思惟石

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楡家の人々(上)!

2015-12-01 12:05:35 | 日記
北杜夫の「楡(にれ)家の人々」を読みました。
上巻だけ。あれ?

下巻はどこだ…。
(ねじ式っぽくつぶやいてみた)

「楡家の人々」は
北杜夫の父・斉藤茂吉と祖父・斉藤紀一をモデルにして
精神科医一家の歴史を数十年にわたって描いた作品です。
個人的には「百年の孤独」を思い出したけれど、
作者はトーマス・マンの『ブッデンブローク家の人々』に
影響を受けているとのこと。

以前、斉藤茂吉について語る斉藤茂太(北杜夫の兄)の
短いエッセイを読んだことがあり、
精神科医で歌人で粘着性の性格かあ…と。
すごい取り合わせだけどなんだか納得できる取り合わせだけど
近くにいたらたまったもんじゃないな。
という感想を抱いていたわけですが。

長編小説で細やかに戯画的に描かれると
また違った印象で、おもしろいですね。
祖父がモデルの楡喜一郎はさらにおもしろい。

喜一郎も、徹吉も、こどもたちも孫たちも、
みんなクセモノというかヘンというか非常識人で
おもしろくおかしく描かれています。

これって、実際の取材段階では、誰にどうやって
話しを聞き出したんだろうかとふしぎです。

なにしろ作者が生まれたときには
祖父はすでに他界。
周囲の人々におもしろエピソードや人となりを
聞いて書くしかないわけです。
(エピソードはたくさんありそうなじいちゃんだけど)

小説をどっぷり読んじゃうと、
周りの人々も取材に的確に回答できるような
冷静な人はいないんじゃないかと思ってしまいます。
日本一の飯炊き伊助じいさんとか。
ビリケンさんとか下田のばあやとか。
まあ、デフォルメされてるのでしょうが。
そのヘンテコな感じが、妙にリアルでまたおもしろいんですよね。
三瓶さんと菅野くんあたりが
良い取材元になっている気はする。

あとは、常識人を出しても華がないとかで
登場していないのでしょうかね。

そんなことを考えてもしょうがないのですが。

それより、下巻はどこだ…。
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