うてん通の可笑白草紙

江戸時代。日本語にはこんな素敵な表現が合った。知らなかった言葉や切ない思いが満載の時代小説です。

破落戸(ごろつき)~あくじゃれ瓢六~

2015年07月07日 | 諸田玲子
 2015年6月発行

 大火で最愛のお袖を失ってから5年。前作で盟友・篠崎弥左衛門と再会した瓢六は、再び悪に立ち向かう。「あくじゃれ」シリーズ第5弾。

織姫
ちょぼくれ
恋雪夜
於玉ヶ池の幽霊
化けの皮
破落戸
熊の仇討 計7編の短編連作

 お袖の面影を忘れられない一方、惹かれ合う瓢六と奈緒。二人の恋の進展と、前作から引き続く、老中・水野越前守を後ろ盾に悪行を働く南町奉行の「妖怪」こと鳥居甲斐守と、水野の手下・青山組との闘いについに終止符が打たれる。

 悲惨なシーンも物語の進行上拭えないが、諸田氏ならではの人間描写が生き生きと描かれている。
 シリーズの終焉的な終わり方が気になるが、新たなるステージへ向けての第一シーズン終了と思えば、次回作が楽しみだ。
 
 お詫び 申し訳ありません。多忙につき、項毎のあらすじは、割愛させていただきます。

主要登場人物
 瓢六(六兵衛)...長崎の古物商・綺羅屋の息子、元長崎の地役人、弥左衛門の相棒
 奈緒...阿部正寧家・奥女中
 篠崎弥左衛門...北町奉行所定町廻り同心
 源次...岡っ引き、弥左衛門の手下
 菅野一之助...北町奉行所吟味方与力
 篠崎八重...弥左衛門の後添え、後藤忠右衛門の三女
 篠崎弥太郎...弥左衛門の嫡男
 勝小吉...小普請組旗本の隠居
 勝麟太郎(後の海舟)...小吉の嫡男、小普請組旗本
 阿部正寧(不浄斎)...備後国福山藩主・第六代藩主、隠居 
 ※お袖...辰巳芸者、瓢六の情婦
   ※は故人



書評・レビュー ブログランキングへ



にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へにほんブログ村


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。