あらかた裸になった公園のムクノキ:椋の木(ニレ科ムクノキ属)に、この季節に珍しく青い果実がこれも散り残った葉とともに枝についていました。
熟した果実(液果)はすでに小鳥たちに食べられたのかほとんど残っていませんでしたが、種子の周りの果肉は甘い干し柿のような食感があり、子供の頃に食べた記憶のある人も多いはずです。
暖地の山野に生える落葉高木で、雌雄同株、高さは30mほどにもなります。葉は互生し、長さ4~10cmの卵形または狭卵形で、縁に規則正しい鋸歯があり、ニレ科の特徴として左右不対称になっています。両面ともに短い伏毛があってひどくざらつきます。昔はこの葉を研磨材として漆器の木地や鼈甲などを磨くのに使ったといいます。和名のムクノキ、別名のムク、モク、ムクエノキ、モクエノキなどは、この葉で物を磨き剥ぐ、あるいは茂る樹からきているともいわれています。