思惟石

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『わたしに無害なひと』韓国純文学

2022-04-04 16:43:28 | 日記
『わたしに無害なひと』
チェ・ウニョン
古川綾子:訳

Amazonとかで見ると、本のタイトルが
『わたしに無害なひと となりの国のものがたり5』
となっています。
ん?十二国記みたいなシリーズものか?
サブタイトルが表紙には入ってないけどな…
と思ったら、「となりの国のものがたり」は、
亜紀書房が出版する韓国文学のシリーズ名でした。

というわけで、『わたしに無害なひと』は、
これだけを手に取って読んでも問題なし。
韓国人作家による、若者の葛藤を描いた短編集。

冒頭に収録されている
10代の少女同士の恋愛を描いた『あの夏』は
韓国の第8回若い作家賞受賞作だそうです。

どの作品も共通して、なんというか、
読者の若い頃への後悔や不安や切なさ恥ずかしさに
ぐいぐいアプローチしてくる物語。
つまり私が苦手なやつ。
ほっといてくれ。

まあ、未熟な若者のすれ違う恋愛模様や、家庭内暴力、不和、
姉妹の圧倒的すれ違い等、テーマにエッジが立っている一方で
語り口がとても静かなのは、うまいと思う。

まあ、しかし、今更ほじくり返されたくない
心の柔い部分にぐいぐいくる。
ほっといてくれ。
コメント
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