我が家ではとっくに消えてしまったコムラサキ:小紫(クマツヅラ科ムラサキシキブ属)の実がが、12月末というのに、道端に近い農家の庭で枝いっぱいに残っていました。
ふつうムラサキシキブとして園芸店で売られているのは多くは本種で、ムラサキシキブは似ていますが、各部が小型で、葉の鋸歯が上半分にあり、花序が葉腋から少し離れて出ることで区別されます。
実付きの良さ、小型な樹形などが庭木や公園樹に好まれますが、コムラサキをムラサキシキブとして売るのは、アマドコロをナルコユリとするのとおなじ伝で、なじみの深い名前で少しでも多く売りたい業者の商魂の現れでしょう。
別名に小紫式部、小式部があります。どちらも小型の紫式部ということでしょうが、小式部は、“大江山 いくのの道の遠ければ…”と歌い、昔の小学唱歌で、紀内侍、伊勢大輔とともに“三才女”に数えられた女性で、紫式部とは関係がありません。いずれの名前も商品名としては力不足のようです。