みちのくの山野草

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花巻市の雄山寺(6/28、岡山不衣の句碑)

2018-06-30 20:00:00 | 賢治関連
 6月28日、埼玉から突然訪ねてきた同級生が雄山寺に行ってみたいというので案内した。お寺は知っていたのだが、訪ねたのは初めてだ。 
《1 》(平成30年6月28日撮影)

《2 》(平成30年6月28日撮影)

《3 驚いたのは、岡山不衣の句碑があったことだ》(平成30年6月28日撮影)

    鶏頭や夕日に染まり地獄変
まさか、下五に「地獄変」が出てくるなどとは予想だにしていなかったので度肝をぬかれた。そして同時に、子規の
    鶏頭の十四五本もありぬべし
を思い出し、駄句を毎日詠んでいる自分が恥ずかしくなった。 
《4 案内板》(平成30年6月28日撮影)

Ⅲ岡山不衣句碑
 岡山不衣(一八八五―一九四三)本名が儀七、花巻の豪商、伊藤儀兵衛の四男に生まれ、同町岡山直機の養子となる。
 明治三十九年(一九〇六)岩手毎日新聞に入社、編集長時代は卓越した政治・社会批評を書き、或は宮沢賢治の作品を同紙に紹介するなど地方文化の振興に尽くした。
 ちなみに、この親子については、
岡山不衣
 以前、吉見正信氏の『花巻文学散歩』を見ていたならば次のような親子関係があったということを初めて知って驚いたものだ。
 岡山不衣(1885~1943)は本名を儀七と言い、花巻町の呉服商で貴族院議員であった、伊藤儀兵衛の四男として生まれたが、四歳にて岡山直機の養子となる。盛岡中学時代は一年先輩の石川啄木と接触し、のち啄木が主宰した文芸誌「小天地」には同人として加わる。その後、岩手毎日新聞社に入社し、主筆・編集長、松根東洋城の高弟俳人として活躍。宮沢賢治が岩手毎日新聞に童話作品を発表しているのも、岡山不衣によるものであった。
              <『花巻文学散歩』(吉見正信著、地方公論社)8pより>
 この後半、賢治が岡山不衣(ふい)に世話になっていたことは以前からある程度知っていたのだが、まさかこの前半の、不衣が伊藤儀兵衛の息子だったということはつゆ知らなかったからである。
伊藤儀兵衛
 そして一方、『花巻の歴史 下』を通じて
 東北本線の開通と伊藤儀兵衛
 明治二十三年(一八九〇)、東北本線が開通され、花巻駅が開業した。それまで舟運によってのみ輸送されていた物資が、簡便に遠方に送られることとなり、また、全国へつながる大動脈として東西から花巻に連絡する路線が敷かれるようになって、花巻商人の活動する舞台が繰り広げられたのである。
 しかし、喜ぶべきこの鉄道も、はじめはそんなに人気のあるものではなかった。地主たちは鉄道をおそれて、だれも駅の敷地を提供するものがなかったという。
 当時、川口町の沢藤と並んで、花巻地方に富裕を誇っていたこの花巻町の豪農笹屋こと伊藤儀兵衛は、進んで現在の駅の敷地を無償で提供した。…(略)…
 惜しいことに、笹屋は二度の大火に遭い、また経済事情の変遷もあって打撃を受け、往年の繁栄は夢物語となったが、伊藤の花巻に尽くした功績は、忘れることのできないものがある。
             <『花巻の歴史 下』(及川雅義著、図書刊行会)46p~より>
ということは私も知っていて、伊藤儀兵衛は私財を擲って花巻の発展のために尽くしたという人物だということに以前から敬意を払っていたので、なおさらであった。
 それにしても、伊藤儀兵衛のことも、そして彼の花巻へ発展のために為した多大な貢献についても昨今は殆ど忘れ去られてしまっていることがとても残念でならない。

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