すずめ通信

すずめの街の舌切雀。Tokyo,Nagano,Mie, Chiba & Niigata Sparrows

第306号 アメリカ人の犬の飼い方

2006-01-14 22:56:51 | Washington Report
【Washington】世界中で人気のある漫画のスヌーピーはいつも戸外の犬小屋の上で生活していますが、私はアメリカ生活20年で、まだ一度も犬小屋というのを見たことがありません。田舎ではどうかわかりませんが、アメリカの都市部では犬はたとえ広大な庭があろうとも屋内で飼うのが普通のようです。屋内でも外の靴のまま生活するアメリカ人の生活様式ともおおいに関係があるかもしれません。

それなのに、全米規模の愛犬家クラブはAmerican Kennel Club(http://www.akc.org)と名が付いていますから、きっと昔は犬小屋が使われていたのだと思います。もっともKennelには、第一義の犬小屋のほかに、犬を飼育、訓練する施設という意味もあり、クラブはまさに飼育訓練クラブなのです。

犬はペットの中でも特別で、犬を飼っている人の家では人間並の地位を与えられているようです。ですから、人間の子供同様、厳しい躾を受けます。アメリカ人の子供が、親の氏育ち、教育程度、社会的地位などに関係なく他人のいる所で駄々をこねたり、騒いだり、走り回ったりせず、親には絶対服従であるように、犬も他人に吠えたり、お客さんにうれしくって跳びついたり、じゃれつくなんてことはしませんし、飼い主には絶対服従です。

犬の躾、訓練の良さはここかしこで見られます。たとえば、犬が人間社会に溶け込んでいるアメリカでも、殆どの店やレストランの中には盲導犬以外は入れてもらえませんから、飼い主は街中の小さいスーパーやスターバックスでちょっと買い物する間、店の前に犬を繋いでおきます。その犬達が飼い主が戻って来るまで身動きもせずじっと座って待っているのは見事なものです。

それだけ躾けられていても、動物は動物。外に出る時は綱をつけなければいけません。でもワシントンでは犬が綱をほどいてもらって自由に走りまわれる場所があちこちの公園に設けられています。

余談ですが、日本人のお宅に伺うと犬も子供も日本国内と同様、羽を伸ばしっ放しですね。同席の、日本に行ったことのないアメリカ人のお客さん達はとまどうばかりだし、日本に行ったことのあるアメリカ人達は、お馴染みの光景とばかりの顔です。

先にあげたクラブは犬の飼育訓練クラブなのですが、その究極の目的は飼い主の飼い主たる責任と義務を教育することにほかなりません。このクラブは犬の躾、訓練の結果を競い合う競技会も開いています。

Mie雀さんの犬のオシッコ考(「すずめ通信」第305号=06年1月12日)を読んで、犬の排泄のさせ方に日米で大きな違いがあるのに気がつきました。排泄の躾は飼い主によって違いますが、私のアメリカの友人は一人ならず何人も「屋内で排泄しない」ように躾けました。ですから、散歩は排泄を兼ねています。

そうして見ていると、ほとんどの犬が散歩中に大も小もしているようです。でも、犬のオシッコが汚いという苦情はまだ耳にしたことがありません。ワシントン地域では車道と歩道の間に必ずと言っていいほど並木の植えらた土や芝のある緩衝地帯があって、犬はだいたいそこにオシッコをするせいなのかもしれません。

しかし、糞は地面に吸い込まれないのでそういう訳にもいきません。そこで犬が落したものは必ず飼い主が拾わなければいけないという条例があり、飼い主は犬の散歩には必ずビニール袋持参です。袋に手をつっこんで犬の落し物をつかみ、そのままくるっとひっくりかえして袋の口をしばれば、手も汚れなければ、特別な道具もいらないという訳です。私の住む地域にはそれをずっと持ち歩かなくていいように犬の落し物専用のゴミ箱(写真=左の箱にはビニール袋が用意されています)が30メーター置きぐらいに設置してあります。

ワシントン地域は共稼ぎ、独身者が多く、昼間だれも見る人がいないのに犬を飼っている人が多く、一日一回の散歩の時まで排泄を我慢させるなんてけしからんと思っていたのですが、犬は一日一回の排尿でいいとのMie雀さんのお話しで、長年の心のつっかえがおりました。
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