まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

我に向かひて光る星あり

2017年05月26日 | 日記

この人、誰だか知っていますか?
高名なお坊さんのように見えますが坊さんではありません。
なぜだか知りませんがこの人の場合
写真は決まってこの角度からと決まっているようです。
正解!ハイ、あの正岡子規です。



明治を代表する文学者ですね。
愛媛県松山市の出身で夏目漱石とは親友でした。
34年の短い生涯につくった俳句は2万句を超えるそうです。

 「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」

なんて代表句もありましたね。
なぜ、いきなり正岡子規の話を持ち出したかと言うと
昨日、地下鉄の中でたまたま隣り合せた二人の女子中学生が
小声で子規の話をしていたんですねえ。
どうやら試験が近いらしく
正岡子規の短歌が国語の問題に出るようです。

  「空に星がいくつあると思うのよ」
  「そうだけど、そう考えたらロマンチックじない」
  「ロマンチックねえ・・・」
  「希望がわいて来る気がするじゃない」
  「希望かあ・・・最近、全然、星なんか見てないし」

話の内容からすぐにピーンと来ました。
これも子規の代表的な短歌です。

  真砂なす 数なき星のその中に 我に向かいて光る星あり

そうなんだよねえ。
夜空には浜辺の砂のように数え切れないほどのたくさんの星があるけど
その中には、きっと私に向かって光っている星がある。
どう、そう思うと勇気がわいてくる気がするだろ?
星はあくまでも「比喩」で
恋人とか両親とかに置き換えてみてもいいねえ。
正岡子規は「病床六尺」という作品集も残しているように
結核で倒れた晩年の7年間はほとんど床に伏したままだったけれど
そんな中でも決して希望を失わなかったんだ。
オジサンもこの短歌が大好きで
落ち込んだ時などはよく口ずさんで勇気をもらっているんだ。
俳句や短歌ってそういうものなんだ。
この短歌が君たちの心に残るといいなあ・・・