思惟石

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『煌夜祭(こうやさい)』ファンタジーノベル

2022-04-07 13:39:15 | 日記
『煌夜祭(こうやさい)』
多崎礼

中央公論新社が主催しているC★NOVELS大賞を受賞して
刊行された、作者のデビュー作。

C★NOVELSらしい(?)ファンタジーノベルです。
『スカイクロラ』を筆頭とする、
舞台が独特かつ説明してくれない系世界観というか。
偏った個人の感想です。

そんなレーベル受賞作なので、
世界観が不思議で独特で、いい感じです。

生物が住めない死海に浮かぶ、18の島。
王都のある島を中心に、その周りを囲む島々は周回運動をしている。のか?
それぞれの島のサイズも小さそう(人口数万人規模?)で、
遠望郷で隣の島が見えるという記述もあるので
群島が形成する円環もだいぶ小さいのかな?

蒸気に乗って島々を移動したり、
毒を吸う毒キノコと農業の共生関係があったり、
細かい設定がいろいろとおもしろいです。

とはいえ、この小さな世界の割に
軍隊規模だの戦争の頻度だのが、ちょっとバグっている感じもある。
群島の外の世界もあるだろうけど、どういう関係なのかな?
わからん。

まあいいか。

物語は、アラビアンナイト方式というのかな?
「語り部」ふたりが交互に語る、昔話のような、歴史のような、
連作短編か…と思いきや、同じ名前が出たぞ?となり、
現代に繋がってきて…というような構成。

物語の雰囲気はいいと思う。
コメント
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