ワイン載録記 

【 ワイン香の空間(Espace-Vineux)に憩いを求めて 】

気軽なデイリーワイン ジャンティアル アン・ゲンヌ 2007

2010-01-30 | サントーバン/マランジュ/ラドワ
ヴァンサン・デュルイユ・ジャンティアル リュリー アン・ゲンヌ 2007
Domaine Vincent Dureil-Janthial En Guesnes




2本買った最後のワイン
ほんとは後2年程度寝かせようかと思っていたのだが・・・・・

ワイン冷蔵庫は熟成中のワインばかりでほぼ満杯

普段飲み用に20本程度のスペースをとっていたのだが
それも半分の狭小なスペースになってしまった

ワイン価格もそれなりに下がりつつあるし
安価になったら勿論嬉しいのだが・・・・・どのワインを買い込むか

その迷いが嬉しいような・・・・・・なんだか困った話でもある

更にもう一つ冷蔵庫買うとなると
家族の大反対に遭うことは必至
理由は亭主(私)の浪費を止める為に、これ見よがしに”ヘルシオほしいねぇ”とのたまう家内の目の前を
2台目のワイン冷蔵庫が無事に通過することはあり得ないだろう
庫内には子供達のVintageワインやシャンパーニュ、マールまで寝かせてあるにもかかわらず
まあ間違いなく、敵対視されるワインはかわいそうな存在なのだ

考えてみれば日頃コレクターとして悦に入っているのは私だけなのである



一昨日、庫内の2段の縦列駐車のようにおいてる棚の下の方にあるワイン
もちろん取り出しが面倒なので上澄みに置いてあるワインを見ていて

まあこれでいいかぁ・・・といい加減な選定で出庫

その日はエビスの黒ビールのはずだったのが
いざ飲もうと思ったらワインが恋しくなって

まだ開けちゃだめなワインを開けてしまいました

・・・・・あっちゃー ですね


2000円ほどの廉価(市価3800円程度)で手に入れたワインですが
このワインのこのVintage07なら即買いでしょう

熟成途中のため
鞣し革や土香などが瞬間瞬間にほんのり湧きいずるのですが
若さからか断続的で持続性かない

     ・・・・ あー勿体ないワインを開けてしまったと後悔



普段飲みするワインが2007が中心になっていることは事実

買いたくても置き場所がないというジレンマに陥っているのは

きっと私だけではないのでは?

北ローヌの隠れた銘酒 コート・ロティ ル・ギャレ・ブラン 2002 フランソワ・ヴィラール

2010-01-24 | ローヌ/シャトーヌフ/リラック
コート・ロティ ル・ギャレ・ブラン 2002 フランソワ・ヴィラール
COTE-ROTIE LE GALLET BLANC Francois VILLARD



ローヌ地方の2002は全体的に芳しくなかったような記憶があり
ヴィンテージチャートを調べてみるとなんと78Cという

だからオークション価格が上がらなかったのかな
でもお陰さまで美味しいワインが市価の半分の4500円ほどで味わえている



赤ワインなのに”ブラン”とは?

Côte-Brune〈 コート・ブリュヌ 〉と Côte-Blonde〈 コート・ブロンド 〉
の2地区で造られる葡萄を使うのだが
白ワインのセパージュのヴィオニエが造られるCôte-Blondeのその畑が石灰質で
そのテロワールの色がBlonde=金色(FR語)だけどヴィラールの畑は白色していて
その色彩を表しているのか?

まあいずれにしてもこのワインは現地でもなかなか見当たらなかったのだが
日本でも数多くは扱われてないようだ



ボトルに付着している滓の状況から見ると
飲み頃に入っており、ここ1~2年以内が限界といいうところか

でも、色調からはオレンジが入ってきているわけでもなく、あと数年は大丈夫のように見える



ロティはシラー100%が多いのだが・・・

このワインはシラーが90%ヴィオニエが10%程度で
AOCでシラーが80%以上、ヴィオニエが20%以下が認められるので
ヴィラールのように混醸で造っている造り手もいるのだろう

そしてこのワインはVintageによって割合を若干変えているようだ

たぶん、シラーの強さがVintageによって違うためヴィオニエで味わいを調整しているのだろう

一般的な感覚であったシラーの特徴の焦げパンの香りもなく
どちらかと言えば ”熟成したグルナッシュ” に近いワイン香を感じる
遠因として数%のヴィオニエの効果だろうか

故に飲んでてイメージワインとして大好きなシャトー・ヌフ・デュ・パプの”Beaucastel”
            ・・・・・勿論96,97,98でダース保管熟成させているのだが
のイメージが広がってしまった

自分の味覚音痴に頷きながらも
Vintageと造り手によって印象が変わること
 ・・・というより”変えている”造り手の力量を痛感

ほんとにワインとは面白いものだ


ワインン香が今一歩 モンジャール・ミニュレ エシェゾーVV GC 2003

2010-01-21 | エシェゾー/VR/クロブジョー
モンジャール・ミニュレ エシェゾーVV GC 2003
ECHEZEAUX GRAND CRU VIEILLE-VIGNE MONGEARD-MUGNERET




久しぶりにエシェゾーを開栓した

”手からブドウが・・・”

落ちているのか、拾っているのか

これはどっちなのだろうかとふと思うのは私だけだろうか?


このエチケットのデザインがフランス駐在時代から気に入っている


駐在時代になかなか手に入らなかったワインが帰任してネットで売られているのに感激と驚き

・・・日本の方が手に入るのかあ  ・・・しかもVV

てな具合に感心して即買い!




03というVintageを反映してバランスの上で若干果実味が勝ち酸味が落ちるのだが

美味しく飲める範囲でバランスが取れており
03ではアルローのリュショに若干劣るが良いワインといえるだろう



私にとって
思い入れのあるエシェゾー

・・・・・DRCの”GRAND-ECHEZEAUX 1989”とパリのワイン会で出会って以来
 ・・・・・ECHEZAUX には特別な思いができ
  ・・・・・最高のワインと称されるワインに共通の
      動物臭や獣臭、腐葉土や牧草、テロワールという言葉に集約される土香、そしてフローラル等等



香は閉じ気味なのか或いはこの程度なのか
難しい判断であるが、とにかく美味しい!


いずれにしてもモンジャールのGCはこれぞ中庸と言わんとしているようだ



※熟成6年では厳しいだろうと思い、デカンタージュは十分にやったのだが
 柔らかくはなってきているものの、まだまだ樽が利いてちょっと固め



本来はこのクラスであれば最低10年熟成が基本であるが


時にはきちっと襟を正し、端正でこれぞというもののワインを飲んでないと
味覚の修正が利かなくなるような錯覚?を起こしそうになる


と言い訳をしながら

03シリーズのアタリを期待して開栓したもの



前述したように、ワイン香が思ったほど強くなく、別に閉じているわけでもなさそうだし

モンジャールのワインでグラス口から芳香を放つようなワインには巡り合ったことがない

要するに香の強さも中庸なのだ・・・と思っている



私はカルチャーショック受けたDRCのグラン・エシェゾーを味わって以来
前述したが、良いワインが持つテロワールを感じさせる土っぽさと獣臭に酔いしれる習性がある

・・・獣臭というか野生感を彷彿とする生肉臭がたってくると鳥肌がたってくるのだ


このワインには勿論そこまでのワイン香と味わいはないのだが

端的にいえば中庸だからこそ飲んでて疲れないワインなのだろう

期待はずれの ヘクラ・モナストレル カスターニョ 2004

2010-01-19 | スペイン/ポルトガル
ヘクラ・モナストレル カスターニョ 2004
HECULA MONASTRELL CASTANO



昨年11月だったか
ワイン仲間の誘いで中野坂上の藤小西で日本のワインの試飲会があり

興味本位で仲間3人でその試飲会に参加その後で飲み会しようということで集まった


二次会的になった飲み会に
私はジャンティアルの 1er メカドVV 2007を、もう一人がこのヘクラ2004を
新宿のフレンチレストランへ持込んだ
ちなみにメカドのVVは好評でVintageに比べてイメージされる味わいより好印象だったようだ


元々はワイン会を開ける場所の探索に格好つけて
あーだこーだと仲間内でワイン談義などなどでただ飲んでいるオヤジたちなのである


私が「なんじゃこりゃぁ・・・重いけどいけるじゃないですかぁ」
友人(大先輩)曰く「PP91付いてるんだよ。でも1300円」

スペインはPPの高いものが多いのだがまだまだ飲んでないワインは多いなあ
と納得しながら記憶に刻み込んでおいたのが約2ヶ月半前




その時の初めて出会ったセパージュの”モナストレル”の味わいや価格に魅力を感じ
ヘクラのVintage2004を探して2本入手したもの



そんな思いもあったのだが改めて飲んでみると
不味くはないのだが昨年のような感動もなく・・・・・予想される味であるから必然かな

ちょっと口中での重さと濃さと後引きが悪く

ボトルが空くのに3日間もかかってしまった


飲んでて思ったのだが
このワインの葡萄であるモナストレルはどちらちらかと言えば長熟系のように思われる

残りの1本はセパージュの強さの確認をするためにもダメ元で2014まで寝かせようと思う
価格1300円のワインがそこまで熟成させられれば大したものだ

3年熟成を確認 ピエロパン ソアベ・カルバリーノ 2007

2010-01-15 | イタリア
PIEROPAN SOAVE CLASSICO CALVARINO 2007
ピエロパン ソアベ・カルバリーノ (2本目)




ワイン冷蔵庫が一杯になったので
しかも部屋にも冬場を利用して1C/S置いてあるので
若飲み可能なものを選んで減らしていこうと

ピエロパン2007は半ダースあるし
飲み頃のスタートを3年と見た自分の目の確かさを確認


これってPPで92点もあったのですねぇ

 ・・・その片鱗はあるかも
  ・・・ただ、薄いレースのカーテンを思い出させるような初心者では分かりにくい
   ・・・樽との絡みかもしれないのだが 
    ・・・全体を覆う苦みがあるのが引っかかる

    熟成によって変化する可能性はあるのだが
    何せイタリアワインは良く分からない


十分空気に触れさせてカラフェに注ぎ1時間放置

味わいや香りは1本目と打って変わり十分将来性を感じさせてくれました


口に含むと、前回のアブリコットに色付きが見えるようになった
デカンタージュのレベルから類推すると

3~5年程度というところか

Qualite-Prixなもう一つのドーヴィサ シャブリ 1er ボーロワ2006

2010-01-11 | シャブリ
アニェス エ ディディエ・ドーヴィサ シャブリ 1er ボーロワ 2006
Agnes et Didier DAUVISSAT CHABLIS 1er BEAUROY



もう一つのドーヴィサを知ったのは
「La Revue Vin de France」に載ったというので村名シャブリ2005を試してから

初めての出会いで
樽を余り使わないで
ミネラル豊富なテロワールと果実味をダイレクトに味わえるその造りに感心


今回のボーロワはVintageからいっても5年程度寝かせてから
と思っていたが開栓してしまいました



1erだけあって葡萄の強さがあり
初日は暴れていた酸味やバランスの悪さが
二日目は落ち着いてきて美味しく飲めました



こんなに薄い色調ながら
 ・・・ワイン香は一番ミネラルを強く反映し

キンメリジャンの畑の石灰質だろうか
 ・・・・・硬質感はありメリハリがあって美味しい



色調から樽は古樽で香り付け程度の使用で、村名シャブリよりは使用率が高そうだ

村名シャブリで感じた
シャルドネの果実味をストレートに活かそうという意思は共通だと思われる

現時点で熟成途中であることは明白で
価格3000円ははっきりいって買いだろう
但し、ボーロワは05や06の良年であれば7~8年の熟成が望ましいだろう

安くて美味しいテンプラリーニョ フィンカ・ヴィエハ グランレゼルバ1992

2010-01-09 | スペイン/ポルトガル
フィンカ・ヴィエハ グランレゼルバ テンプラリーニョ
FINCA VIEJA 1992 GRAN RESERVA 1992



ヴェンタ・マザロンと一緒買ったもので

ラベル裏にラマンチャという産地名を見つけ
     ・・・・・そう、あのドンキホーテの町

アランフェス交響曲で有名なアランフェスへの旅の途中で立ち寄り
    ・・・確か街の外側は荒野だったなあと記憶をたどりながら


価格的に2000円強だったので売れ残りかもと不安も感じながら
まあそれなりの17年の熟成感を期待したもの


開栓当初は鞣革の香や土ぽさのある香があったのだが
30分程度で香が飛んでしまった

あーらら・・・やっぱりそんなものかと妙な感心


飲んでて感じたのがこのワインは葡萄の持つ強さがなかったのではと思う
92はボルドー同様にスペインも恵まれた年ではなかったのかな

薄い味わいではあるが全体的にバランスはとれており
それなりに楽しめるワインではある




色調に若干のオレンジも混じってきて熟成感が漂って綺麗な色



グランレゼルバの割に17年間が樽のビシビシ感を丸くし重くもなく
気楽にカジュアルで飲むにはそういった熟成感もあって丁度いい

価格を考えれば贅沢は言えないだろう

むしろ買いかも



12/23に続く2本目 ピヒラー ロイブナー・ベルグ スマラクト 2004

2010-01-06 | ドイツ/オーストリア
ピヒラー グリューナー・フェルトリーナー ロイブナー・ベルグ スマラクト 2004
PICHLER GRUNER VELTLINER SMARAGD LOIBNER-BERG



前回の12/23につづくロイブナー

ボトル差によるバランスの悪さが前回に比べると若干感じるものの
グラスを空けるスピードが変わらず
すっと空いていく

追加で購入したワイン6本の内の1本目を再確認に開栓したもの

残りは上り坂からピークと思われるこの2~3年かけて
和食・中華を中心に合わせていこうかと思っている



*紅白の縞のシールキャップはオーストリアの酒税納付の証で
 このワインは輸入者(ファインズ)が並行輸入したのかもしれない

造りの良さは垣間見るが・・・ モレ・サン・ドニ キュベ・デ・グリーヴ 2001 ポンソ

2010-01-04 | モレ・サン・ドニ/CSD/CDR
モレ・サン・ドニ キュベ・デ・グリーヴ 2001 ポンソ
MOREY-SAINT-DENIS CUVEE DES GRIVES DOMAIINE PONSOT



モレ・サン・ドニの雄
クラスマンでは星一つ

・・・と言っても2002と2003なのだが
・・・・考えてみればこれは古書になっているなあ(笑)



Vintageとしては良年ではない
必然的にVintageからイメージされることは
日照不足による果実味の弱さ、故に必然的にもたらされる酸味が勝り
きっとバランスが悪いかなってイメージをしていたのだが


初日は予想通り酸味が勝っていてもそれなりにバランスがあり
良い意味で造り手の技量を感じる味わいに”ウーン”と唸らされた


・・・が

二日目は酸味が突出し完全にバランスを崩し
果実味や甘味が押さえこまれてタンニンは何処かへ
まるで別人のように変化してしまった

やはりとしか言いようがない

ポンソもよお前もか! ・・・・ である



<意味>
Il a ete tire seulment 3175 bouteilles de ce vin.
*「このワインは3175本のみ造られました」

Si le point blanc imprime au millieu de ce texte au gris fonce,
cela indique que la bouteile a ete exposee a une temperature trop elevee.
*「もしも中央に印刷された白丸が濃灰色になっていたら、それはこのボトルが高温に曝されたことを意味します」


英語と一緒に記載されているが、
輸出時の倉庫保管や輸送温度に目を光らせる意味で

消費者に対して本当に親切な配慮と言えるでしょう



薄めの造りだが

ワイン香は
強くはないが色調からのイメージに比べれば強いと言える
・・・・・獣臭を醸す鞣革、赤果実と梅香、白や紫のブ-ケなどなど
グラス口から離れても香ってくる様は素晴らしい

ただ二日目の状態からいえば
良いワインの条件と言える「二日目が美味しい」ワインになっていない

VVのクロ・ド・ラ・ロッシュは長熟であるが故に寝かせてあるので
その若木をベースにしたモレ1erのキュヴェ・デ・ザルエットを試してみたいものだ

ロベール・アルヌー ニュイ・サン・ジョルジュ 1er レ・プロセ はNSGの模範か 

2010-01-02 | NSG
NUITS-SAINT-GEORGES 1er Les Proces 2000 ROBERT-ARNOUX
ニュイ・サン・ジョルジュ 1er レ・プロセ ロベール・アルヌー



前回の大晦日から久しぶりに開けたシェティヨン2000

まだ早いかなと予想していたよりも
果実味や甘味と酸味のバランスも今ひとつであった
それは酸味が勝ちすぎ、翌日にやっと酸味が落ち着いてきて
それでもウーンと唸ってしまった



家内は一口飲んで
「美味しくないね!」とバッサリ

普段飲みなれない人に言われるようじゃあ
五つ星は ”?マーク”ですね

・・・だから安かったのかな・・・あと一本あるんだよね
仕方ないから気ままに寝かせるとしよう

Vendanges(ヴァンダンジュ=摘み取り)が早かったのか
00の気候上できなかったかも知れないのだが
私なりには一呼吸待つと果実の甘みがもっと出てきたように思える

ステンレスタンク醸造の割に果実味が弱弱しくあるのだが
あの酸味が熟成によって
ひょっとしたら・・・・化けるかも知れないし



さて本題のNSGですが
1erレ・プリュリエでアルヌーのレ・プリュリエの区画はプロセと呼ばれる

プロセって何?
NSGにそんな畑が有ったっけ?
という方は多いかもしれません



私自身はこのプロセをNSGのスタンダードな一本だと思っている
骨格がしっかりしているというか
メリハリがあって
Vintageにかかわらず酸味・タンニン・甘味という赤ワインの基本となる要素のバランスが良く



それでいて熟成させることにより
グラスを進めさせる妖艶さとでもいうか
後を引くワインとなる

ここ2~3年程度がピークだろう
最後の1本は10年の区切りとして2010に飲むとしよう

・・・Vintage00の葡萄は強くはないから

写真の通り色調からも2010が頃合いだろう



00のNSGとして楽しませてもたらった良いワインでした