思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2016年10月 ①ロング・グッドバイ

2022-10-21 17:15:03 | 【読書メモ】2016年
<読書メモ 2016年10月 ①>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。


『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー
村上春樹訳の方ね!
おもしろかった。おもしろかったあ…。
マーロウ、かっこいい。マーロウ。
確かに、これがチャンドラーの到達点だと言われるのは、
読むとわかりますよね!!
「リトル・シスター」も「大いなる眠り」も、
読んで、すごいな!と思ったけど。
完成度が違うというか、なんか、到達したな、と思う。

テリー・レノックスが良いですね。
清水版の「長いお別れ」を読んだのが2004年(12年前!!)で、
当時は「マーロウ、すぐ切れるな」とか
「こんなにすぐに見ず知らずの人間と仲良くならないだろ」
と思ったもんですが、35歳になった今、
そういうこともあるかもしれん、というか、
そういう人と人との関係に憧れを感じられるくらいには
社会人になりました、と思える。

にしても、初読から12年も経ったか…。
マーロウの年齢を超えるのも遠くないな。
そうそう、相変わらず村上春樹の訳者解説が
怒涛のボリュームと熱量だった。
まあ、訳書一冊目だものね。
自分の小説には一言もあとがき書かないのに、
すごいページ割いてて、今回もほほえましかったです。

村上さんの言うように、男性陣の人物描写が本当に良いですよね。
バーニー警部とか、探偵事務所の人とか、新聞記者とか。
「さよなら」にまつわる名言も多数。
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『大名倒産』声に出して読みたい浅田節!

2022-10-20 17:53:58 | 日記
今回の浅田次郎もおもしろかった!
そして感動した!
あと文章うまくて音読したい!
知らない単語の勉強にもなった(邯鄲の集き(かんたんのすだき)って何?
と思って調べたらカンタンという名前の鈴虫に似た虫がいるとか。
邯鄲の夢は関係ないんかーい)!
ありがとうございました!!

『大名倒産』は「文藝春秋」にて2016年から連載、
2019年単行本化。
同じく大名家のお話しである『一路』は2010年から
「中央公論」で連載されていたそうです。
今回は、25万両もの借金を抱えて倒産手前の
丹生山(にぶやま)藩の物語。

『一路』の殿様も良かったけど、
四男&妾腹なのに跡を継ぐ羽目になった
今回のお殿様もとても良い。
人間臭い。

そんな人間より人間臭い神様も良い。
貧乏神は『憑神』(2005)でも人間臭かった。
浅田さんはお好きなのかな。

丹生山のモデルは新潟県村上市らしいですね。
江戸の海では朝日が見えて、日本海では夕陽が沈む、
という話が良かった。
あと鮭が旨そう(夕飯に食べました)。

「天衣無縫の馬鹿」とか「真面目の上に糞がつく」とか、
表現の細部もおもしろいし気が利いているし学びになる。
今回の浅田次郎もおもしろかった!!
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【読書メモ】2016年9月 ② 北斗の人

2022-10-18 17:32:43 | 【読書メモ】2016年
<読書メモ 2016年9月>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。


『北斗の人』司馬遼太郎
千葉周作の前半生のお話し。北辰一刀流の。
『竜馬がゆく』に道場の人々が結構出てたなあと思ったが、
そちらは周作の弟がやっていた道場らしい。
『竜馬がゆく』のヒロインは、千葉周作の弟の娘。

(千葉周作が開いた流派、北辰一刀流のお話し。
 最初の道場・玄武館を開いたのは今の群馬県高崎。
 伊香保明神で小競り合いしたりと、
 私は地元が近いので妙な親近感を持って読んでしまった。
 水上うどんおいしいよね。舞茸の天ぷら必須だよね。
 (出てない)

 門人の増加に伴って開かれたのが桶町千葉道場だそうです。
 千葉周作の弟、千葉貞吉が師範代で
 門弟には坂本龍馬の他に清川八郎、山南敬助、山岡鉄舟がいます。

 さらに余談ですが、清川八郎は麻布赤羽橋で暗殺された人。
 遺体を運べなかったため、首だけ庭に埋めて匿ったのが山岡鉄舟。
 というエピソードが子母沢寛の著作にある。多分。)
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『殺人者の顔』 刑事ヴァランダー・北欧警察小説

2022-10-17 10:26:35 | 日記
『殺人者の顔』
ヘニング・マンケル
柳沢由実子:訳

スウェーデンの警察小説<クルト・ヴァランダー>シリーズの第1作。

ミステリではなく、警察小説です。
被害者が残した言葉の解釈がそのまんまだったり、
馬の謎が謎じゃなかったり、「あ、そう…」的なことばかりで
読了後に切ない気持ちになりますが、
ミステリではなく警察小説だと思えば良い。
良いんだよ!

とはいえヴァランダーがなあ。
訳者解説では「愛すべきダメ男」みたいに書かれているけれど、
現状、軽蔑できるダメ男っぷりで
(三行半つきつけられた元妻にすがるくせに、
 常に他の女を物色している、北欧どうかしてるぜ系男である)
大丈夫かこの人、となる。
もっと、フロスト警部っぽいダメ男を愛したい。

今後に成長があるのかな。
第3作の評判が良いみたいなので読もうかと思ったけど、
悩ましいな。

とはいえスウェーデンの移民問題を扱っているので、
そこらへんの問題の解像度が高い人は
社会派小説という観点で読めて、また違った感想なのだろう。
要するに、私の不勉強のいたすところである。反省。

ちなみに訳者の柳沢さんは<マルティン・ベック>シリーズ
訳しています。
そちらのシリーズは読みやすくて、私でも楽しめる。
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【読書メモ】2016年9月 ①『ダンス・ダンス・ダンス』

2022-10-14 10:39:39 | 【読書メモ】2016年
<読書メモ 2016年9月 ①>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。


『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹
以前に読んだのは、20歳ころだったのではなかろうか。
多分、あの頃とはまったく違う読み方なんだろうなと思うけど、
そもそも20歳のころの記憶がないな…。
加齢って怖い。
キキのことはなんとなく覚えてた。
五反田くん、読んでるうちに思い出した。
ユキはまったく記憶になかった(!)。
ノルウェイの森の女の子と混同していたというか。
もうね、主人公がユキに手を出さないかどうかを
ずっとハラハラして読んでましたよ。
私、すっかりおっかさん思考になってしまった。
というか私、主人公の年齢を超えてる!
独特のセリフは読んでいて面白いし小気味好いけど、
たまに、断言する内容とか持論に「若いなあ」と思ってしまった…。
まあ、作者も若かったしね!
羊男はどこに行ってしまったのだろう。
あと、ホテルのフロントの女の子(ユミヨシさん)と、
図書館の司書の女の子も混同していた。
司書の女の子は何に出ていたんだっけ?
一緒にパスタを大量に食べた子。


(折につけて村上作品を再読しているので、
 今ならわかる!言える!
 キキは耳の綺麗な女の子で『羊を巡る冒険』の頃の恋人!
 ユキはクレイジー写真家アメの娘だよ!
 と、偉そうに言うことではないですけど…。
 初読の頃から、アメの恋人のアメリカ人(?)男性が好きだったな。
 片腕で器用に料理をつくる人。
 あとアメの元夫の作家も嫌いじゃなかった。
 「僕」は彼のことを虚仮にしていたけれど。

 そして食欲旺盛な司書さんは
 『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』
 に登場した人でした。
 さすがに覚えてなくて検索してしまった。
 図書館のリファレンス係の女の子で、
 “機関銃で納屋をなぎ倒す”ほどの食欲の持ち主。
 私の脳内では、山盛りパスタを大食いしてるイメージだったんですが
 (記憶が雑である)、
 主人公と二人で行ったイタリアンレストランの夕食が
 すごかったんでした。
 パスタどころか、前菜6皿とメインとリゾットと
 ついでに食後のデザートまで完食してた。
 やばいね。
 今ならそのシーン、ギャル曽根ちゃんの番組を観る感覚で
 微笑ましく再読できそうです。
 中年になって食が細くなったから、
 ごはんをモリモリ食べる人を見ると幸せになるのだ笑)
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