ハルジオンは北アメリカ原産のキク科ムカシヨモギ属の多年草で、大正時代に観賞用植物として
輸入されましたが、主に東京方面で栽培されていたものが逸出して野生化し、第2次世界大戦後急に
都市周辺を中心に全国に広がって、現在ではごく一般的に見られる雑草になっています。
開花時期は、地方によって多少のバラつきはありますが、凡そ4月~6月で、頭花は白色または
淡紅色で、観賞用植物として渡来してきたのも充分納得できる美しさを備えています。
この花より少し遅れて、6月~10月に白色または淡紫色の花を付けるものが見られますが
それらは、同じく北アメリカ原産で、明治初期に渡来したヒメジョオン(姫女苑)です。
外見上の相違点として判り易いのは、ハルジオンの場合、茎に付く葉が茎を抱いている(抱き葉)のに対して
ヒメジョオンの葉は茎を抱いていないことで見分けられます。
また茎では、ハルジオンは中空、ヒメジョオンは茎が白い髄で満たされていることでも区別できます。
ところで、以前、ハルジオンはこの時期には城陽市の平地の至るところで見られたものですが、
最近何故か、見られるのは山間部の麓から中腹にかけてで、市内の平地部では全くといっていいほど
姿を見かけなくなりました。
このような生態系の変化については、今後注意深く観察してみる必要がありそうです。
ハルジオン<キク科 ムカシヨモギ属> 帰化植物 多年草