思惟石

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『世界でいちばん面白い英米文学講義』 英米文学のたしなみに良い!

2024-02-17 16:48:40 | 日記
『世界でいちばん面白い英米文学講義
―巨匠たちの知られざる人生』

エリオット・エンゲル
訳:藤岡啓介

英文学の人気教授による講演をテープ起こししたもの。
なので、出典が精査されているわけではないのだけれど、
おもしろ知識ネタもいっぱいの、おもしろい文学解説本です。

作家ごとに章立てされていて、
代表作と作家の人生概略が知れるので
英米文学の基礎知識を仕入れるのにもありがたい。

シェイクスピア(1564-1616)
劇場の売店でスナックと共にトマト(当時は食用ではなかった)が
売られていたらしい。
つまらない芝居の際に役者や舞台にぶん投げるそうです。
楽しそうだな。

ジェーン・オースティン(1775-1817)
『高慢と偏見』の作者。
英文学史上初の「大女流作家」ですが、
出版時の著者名は「あるレディ」だったそうです。
女性が文学を書くなんて!という時代をかんじるエピソード。

エドガー・アラン・ポー(1809-1849)
アメリカ、ボルティモアの市長選挙の日に飲み過ぎで亡くなる。
当時は駅で余所者をつかまえて酒を奢って、
偽名で投票させまくっていたらしい。
住民票とか、投票用のハガキとか、いらんのかーい、と。
コテンラジオの民主主義でも、選挙初期のバグとして言及されてたな。

ブロンテ姉妹(シャーロッテ1816-1855/エミリ1818-1848)
父親がアイルランド系の苗字(ブロンティー)を改名したそうです。
海戦で有名なネルソン提督がシチリア・ナポリ王国から叙された
ブロンテ公爵位からとったとかとか。
この時代でも女性作家だと売れないと編集者に言われ
『ジェーン・エア』は性別不明の筆名で出されたそうです。
ところでブロンテ一家のお話し、何かで読んだんだけど
どの本だか思い出せない…。
『名作を書いた女たち』かな?
『嵐が丘』は学生時代に読んだな。
ヒースって寒々しい〜と思った記憶がある。

チャールズ・ディケンズ(1812-1870)
見栄っ張りな両親の浪費のせいで子供時代に債務者監獄入り。
これ、『二都物語』のあとがきでも読んだけど、
なかなかハードな10代を過ごしておる。
1836年の『ピクウィック・ペーパーズ』を
ペーパーバック版、ハードカバー版、初版のコレクターズエディション版
3タイプを出版して大儲けした話はすごくおもしろかった。
商才がすごい。

マーク・トウェイン(1835-1910)
ミシシッピ川の川舟船長になろうと1年修行したら
南北戦争のせいで川の往来が禁止されちゃった。
かわいそう。
筆名は川舟用語の「マーク・ワン(浅くて船を寄せられない)」
に続く「マーク・トウェイン(船を着けて遊べる)」だそうです。
おもしろい。

D.H.ロレンス(1885-1930)
アラビアのロレンスとは別人だった。
あ、そうなの?
1900年頃、作家はあまり名誉ある職業ではなかったので
H.G.ウェルズとかT.S.エリオットみたいな筆名が多かった説。
へえ〜。

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