思惟石

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レックス・スタウト『腰ぬけ連盟』

2018-04-17 11:20:14 | 日記
私立探偵ネロ・ウルフ シリーズの第二作目。
美食と蘭を愛する巨漢探偵のネロ・ウルフと、
よく動き、よくしゃべり、ついでに物語の一人称も担当する
助手アーチ―のコンビです。

1935年イギリスの作品。
第一作の『毒蛇』同様、佐倉潤吾訳のハヤカワミステリ文庫で
読みました。もちろん表紙は和田誠のイラスト。良い感じです。

どうでも良いですが前回よりアーチ―の「にやっ」が減ってる気が。
それはさておき、今回もウルフは引きこもっており
アーチ―がせっせとかけまわります。

物語の中心にいるのは、独特の作風と捩じれた性格の小説家チャピン氏。
ハーヴァード大学時代、彼に大けがを負わせたという引け目を持つ
同級生の集まりが「贖罪連盟」改め「腰ぬけ連盟」です。

メンバー二人が事故や自殺に見える死に方をした直後に
「殺人を仄めかす詩」が匿名(チャピンの作と思われる)で
送られてきて、さらに失踪するメンバーも出て…
ってところで、ウルフ登場です。
ビジネスとして如何に報酬を上げるかを考え、
単体で依頼に来た失踪人の姪を追い返し
メンバー全員と契約を結ぶべく策略&企画&プレゼンが炸裂します。
(もちろん後で失踪人の姪も減額して契約に引き込む。すごい)

ビジネスマンとして見習いたい…!

今作は、登場人物(特に連盟のメンバー)が多く、
調べる事件も複数あるので
けっこうせわしなくアーチ―が動き回ります。
場面転換が早く、飽きずにさくさく読み進められはするのですが、
前回よりは美味しそうな料理とお酒、蘭のうんちくが少ないようです。

唯一印象に残ったのは、
深夜にへとへとになって帰ったアーチ―に
料理人フリッツが出してくれた栗鼠のシチュー(ブラックソース)。
あまり美味しそうな感じではないですが…。



ネタバレな感想でしめくくりますが、

なんとなくチャピンはフェイクかな~とわかりつつ
シリーズ二作目としては安定感のある楽しさかと。

次は『料理長が多すぎる』を読みます。多分。

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