思惟石

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雫井侑介『犯人に告ぐ』良い感じの警察小説

2021-01-15 16:04:32 | 日記
雫井侑介『犯人に告ぐ』。
第7回大藪春彦賞受賞。
警察小説ですね。
ミステリとか謎解きというよりは、
捜査過程と警察内の人間ドラマを描いた小説。

連続児童殺人犯という、
犯人の背景や人間性がどうであろうが許されない絶対悪を、
警察が文庫上下巻かけて追いかけるお話しです。

主人公の巻島警視はノンキャリ。
数年前のミスで左遷されていたところ
今回の劇場型捜査のためだけに呼び戻された人。

信頼できる部下、信頼できない部下、足を引っ張るキャリア上司。
良い感じのフォーメーションです。

植松警視(32歳)の公私混同っぷりは幼いなあと思いつつ、
人生経験も社会人経験も未熟な若造としては
意外とリアルなのかなあという妙な納得感もあった。
「俺と未央子のランデヴー」
とか、青くてクソ寒い心の声を全読者に晒されてるのは
ちょっとかわいそうだなと思ってしまいます笑

あと、チョンボくんが良い味だった。
変なとこで当たりを引いちゃう人、いますよね。

主人公の巻島警視、実写化ではトヨエツだそうで。
なるほど感ある〜。

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