思惟石

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『8号室―コムナルカ住民図鑑』 超過密ソ連住宅!

2022-11-29 11:32:07 | 日記
『8号室―コムナルカ住民図鑑』
ゲオルギイ・ワシーリエヴィチ コヴェンチューク
片山ふえ:訳

作者は1933年レニングラード生まれの画家。
愛称は「ガガ」さん。
自由な作風で、旧ソ連時代は冷遇されていたそうです。

ところで、コムナルカ。
旧ソ連時代特有の極狭!な集合住宅のことらしい。
初耳!

ソ連時代の住宅事情が厳しかったという話は
ちょっと聞いたことあったけど、
(『巨匠とマルガリータ』でもアパートの居住権を
 奪い合うエピソードがありましたよね。
 そこそこの地位にいる紳士でも住宅はシェアハウス状態だったし。
 ソ連は心も狭いが、住宅もマジで狭い)
この面積でこんなに大勢が住めるものなの!?
というレベルでびっくりです。

革命政府が国有化したホテルや広めのアパートメントを、
めっちゃ細かく区画化(15平米くらい)した
共同アパートが「コムナルカ」の実態。
トイレと台所は共用、もちろん風呂はない。
一部屋に子持ち家族や、なんなら三世代が住んだりする。
ほげえ〜。
学生時代に下宿生活だった私も真っ青の密度です。

『8号室』は、
1960年代の入居当時に書かれたエッセイと、
引っ越した後に再訪した1990年代のエッセイ、
他数篇が収録されている。

個性的な隣人やおばあちゃんたち、
田舎が嫌で街の憲兵になった若者、
入れ替わる猫、
狭い一室でオシャレに(不自然に)暮らす夫婦など、
それぞれの暮らしの匂いみたいなものが鮮やか。

江戸時代の長屋を想像すると近いのかな。
いや、過密〜!!って思うけど。

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