神戸森林植物園のシモバシラ:霜柱(シソ科シモバシラ属)の枯れ草の足元に、霜柱をつけていました。
シモバシラは、山地に生える多年草で、上部の葉腋から5~10cmの花穂を出して、一方に偏って白い唇形花をつけるあたりは、ごくふつうのシソ科の草です。この草が知られているのは、寒い冬の朝、枯れた茎の根元に、名前の由来である、本当の霜柱を作るからです。
霜柱が立つメカニズムは、冬になって地上部は枯れても、しばらくは地中の根は生きており、植物によっては、水分を吸い上げ続けます。草が必要としないこの水分が、茎の途中からしみ出し、冷たい外気に触れて、地面近くで凍り、シモバシラのようになる現象です。
他にも霜柱をつくる植物はいくつかあり、アキチョウジなどシソ科が多いのですが、シロヨメナなどキク科にも見られます。
この日は、寒気がさほどではなく、霜柱の成長もいまひとつでしたが、今年の冬は、例年になく厳しい寒さが続くので、もっと立派な霜柱を見られるのではないかと期待しています。
(シモバシラの花は08年10月24日記事参照)