しい飲み方でしょう