新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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クチナシ一輪流れ去って恋終わる 

2005-07-09 06:13:52 | 植物観察1日1題
公園の片隅に純白の花が芳香を放っています。クチナシ(アカネ科)です。
庭や公園によく見られますが、本来静岡県以西、四国、九州など暖地の少し湿ったところに生える常緑の低木です。蕾のときはねじれ、花びらは厚く6枚あり、中に雄蕊6本、雌蕊1本があります。果実を乾かしたものは、赤黄色の色素があり、家具を染めたり、料理の色づけに用います。
漢名の梔、梔子は、果実を酒器の巵に見立てたとか、和名のクチナシは、果実が熟しても開かないからクチナシ、あるいは果実の突起を嘴と見て、クチハシが転訛したとか諸説あります。
キャサリン ヘップバーン演ずる中年独身女性の旅先での束の間の恋を描いた名画[旅情](summertime ,1955年、デビット リーン監督)のラストで、失恋した女が見守る中、真白いクチナシの花が一輪、終わった恋を象徴するかのようにベニスの運河を流れ去ります。忘れられない印象的なシーンでした。(年齢がわかりますね)

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