思惟石

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『やさしい猫』 猫は出ないけど良い小説!

2023-08-03 14:14:54 | 日記
『やさしい猫』
中島京子

母子家庭育ちのマヤちゃんが
母ミユキさんとスリランカ人青年クマラさんの出会いを
「キミ」のために綴る物語。

冒頭は、
クマさんとの出会い、マヤが小学4年生の頃。
友人のナオキくんと一緒に遊んでもらったり、
ミユキさんの緊急入院に付き添ってくれたり。

そこそこ順調に仲良くなって、
マヤが中学3年の頃にミユキさんとクマさん婚約。
そして突然の入管。

え?
入管!!??

なかなか衝撃の展開ですが、
この小説の本題はここからです。

いや、入管て。
「入国管理」するところよな。
え?収容?牢屋?なんそれ?
私があまりにも無知すぎて、読みながらオロオロしっぱなしでした。

現実でも、品川の入管前で警察が張り込んで、
オーバーステイの外国人を捕まえたりするらしいんですね。

交通違反切符キャンペーンじゃないんだから。
軽く張ってんじゃねえよ!
と読みながら憤慨すること必至です。

その後の「強制退去させたいマン」入管チームと、
婚姻の事実を証明するために奮闘するマヤとミユキさんの戦い。

入管、過酷すぎじゃない?

この話題はニュースでたまに見つつ、
あまりピンと来ていなかった。
小説とはいえ、とてもとても分かりやすく
現代日本と外国籍の人々の関係性が描かれていて、
大変に勉強になりました。
読んでおいてよかった。

(小説としても、もちろんとても良い。さすがの中島さんだから)

私のように、日本人として呑気に日本に暮らしているだけだと
見えないこと、気づけないこと、
他にもたくさんあるんだろうな。と思う。
コメント
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