思惟石

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『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』

2024-07-22 15:18:37 | 日記
『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』
奈倉有里

ロシア文学専門の研究者である著者の、
ロシア留学時代エッセイ。
「ロシア」という国と文学に深く潜っていくような
不思議な思索。

著者は私と同年代。
ですが、重なるところはそれだけ。
20歳で単身ロシアに渡り、
語学を学びながら大学受験(一般受験!)して
モスクワの文学大学に入学。

入学の伝手も何もなく、現地で進路を選択し
学びを切り拓いている。
そこで出会った民族的なことや文学的な思想やらを
自分で手繰り寄せ、受け止め、考えている様子が伺えます。

同年代だってことが逆に申し訳ないな!
と思うくらい、自分にはない要素だらけの人生で
とにかくすごいな!と思う。

後半の、恩師との思い出と、最期の振り返り。
むう、人間関係での後悔も人それぞれだよなあ。
(こういうことに関しては、
私は「書かない(誰とも共有しない)」を選ぶタイプの人間だ)
でも著者の真摯に考えたあれこれが文章から滲み出ている。

余談ですが、この文学大学は旧貴族のお屋敷を利用しており、
巨匠とマルガリータ』に出るグリボエードフの家のモデルでもある。
え?あの内田百閒ばりグルメ列記攻撃かましたレストラン?
いいなあ、行ってみたい。


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