思惟石

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逢坂剛『百舌の叫ぶ夜』

2019-07-26 15:15:59 | 日記
逢坂 剛『百舌の叫ぶ夜』読みました。

数年前になりますが、
ドラマ化された『MOZU』がヒットした記憶があります。
続編とか映画化もされましたよね。
観てないけど。
(映像作品にホント興味がなくて…)

原作である小説『百舌の叫ぶ夜』は1986年の作品。
意外と古い。
インターネットなんて出てこないし、
GPSもケータイもなくて公衆電話です。

とはいえ原作も当時からヒットし、続編が続々出て、
現在までに「百舌シリーズ」と言われる作品は
7冊もあるようです。
この設定でずいぶん書きましたね…。

それはさておき、単品としての『百舌の叫ぶ夜』は
とてもおもしろかったです!

「百舌」を名乗る殺し屋がいて、
組織に尻尾切りされてしまうという側面と。
新宿での街中爆破テロ(?)を追う警察サイド。
その中心にいるのは妻が被害者として巻き込まれた
公安の倉木刑事。

章ごとに時間も前後して、
(途中でなんとなーくわかるし、
 そうすると章前の記号の意味もわかる、
 プチ親切設計になっています)
なかなかスリリングな展開で
ぐいぐい読ませてくれる一冊になっています。

現場のたたき上げ刑事の大杉の熱血漢っぷり
(大事な情報をよくわからない意趣返しに使っちゃうあたり、
 いいですね)と、
どういう生まれ育ちをしたらこんなにハードボイルドに
なるんだよと突っ込みたくなる公安刑事の倉木の
対象っぷりは絶妙なバランスでした。

百舌も良かった。
妹の謎も、おもしろかった。
映像化が難しいと言われていたのもわかります。

で、楽しく読みました!
一気に読みました!

読みながら、
これは一冊限りの作品じゃなかろうか
という感想を抱いた次第ですけど。

なんというか、ご好評につき、みたいに続編を書くと
倉木や百舌が無双状態になって
『グラーグ57』のレオなみに
無敵キャラゲシュタルト崩壊を起こすんじゃないかなあと。
(作者のデビュー作『チャイルド44』はまちがいなく傑作です!
 一作目が良すぎたってのもあるんですよね…
 でもまあ、『グラーグ57』はいまいちです。
 一番ひどいのは邦題だけど)

いらぬ心配をしたわけです。
まあ、続編は読んでないので、杞憂かどうかわからないけど。

それはさておき、単品としての『百舌の叫ぶ夜』は
とてもおもしろいですよ!!

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