カワラナデシコ:河原撫子(ナデシコ科)は、秋の七草のひとつとしておなじみの花ですが、実際にはもっと早く6月ごろから咲き始め、そのことからトコナツ:常夏という古名があります。
茎は細く草丈が60~100cmで自力では直立できず、先で分枝します。扇形の花弁の先が深く裂け、淡紅色の糸のようになり優美な姿です。撫でたいくらい可愛い花というのが名前の由来で、万葉の昔から愛情、母性愛のシンボルとして詩歌にも歌われてきました(万葉集に26首)。
名前に河原とついていますが、必ずしも河原に限らず山や野に普通に生えます。単にナデシコともいわれ、またヤマトナデシコの別名もあります。
ところで、ナデシコは英語でpinkといいます。ナデシコは桃色だから当たり前といえそうですが、
実はpinkは、もともとは突き刺す、ジグザグに切るといった意味で、ナデシコの花弁がジグザグ形をしているのでpinkがナデシコになり、その色からpinkが桃色をあらわすようになったと考えられます。ちなみにピンク色(桃色)は、英語では日本のように扇情的という意味はないそうです。いずれにせよ、この花にはpinkより撫子のほうが断然似合います。
我が家のナデシコの花はもう咲き終わりました。それにしてももの知りですね~驚き!