思惟石

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『ストーンサークルの殺人』良いミステリ!ゴールドダガー!

2022-04-05 18:45:03 | 日記
『ストーンサークルの殺人』
M.W.クレイヴン
東野さやか:訳

イギリスの田舎で起きた老年男性を狙った
連続殺人事件。

主人公は停職中のいわく付き一匹狼タイプの
ワシントン・ポー警部(降格して部長刑事)。
いいですね〜。

複雑な生い立ちを持ち、独特の正義感を持ち、
古いタイプの捜査をして愚直で粘り強い。
いいですね〜〜。

訳者が解説でハリー・ボッシュを引き合いに出していたけど、
ボッシュより良い奴ですよ、ポー部長刑事!
不正への怒りとか、不幸への共感とか、良い奴だと思う。
なによりも、ボッシュほど女を見る目がなくないし、
ボッシュほど老害コースでもない笑

捜査の経緯や、謎が謎を呼ぶ理由、
真犯人の心理など、すべてが「わかる!」と思える
よくできたプロットです。
猟奇的な殺人の割に、読後感も悪くない。

主人公のポーが、調書を読みながら、
児童虐待していた義母の悲惨な末路を読んで満足した風な描写とか、
ソーシャルワーカーの女性に寄り添う言動とか、
「いわゆる正義ではないかもしれないけれど、私は共感する」
部分があちこちにあって、良い意味で気になっていた。
そして回収された。
なにこれ、すごいじゃん!!

イングランド北西のストーンサークルがたくさんある
カンブリア地方の雰囲気も良いですね。
湖水地方と呼ばれて、風景とともに石造りの建築物も有名。
というか、ピーター・ラビットの舞台と言った方がわかりやすいですね。
あの風景です。

英国推理作家協会最優秀長篇賞、
通称ゴールド・ダガー賞受賞作。
コメント
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