ワイン載録記 

【 ワイン香の空間(Espace-Vineux)に憩いを求めて 】

オーレリアン・ヴェルデ HCDN ル・プリウレ 2005

2010-03-27 | HCDN/CDNV/その他
オーレリアン・ヴェルデ HCDN ル・プリウレ 2005
BOURGOGNE HAUTES-COTES DE NUITS "Le Prieuré" AURELIEN VERDET




このワインは先日飲んだティボーのPRIEUREと同じ”小修道院”の畑からのワイン
丁度1週間前に飲んだばかりで、同じ2005で、同じHCDNで、同じ畑での比較になる

2005であればVintageとしても申し分ない年であるし
造り手の実力を水平テースティングによって単純比較できると思って開栓した
 ・・・そういやこの小修道院の手持ちワインはこのヴェルデで3種類4人を持っていたわけだ!

ところで”PRIEURE”の綴り字記号だが
Eの上の点が付いているから”レ”と発音する
ということはプリウールではなくプリウレにならなくてはいけない

この点がある、つまりアクサンテギュの付いた場合は語尾の発音が変わってしまう
点がなければ”ル”となり、小修道院ではなく女小修道院長となって人を示すようになる
そして”E”そのものがなければ男性の小修道院長とを示すことになるのである
 ・・・マルク・ロワ、ロティや1erのトラペなどはEがない
 ・・・ティボー掲載時に推測で串刺しかと書いたのだが
  ・・・・・やはり判明したのが1erと村名は地続きで1erがマジと地続きであった
  ・・・・・HCDNの位置は不明だが

ラテン語圏にある男性名詞と女性名詞の違いとFR語のアクサンテギュという点のあるなし
日本人にはなかなか理解しずらい部分かもしれない

で、結論は
ヴェルデの輸入元ラシーヌの”プリウレ”が正解で、ティボーの輸入元かショップが間違いである



何年か前にオーレリアンのお父さんアランが造ったHCDN1999を飲んで
古典的で薄造りで、熟成も手伝ってかショップでは人気があったような・・・
 ・・・でも私にはその1回でもう十分でもういいやと思った造り手だった

今回代替わりしてどう変わったのか
評判もまあまあ良さそうなのとインポーター変更でラシーヌの在庫処分で安売りになり
そんなこんなので興味をもって試したわけです



紫のフローラルを感じさせながら物静かさを共に感じせるのだが
 ・・・私にはそれがジュブレそのもののテロワールのある種イメージ範疇ではある

ヴェルデは余韻にかけての雑味とは言えない、耳凝らさないと解らない不協和音とでも言おうか
その余韻の味わいの差に大きく実力差を感じる
故に後引くような妖艶さに差異があると言えるだろう

また全体のバランスが互いに高いレベルで調和しているが故に飲んでて美味しく楽しめる

色調はヴェルデが若干色調も濃く
香において土香が勝っている点をあげておかなければならない
タンニンのザラツキがまだあり飲み頃に入ってない分だけ部が悪かったかもしれない

何れにしても
05のNCDNのプリウレに関してはティボーがハッキリって一枚上手である。
そう言えばPPでティボーが91と言うから、ヴェルデは点数で評するなら89~90であろうか

まあ実際に私にはそんな点数は参考程度なのだが
ジュブシャンの小修道院の畑で美味しくなかったワインは無いというのが結論だ

<二日目追伸>
初日に記載した余韻の不協和音について
二日目には余韻の最後に苦味が感じられるようになった
全体的にはあまり落ちたとは言えないのかもとフォローしておくが
これではティボーにはもう一歩離されたとしか言いようがないのも事実

二日目に共に美味しいワインではあるが可なり差がでてきた

南仏の欲張り混醸 ドメーヌ・ド・サレント VV 2006

2010-03-25 | ラングドック/南西地区/マディラン
ドメーヌ・ド・サレント VV 2006
DOMAINE DE SALENTE VIELLES-VIGNE Languedoc-Roussillon




このワインは日本ではものすごくマイナーなワインだと思う
いったいどこだろうと思ってエチケットにあるポストコード34150 GIGNACを探すと
な~んと地中海にほぼ面しているような街である
モンペリエから西北へ約40km離れた人口5000人ほどジニャック村
良く写真で見かける南仏独特のオレンジの屋根が似合いそうな街のようだ

いわゆるラングドック・ルーション地区と言われる地域
造り手によっては個性のあるワインがあって未開の地と呼べるかもしれない

今回のこのワインはいろいろ混醸されているのが一口飲んでじっと考えれば分かると思う
スペックをうろ覚えでGN・CSの2種類までは直ぐさま思い出したのだが・・・・・
あとは何だっけ?・・・・と店のWEBを確認すると
GN25%、CS20%、ML30%、CN25%が混ざっており4種の葡萄の混醸であった



基本的にセパージュが濃い葡萄なので必然的に濃い目のワインになっている
飲み口としても重い目のワインであることに違いはない

チーズに合わせてブリ(チーズ)などきっと美味しいだろうし
好みだが青カビのロックフォールの手造りで塩分が少ないものが食べたくなるような・・・・
ワインとバゲットと一緒にやりたくなるワイン




グルナッシュが入っているのでカオールとは別物だが
カオールに通じるような熟成すると土香がバッチリの肉料理向きのワインのような気がする
1700円ほどのワインだが4-5年熟成して飲んでみたいワインの一つと言える

このVintage06では余りにも若飲みしすぎだと思うし
確かに二日目方がワイン自体が柔らかくなって美味しくなったのは事実
でもまあ少なくともあと2~3年寝かせてからだろう

まあ、そんなことよりも
いずれの地域も日本での取り扱いが少ないので寂しい限りの産地であることは間違いない

<二日目>
相変わらずワイン単体では強過ぎる
口中でのアタックの強さがあり、また余韻にかけて各セパージュの余韻が入乱れてくる
まあ、Vintageから言ってもまだまだ馴染んでないというのが実態だ

しかし空揚げなどと合わせるとピッタシで美味しくいただけました
今飲むのであれば強い料理で和らげる必要がある

ティボー リジェ・ベレール HCDN クロ・プリウール 2005

2010-03-21 | HCDN/CDNV/その他
ティボー リジェ・ベレール HCDN クロ・プリウール 2005
THIBAULT LIGER=BELAIR HAUTES-COTES DE NUITS "LE CLOS DU PRIEURE"



ティボーのワインでは
この”CLOS DU PRIEURE=小修道院の畑”というワインしか飲んだことがない
と言うよりも
一回飲んで自分のストランクゾーンに入ったワインだった
だからレ・サン・ジョルジュなどもあるようだが、値段が倍以上もするにもかかわらず
PPだとHCDNと遜色ないが故にそこまで出そうという気がしなくて触手が伸びてない

こういう時にPPは参考にはなる
しかしながら最上級キュベを飲んでないことは確かで
飲まなきゃ分からない言葉で表現できない暗黙知がひょっとしてあるのだろうが・・・



この小修道院の畑と呼ばれる畑は
ACブル、HCDN、ジュブレ村名、ジュブレ1erの4つの区画のプリウールが存在している

ACブルはレシュノー、HCDNはティボー、村名はマルク・ロワやJ・ロティ、1erはトラペなど

一連のプリウール畑の位置がどういう風になっているのか良く分かってないのだが
恐らく4つの区画を串刺しのような形で結構広い面積で存在しているんだろうなあと思う
 ・・・違うかもしれないが?

そのうち3種の区画のワインは手持ちで熟成中である
今回は飲み頃に入ってきたであろうHCDNのこのVintage05を開栓した



相変わらず後引く美味しさ
ブログ未記載だが、前回試飲から約2年の熟成で
タンニンの柔らかさや甘味、酸味のバランスがより高いところでバランスしてきたようだ

4000円弱のワインとしてはお気に入りの一本である

<追伸>
二日目も落ちず、良いワインであることを証明するように全然変わらず美味しい

”E”が語尾に付いていたので女性名詞だっけかと思って当初、女修道院と書いたが
Eにアクサンテギュ”Eの上の点”が付いていたのと”DU”からやっぱり男性名詞で
ブログ記載時に可笑しいなあと思いつつ間違えてしまいました

まあ日本人には男性名詞と女性名詞の差異を理解するのは難しいかもしれないのですが・・・
・・・FRに在住した者としては恥ずかしい限りではあるが ・・・ m(_ _)m

ジョセフ・ロティ ACブル・ブラン 2005 

2010-03-19 | ACブルゴーニュ
ジョセフ・ロティ ACブル・ブラン 2005 
JOSEPH ROTY BOURGOGNE BLAC




ピノブランを主とするしっかりしたワイン
Vintageの良さもあるがピノブランとしてはアンリ・グージュよりもあっさり系で
誰でもそれなりに美味しく飲める白ワイン・・・・・スタンダードなピノブランと言える



2000円ほどで買える白ワインとしては超お勧めかも知れない
但しグージュのようなコクが無い分、初心者が美味しく飲めるワインだろう



まあ時たま見つけた廉価の良い白ワインでした

プスドール SLB 1er グラヴィエール 1997 +α

2010-03-17 | ヴォルネー/ポマール/SLB
プスドール SLB 1er グラヴィエール 1997
La Pousse d'Or SANTENAY 1er Cru LES GRAVIERES



プスドールと言えばヴォルネイの60ウーブレが有名なのだが
SLBのためかVintageも悪くないのに割安で購入できた

色調から見るとラファルジュなどに通じる薄旨造りと言えるだろうか
このワインの素晴らしさは13年目を迎えてもしっかりとした味わいであり
エッジだけでは熟成が見えにくいのだが
全体に熟成色というか
うっすらとオレンジが入ってきているのが透かすと見えてくる

・・・そんな隠れた部分で熟成感を出しているが
 ・・・ピークに入っているというのが正解だろう
  ・・・だから今売らなければというのがインポーター=ヴィノラムの意図だろうか



裏のエチケットには
「このワインは農薬も殺虫剤なしで栽培される素晴らしいブドウによって生産される」
こと等を伝えると同時に醸造等について伝えている
Ce vin est produit par de merveilleuses vignes cultivees sans pesticide
ni insecticide et i'unque apport, la fumure, est d'origine naturelle.
La terre est travaillee, sans desherbant, pour maintenir
l'aeration ainsi que la vinification est douce et respectueuse
du seul cepage utilise pour I'elaboration de nos vins ruge.



コルクはたっぷりの染み込みがあり
うっすらとコルクトップにカビもあり
湿度の高い横置きの保管であったことが伺え
保管状態は理想的であったと思われる



熟成感が旨みを増すワイン
紫のフローラル香がジュブシャン的に感じるのだが・・・
まあこのクラスであれば鞣革香もきっちりと艶めかしさを漂わせて
ALCのアロマと相まって香り立ちが良い
サラッとして軽めの熟成感が飲み疲れさせないタイプのワイン

果実の甘味だろうか、若干その甘味が弱いのが気になる
まあ、そんな欠点を補う適度な熟成感とバランスがあるワインである


今週末にはフランスワインに造詣のあるプロのワイン商の方が主催されるワイン会に
会社の初心者を誘って初参加予定 ・・・・・初心者の彼にはいきなりで戸惑うかも

・・・・・少なくとも有名銘柄で熟成Vintageを味わうようなワイン会ではなく
 ・・・とんでもなく安い会費1000円で6種類の試飲
 ・・・聞いた人数から計算上1種40CC程度か?

3000円弱の普段飲みのワインを中心に
AOC毎の標準的味わいからテロワールが感じられるといった隠れた題材もあるはずで 
豪勢なワイン会を期待される日本のワイン会から逆行するようだが
私にとっては、試飲=ワインと口直しのバゲットのみという本来のワイン会を思い出させる
すご~く楽しみなワイン会なのである

初めて美味しいと思えたロゼ泡 ソーター ブリュット・ロゼ 

2010-03-14 | シャンパーニュ/フランチャコルタ/他
ソーター ブリュット・ロゼ
SORTER BRUT ROSE ESTSTE GROWN OREGON 2005





泡は良く分からないと何度も言ってきた

でも ・・・・・この泡はシャンパーニュでも思わなかったのに

泡素人の私にとって
今まで飲んできた泡でトップランクの泡に位置して
軽~くある苦味を押さえてホントに美味しいと思えた

それがアメリカ産であることが
フランスファンの私としては正直少しショックであった

そう、味わいからセパージュがフランス原産だろうとは容易に想像できるのだが・・・・・・
フランス駐在を通してFRファンとしてはアメリカ恐るべしと実感する一瞬がこの泡にある



ちょうど飲み口から
ピノが50~70%ぐらいかなと思って種々の宣伝を探していたら
この2005はピノとシャルドネが50%50%という・・・そうだろうと実感

苦味は極度に押さえこまれて
葡萄の果実味がストレートに味わえる泡

ロゼの分だけPinoのコクを持たせているのがすごく好印象で
泡でトロミというか厚みを感じられたのは嬉しいかぎり



折しも明日は結婚記念日にもかかわらず1日早く開けてしまった泡
家内とボトルを空けてしまった・・・オイシイ!



更にホワイトデーと言う日本人の商魂にのって
家内と娘に手造りクッキーをプレゼントしたばかりであるが
私にとってこの泡は記憶に刻み込めた素晴らしいプレゼントの泡であった

9年で熟成ピーク クリュ・ブルジョワ CH ボー・シット 2001

2010-03-09 | ボルドー
CH ボー・シット クリュ・ブルジョワ 2001
CHATEAU BEAU-SITE ST-ESTEPHE CRU BOURGEOIS




久々のボルドー

サンテステフは7年前にモンローズを飲んで以来だろうか
現在では好きでもないシャンパーニュよりも飲んでいる本数は少なくなっている

ワインとの出会いはサンテミリオン(観光局のYouTubeのVideoが見られます)だった
そこから出発してだんだんワインを知っていくうちに
畑を見たくて、どんな街か見たくて、何か掘り出し物を探しに、子供たちのVintageを探しに
PAQUE(パック=復活祭)などの連休を利用してボルドー現地へ観光がてらに良く行ったものだ

しかしながらフランス在住の初期に確かにハマったボルドーだが・・・
いつの間にかワインセラーはブルゴーニュが殆ど占めている

でも時にはボルドーを飲みたくなるのは事実で
今回は時たま目にとまったオークションにこれならと思った市価の1/3価格を入れた



その結果、えーホントに!とビックリ価格で落札したワイン
”ありえへん”価格=ワンコインで落札できた拾いものでした

味わいはいいのだが欲を言えば後引く力が弱い
このクラスでは仕方がないのはわかっていることだけど抜群のQUALITE-PRIXなのだ
そこそこの厚みのある熟成感もありエッジの色調からみればピークはまだ先のように見えるのだが
滓からみれば十分熟成しているようだ



CSが70~75%のメインのセパージュで左岸におおいタイプではある
右岸も左岸も私にとっては美味しいワインが多いのだが
造り手の固有名詞というか顔が見えてこないのがやっぱりボルドーだなって

まあそんなことはどうでも良いことで
CSの熟成感をそれなりに楽しんで飲ませてもらった

8日目に大化け アラン・シャヴィー ACブル 2007

2010-03-07 | ACブルゴーニュ
アラン・シャヴィー ACブル 2007(その2)
Alain Chavy BOURGOGNE CHARDONNAY




”きたー!”
・・・きっと変化する・・・勝手な想いの勝手な予想がズバリ当たった

結果は走者一掃の逆転三塁打のような良いワインだった
造り手は違うが昨年11月に飲んだモレ・ブラン05と同様かそれ以上の大化け

同じワインの前回(2/3ブログUP)と違って今回はカラフェを使わず試飲
まあこれが前回と大違いの・・・酸味が固く甘味は非弱く薄っぺらでバランス皆無

デキャンタ誌で最も進歩したドメーヌ10傑に選ばれたのは社交辞令だったのか?!
でも2006は村名ピュリニー・モンラッシェや村名と遜色のないACブルを飲んで
凛とした造りと味わいに美味しいと思ったものだった
  ・・・故にセラーに06のピュッセル、シャルム、クラヴァイヨン、シャンガン等が寝ている

そんな思いからVintage2007のACブルを半ダース買ったのだが・・・
  1日目・・・06より遥に固くて酸味とのバランスは最悪でデキャンタすべきだったと後悔
  2日目・・・変わらず
  3日目・・・ほんの少しホッコリ感が
  4日目・・・柳の下の二匹目のドジョウはいなかたのかぁ、駄目かなあと諦めかけ
  5日目・・・ホンノリと酸味がマイルドに甘味が出てきてひょっとしてと期待が出てきた

  8日目・・・すっかり生まれ変わってこのワインは素晴らしい!


このワインは失敗買いかと思わされたのだが・・・

8日目の美しい白鳥になったこのワイン
7日目までを知らない人が8日目の今飲んでいるワインは1500円だと言ったら
間違いなく買えるだけ買い占めるだろう
(R・パーカーが良く使うのでこういう言い方はしたくないのだが)




たっぷりの甘味のある厚みが出てきて柔らかさのある酸味が実に美味しい

前回も書いた鞣革香がしっとりと変化してきているのが良く分かる
ほんとに別人になるというか大化けとはこういうことかと感心
  ・・・通にしか好まれないワインなのでしょう

長いワイン人生で1週間落るどころか
逆に尻あがりに伸びてきたワインは初めての経験

Bravo Alain Chavy!
C'est tres-bon! super! Qualite-prix!

<追伸>
このブログUPと同時に3本目を開栓し
瓶内でシャッフルして一休み後バキュバンして8日間待ち・・・楽しみなDEGUSTAION

ベルトラン・マーシャル・ド・グラモン NSGテラス・デ・ヴァレロ 2006

2010-03-06 | NSG
NSG Les Terasses Des Vallerots 2006
ベルトラン・マーシャル・ド・グラモン(その2)



昨年11月に飲んで以来これでこの造り手の2本目で最後のワイン

コルクはプラスチック(ポリエチ?)で安物のような格好であるが
スクリューキャップと同様でブッショネの心配はない

この赤ワインの素晴らしさは3日目でも凛として崩れないところである
どちらかと言えば日を追うごとに柔らかさが出てきて
NSGのきちっとした風合いに優しさを持ったようである

野イチゴの香と甘酸っぱさの味わいは残したまま3日目を迎え
このワインは女性が好みそうなワインに変化したと言えよう




価格的にも2500円ほどだったと思うので
後2、3本買っておけば良かったと何時ものパターンである