思惟石

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『贋作 吾輩は猫である』 初版がすごい

2023-01-20 17:59:32 | 日記
内田百閒の『贋作 吾輩は猫である』
私はデザインが素敵で、且つ、旧仮名の旺文社文庫を持ってる!
と自慢げな気分だったのですが。

ちょっと調べてみたら、初版本が凄かった。



猫本専門書店さんの写真です)

これ、オリジナルの夏目漱石『吾輩は猫である』の初版本オマージュなんですよ。
というか、ゴリゴリに、そのまんまじゃないか。
さすがにこれが許されるのは愛弟子内田百閒くらいだろうなあ、と。
(こちらの古書店リンクに画像があります)

行屎走尿とか、医師の甘木氏(縦読みすると某氏になる)とか、
漱石先生の独自の言い回しや言葉遊びも踏襲していますし、
ラストは池を淵を「右へ」行くし(オリジナルは「左へ」)、
漱石のことほんと好きだな!と思う。

ちなみに甘木氏は百閒随筆によく出るんですが
(小田扉の江豆町を読んだときも、百閒ネタかな?と思った)
漱石が先だったとは知らなかった。

「ラール・プール・ラール」(芸術至上主義)に引っ掛けて
「ビール・プール・ビール」と言ってみたり、
ライネケ狐を例え話を放り込んできたり、
ドイツ語ギャグを色々言ったり(旧仮名だからか、解読できなかった)
百閒ワールドも濃くて良い。

良い本だよなあ。
しみじみ。

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