思惟石

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『贋作 吾輩は猫である』 元祖の贋作!

2023-01-18 10:01:45 | 日記
『贋作 吾輩は猫である』
内田百閒

夏目漱石の愛弟子でもある百鬼園先生による
『吾輩は猫である』の「贋作」であります。

猫が水瓶に落ちて、這い上がった後の、お話し。

吾輩っぽさもあるけど、でもちゃんと内田百閒!って感じで
超おもしろい。
好きすぎてつらい!

オリジナルの猫宅、苦沙味先生のモデルは夏目漱石なように、
こちらの新・猫宅、五沙味先生は内田百閒です。
来る客がみんな貧乏で遠慮なく飲んだくれて、
五沙味先生もそれに負けず劣らず貧乏で、すごい笑

奥さんも、手持ち不如意ですわね〜つって
さらりと隣人から借金してくる。
借りた金でお酒も買ってくる。
五沙味先生が借りた金を弟子に恵んでも泰然としている。
奥さん、かっこいい…。

ちなみに私が読んだのは表紙が超絶素敵な旺文社文庫。
古本市で見つけて数冊買ったうちの、一冊。
1979年から84年にかけて全39作が刊行された
内田百閒の旺文社文庫シリーズです。
あとがきは全てヒマラヤ山系こと平山三郎氏が書いているっぽい。

旺文社文庫は旧かなづかいで漢字も古い表記が多く、
これこれ!これぞ百閒!!という心地よさがある
(新字旧かなと言うらしい)。
この後に文庫を出している福武、岩波、新潮、中公、ちくまは
ほとんど新仮名遣いのようです。
ならば旺文社でぜんぶ揃えたい。

へえ〜旺文社シリーズ、
古本市場では値上がりしてるのか〜。

…あの古本市で見かけたやつ、買い占めるべきだった!!
く、悔しい〜!!!

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