常識について思うこと

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始まった神在祭

2009年11月27日 | 日本

昨日から、出雲大社では「神在祭」が始まりました。このお祭りの期間中、日本中の神様は出雲に集まって会議をすると言われています。

そして、このことは10月を「神無月」と呼ぶこととも関係しています。つまり、「神無月」では、日本中の神様が出雲に出かけられてしまうので、「神がいない月」ということで、「神無月」と呼ぶという見方があるのです。したがって、神々が集う出雲においては、逆に「神がいる月」になるので、10月は「神在月」と呼ばれます。「神在祭」は、旧暦の10月に行われるものであり、今年は昨日から始まったということです。

ところで、こうした月の呼び名を含めて、出雲はとても不思議な場所だと思います。昔の口遊(くちずさみ)で「雲太、和二、京三」というのがあるそうです。これは川について、「坂東太郎」(利根川)、筑紫二郎(筑後川)、四国三郎(吉野川)等と言われるのと同じように、建物の大きさの順番を表していると考えられています。即ち、「出雲の出雲大社、奈良の東大寺大仏殿、京都の大極殿」の順番で大きかったということです。

出雲大社の大きさについては、かつての本殿が16丈(48m)や32丈(96m)だったという話もあります。それは長らく根拠もない伝説という見方もあったようですが、2000年、出雲大社で巨大な柱(1本約1.4mの柱を3本束ねたもの)が発見され、「巨大な建造物」は実在していたことが、広く認められるようになりました。最近の研究によると、これは13世紀に巨大な建造物が建てられたことを裏付けるものであるとの説が有力のようですが、いずれにせよ、出雲の地にそれだけ大きなものが建てられるだけの理由があったということは間違いないでしょう。

その理由に関しては、既に本ブログの中でも、何度か言及している通りであり、そもそもの日本建国の祖は、出雲の大国主大神であったからだろうというものです。(「東国の神々へのご挨拶」、「日本建国史の再考」、「「国譲り」の二面性」参照)。このあたりの歴史の真相は、もうしばらく時間をかけて解明していくことになるのだろうと思います。

ちなみに余談ですが、日本の古代史については、先日、纒向遺跡で大型の建物群が発見されたことで、邪馬台国の話題が盛んになりました。その議論の中で、一部では邪馬台国畿内説も声高に叫ばれたような印象も受けますが、私見は、邪馬台国は北九州にあり、畿内には、それとは別の王朝(出雲や吉備等の連合国家)が存在したのではないかというものです。

北九州にあった邪馬台国は、中国大陸のゲートである朝鮮半島から近く、その要所を抑えることで、中国大陸に対して、畿内の大和王朝等、他を寄せ付けない存在感を持つことができたのではないかと考えます。邪馬台国の記述は、「魏志倭人伝」という中国側の文献で多く取り上げられている一方で、日本国内における記述は不十分であると言われています。このあたりは、文献が限られているが故の問題なので、一概に結論を導き出すことはできませんが、逆に考えれば、中国側の文献ばかりで取り上げられるということ自体に、邪馬台国が北九州にあったのではないかと考えさせるポイントがあるのではないかと思うのです。

いずれにせよ、もし日本建国の祖が出雲大社の大国主大神であるとしたら、日本の神々が、そこに集まってどんな何を話しているのかは、大変興味深いところです。本来、「神在祭」は縁結び等の協議をすることになっているそうですが、今後の日本の行く末についても、きっと神様同士で話をしたりするのだろう等とも考えてしまいます。きっと下界で行われている「事業仕分け」のような殺伐とした会議ではなく、もう少し談笑に近い会議ではないかと勝手に想像してみたり・・・。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど (竹内一斉)
2009-11-28 07:35:52
EAGLE7さん
コメントありがとうございます。
EAGLE7さんも北九州説なのですね。それは、とても興味深いです。
それから、事業仕分けは、二大政党の内、自民党の片割れである民主党政権では、所詮「55年体制のお片づけ」になってしまうのだろうなぁという印象です。私たちの時代では、全く違うかたちになるでしょうね。
いずれにせよ、次回、お会いできることを楽しみにしています。
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やはりそうですか。 (EAGLE7)
2009-11-28 03:51:24
いやぁ、待ってました。
私も、纒向遺跡のニュースを見た上で、宇佐神宮のある、北九州説を採るなぁ、と一人で思ってました。誰と話すわけでもなく。本件次回お会いした時に見解を聞いてみたいと思ってましたよ。
もう一つ、事業仕分け。
これもねぇ、狭い日本国に於いて、立場の違いや狭義の利害関係でギスギスしてもしょうがない。国造りという共通目標の為に、双方の立場で真摯な協議をすれば良いじゃないか、と、とっても単純なスタンスを思います。
人事の尽くせる範囲は所詮限界がある。人事を尽くした上で、天に任せるという、この本来の意味での他力本願力を少し学んでみたら如何かと思う、今日この頃。
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