『誤解だらけの日本美術 デジタル復元が解き明かす「わびさび」』
小林泰三
作者は、元々は大日本印刷にお勤めで、
今は美術作品の「デジタル復元」を専門にしている人だそうです。
そんな作者の復元事例紹介みたいな一冊。
あんまり惹かれないタイトルなのが玉に瑕ですが笑
結構おもしろい一冊です。
いろんな文献や資料を参照しながら、
フォトショのスタンプツールでぺたぺたやったり、
トーンカーブをぎゅんぎゅんしているらしい。
随分身近なツールで古典美術の修復をするんだなあ、
という不思議な共感みたいなものがあります。
文献や専門家の意見を聞きながらの修復過程も、
推理小説っぽくておもしろい。
キトラ古墳と高松塚古墳は兄弟みたいな存在なので、
互いの壁画の残存部分を参照しつつ、みたいな。
<風神雷神図屏風>の俵屋宗達が、
当時の派手好き御用達の扇子屋だったということも面白いし、
復元イメージも華やかでおもしろい。
アンニュイな寂しさで人気の興福寺阿修羅像が、
意外とパキッとした印象に復元されていく様子も新鮮。
学術的に「これが決定版!」とは言えないと思うけれど、
こういう取り組みを経て
当時のイメージを掴めるのは貴重だと思う。
小林泰三
作者は、元々は大日本印刷にお勤めで、
今は美術作品の「デジタル復元」を専門にしている人だそうです。
そんな作者の復元事例紹介みたいな一冊。
あんまり惹かれないタイトルなのが玉に瑕ですが笑
結構おもしろい一冊です。
いろんな文献や資料を参照しながら、
フォトショのスタンプツールでぺたぺたやったり、
トーンカーブをぎゅんぎゅんしているらしい。
随分身近なツールで古典美術の修復をするんだなあ、
という不思議な共感みたいなものがあります。
文献や専門家の意見を聞きながらの修復過程も、
推理小説っぽくておもしろい。
キトラ古墳と高松塚古墳は兄弟みたいな存在なので、
互いの壁画の残存部分を参照しつつ、みたいな。
<風神雷神図屏風>の俵屋宗達が、
当時の派手好き御用達の扇子屋だったということも面白いし、
復元イメージも華やかでおもしろい。
アンニュイな寂しさで人気の興福寺阿修羅像が、
意外とパキッとした印象に復元されていく様子も新鮮。
学術的に「これが決定版!」とは言えないと思うけれど、
こういう取り組みを経て
当時のイメージを掴めるのは貴重だと思う。