思惟石

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柳 広司『吾輩はシャーロック・ホームズである』

2018-10-09 16:45:28 | 日記
『ジョーカー・ゲーム』に始まるD機関シリーズでおなじみの
柳 広司の『吾輩はシャーロック・ホームズである』を読みました。

この作者、
デビュー作のタイトルが『贋作「坊っちゃん」殺人事件』であり、
夏目漱石にはひとかたならぬ思いをお持ちの様子です。

『吾輩は〜』は、舞台は1900年代初頭のロンドン。
シャーロック・ホームズ(が滝に落ちた後)の時代であり
夏目漱石が留学して心神喪失になった時代。

あ、ここ、被ってたんだあ…。
という、ちょっとした知識と知識がリンクした、新鮮な驚きがありました。

そして、この小説の語り手はワトスンくん。
で、そこに「自分はシャーロック・ホームズだ」と思い込んじゃった
ナツメくんがやってくる、というお話しです。


んん……?


ホームズ大好きファンが勝手に書いた二次創作ではありません。
れっきとした小説家による小説です。



以下、ネタバレも含む感想になると思いますが。




ナツメくんに振り回されるワトスンくんが同行した
降霊会で殺人事件が起きちゃってさあ、という話しです。

ナツメのトンデモ推理とか、似非ホームズっぷりとか
あまりおもしろいとは思わなかったけれど、
まあ、いいんじゃないですか、という感じです。

自転車にがんばって乗るところとかは、良いですよね。

ちょっとした幻想不思議パートとかも面白く読んだけれど、
ワトスンくんを「コナン・ドイル」呼ばわりとか、
軽いメタっぽいネタが雑に入っていて
ちょっと何をしたいのかわからなかったとこもあり。

まあ、深く考えずに軽く読むと良いかな、という感想です。

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