当方は35年以上も前の昭和50年代から「暖かい家」、「涼しい家」「冷暖房費の掛からない省エネ住宅」それに「結露のし難い家」などをテーマにした研究開発を行ってきました。
当時は、何処の研究機関より早く、湿度管理の重要性に気付いていたと自負しています。
断熱性能を上げるには、断熱材を厚くして隙間を作らず、トリプルガラスなどを用いる事で成し遂げられます。
つまりは、既成の建築部材を上手に組み合わせることで果たすことができるのです。
しかし断熱性能を向上させて、省エネで室温を高くすると相対湿度が下がります。
「家は性能だ!」とのコピーで断熱住宅を販売するあるハウスメーカーのユーザーさんは、暖かいのは良いけれど、室内が乾燥してカラカラだと嘆いていました。
これは気温と云う湿気(水分)を抱える器が大きくなると、そこに存在する水分の割合が小さくなるからです。
湿度を%で表記しますが、その気温で抱えている湿気の割合を示しているからです。
本当の水分量は絶対湿度と云いますが、空気1㎏中の水蒸気の重さを「g」で表記します。
例として気温20℃、湿度50%の時の絶対湿度は7.3gです。
同じ20℃でも湿度80%になると11.7gまで増え、30%では4.3gとなります。
私達のように温熱環境を研究しているモノは、この絶対湿度を見ながら理想に近い温度と湿度を目指しております。
これを機械的に行う事は、幾通りも実験してきました。
しかしながらどれも完璧ではなく、シリカゲルを処方した「ファースシリカ」を開発に成功し、現在のような安定した温湿度を保つようになりました。SDGsの理念は此処にも踏襲しています。
床下に約300㎏の「#ファース「#」シリカを敷設すると200㎥の水分をストックして吸放出します。