関東以西の川岸に分布し、また古くから栽培されているヤマツツジグループの常緑低木で、高いものでは約1mにもなり、枝は横に広がります。
旧暦5月に咲くという名のとおり、ほかのツツジに比べて開花は1ケ月ほど遅く、5~7月、径4~5㎝漏斗状の花冠の花を枝先に1~2個つけます。
古くから庭木や盆栽として愛好され、江戸時代には九州南部から屋久島などに分布するマルバサツキとの交雑が行われ、白、紫、桃、濃紅色、絞り、ぼかし、細弁、重弁など何千種もの園芸品種がつくられてきました。根強い愛好家が多いこれら交雑された園芸品種は、園芸上は総称としてサツキの名で呼ばれています。
どこででも見られるおなじみのサツキですが、本来あるべき川岸に咲く花は、どこかしら野生種の持つ気品を感じさせるものがありました。