「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

油断大敵、くすぶる石川五選

2009-03-31 19:54:00 | 日記
知事の辞任の意向を信じ地権者が辞任前にも伐採にと進む中、さまざまな情報を斟酌した結果、ここにきて恐るべきシナリオが浮上してきた。

与党もすんなり候補を出せないだろう(実際難航している)という読みから、4月の早い段階で除去を完了させ完全開港が確実となった段階で石川にいったん辞職した後の再出馬を働きかけるというものだ。
いわば、辞任と同時履行でないことを奇貨とし、支障となっていた暫定開港問題を逆手にした「完全開港を達成」という成果によって活路を開こうというものだ。
記者会見で政治家引退とまで明言したのだからそんなことが通用するはずはないというかもしれない。
しかし前例というか、手本がある。空港住民投票条例の例だ。
知事自身は賛成だったが議会が反対したからいた仕方ないという構図で乗り切った。
後から公約違反だといっても後の祭りである。あれは公約ではなかったなどとうそぶいたことを忘れてはいけない。http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/tokubetu.html
今回は偶然だろうが「うそも方便」なる伏線まで敷かれている。決して、役人ら石川取り巻き連中を一般の常識で図ってはいけない。油断大敵、警戒を怠ってはならない。

今回も知事自身はその気はなかったが周囲から懇願されこのままでは県政が混乱するとし止むを得ず出馬という形をとれば知事本人への批判は薄らぐ上に、何よりも、「責任を取って辞職ということからすれば結果的にはだましたようなものであるが「完全開港」という成果がアピールできる。

しかし、これにはあくまで自然な流れを装うことが必須。そのための第一段階が(知事が辞任もしていない中で役人が地権者に要請した)4月22日までの早期伐採だった。
昨夜の地権者との第一回交渉で、幸いにも伐採完了は5月以降となる線でまとまる模様。しかし負の事業を押し付けられることとなる、いわば悪役を買うような与党の候補者の選考が難航を極めれば、あからさまであっても駄目元とばかり、そういった企みも再び出かねないだろう。

ただ、6月4日の開港日に完全開港確定と五選を果たしてから望むという夢が困難となった今、世間をだましたという疑惑を押しても引き続きその選択をするのが得策か、手順どおり早期に新候補者に乗り換え県民に名前を覚えてもらうのが得策か、出遅れによる手遅れにもなりかねないだけに今後、石川取り巻き連中にとっては際どい状況判断が迫られることになろう。

県、立木測量ミスで職員の処分発表、実質お咎めなし

2009-03-30 19:03:00 | 日記
今日、立木を始めとする空港西側斜面の測量ミスに係る県職員の処分について県幹部は笑顔をまじえながら記者会見した。
12人の訓告と厳重注意だけで、それが元で県民に与えた追加工事の損害や知事を辞任に追いやった開港延期責任も役人としてはチャラにし、完全幕引きの考えだ。
訓告と厳重注意はいずれも地方公務員法上の処分でなくペナルティーのない処分といわれるもの。
かつて、裏金事件の時には106名がこの処分を受けている。
しかし、当時論評のとおり
http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/zatudan6.html#⑥
隠蔽に伴う処分が勲章と化しているのが静岡県だ。(今回の処分者と同じ名前も・・)
当時の「週刊ダイヤモンド 2003/6/28号」では裏金を明らかにした職員が自ら職を辞す一方で、裏金隠蔽に加担した職員が続々昇格する異常さを指摘された。

トップが去ろうとこの官僚隠蔽体質が揺らぐことはないだろう。
来年以降この被処分者たちが続々天下っていくことは明らかだ。
根深く、しかも強固な構造である。
すべては、国の官僚と同じで天下りが公務員にとって諸悪の根源となっている。
官の斡旋や慣例による天下りの根絶なくば改革が見鰍ッ唐オに終わるのは必然だ。
近く行われる知事候補には是非この根絶を公約し、県の出資する公益法人にあっては公募等による民間人の積極登用に道を開いてほしいものだ。

「立ち木辞任」の記録として(知事が受け入れた条件)

2009-03-29 19:35:00 | 静岡空港
3月25日、知事の「去る2月11日に地権者から申し出のありました条件、これを全面的に受け入れるということを前提に、今後の進め方、手順とか段取りその他詰めなければいけないことがあると感じますので、その協議に応じてもらいたいと、2月11日のお申し入れを受け入れるので、今後の実施に当たっての進め方、これについて協議をして最後の詰めをしたいという獅フ申し入れを今夕刻、職員に届けさせることにいたしました。地権者大井さんのいい返事を期待しているところであります。そのことによって完全運用が実現できることを期待しているところであります。」との決断を地権者が受け入れたことで、明日30日から具体的伐採の時期や方法についての協議が開始される。
読者の中にはテレビ映像では流れていたものの記録としてネット上にその地権者の申し出の内容(知事が受け入れた条件)が残っていないらしく、単純に辞めれば切るという図式でしか問題を見ていないようなところがある。
しかし、後世へのけじめとして、辞めるに当たりどのような責任を認めるべきかが申入書には明記されており、筋違いの責任転嫁論が跋扈しないよう、ここにその全文を記録として残しておきたい。

<参考:申入書全文>
静岡空港西側制限表面の支障物件の問題について、下記のとおり申入れを行う。

1.静岡県知事石川嘉延は、静岡空港整備事業に係る西側制限表面の土地収用事業において、極めてずさんな測量調査と拙速な手続きにより収用範囲及び使用範囲を誤り、制限表面上に支障となる物件を残すとともに本来収用すべきでない土地を収用したこと、及びこれら問題の解決を先送りし不要な工事に県費を投じたうえ空港の完全な開港を遅延させたことについて、その職を辞することによって県民に対し事業の責任者たる知事としての責任を明確に示す。

2.上記1.の要件の明確な履行が確認された場合に限り、静岡空港西側制限表面部分権利者大井寿生は、2008年10月21日付空港部長書面に基づき行われた測量調査によって、制限表面上の支障となる事が確認されたすべての物件について、速やかにそれらの除去を行う。


役人出身知事の有終の美?県職員給与全国2位

2009-03-27 19:51:00 | 日記
今日、総務省は地方公共団体の給与水準(昨年4月1日現在)の調査結果を公表した。
静岡県は東京都に次ぐ全国第2位。
国家公務員を100とした指数で103.7(都道府県平均は99.4、一位東京104.2、3位宮城103.0)である。
改革に熱心で人員削減に尽くしたかのように化粧した影で交付税減額ペナルティ(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/350.html)という失態を演じた官僚知事というよりも役人知事県政。長く地方自治体に天下っていた総務省役人らしく県民を欺くに巧妙だ。
今年の10月からは県職員の勤務時間が短縮され、夕方5時半まで開庁していた窓口も5時15分までとなる。(9月までは周知機関ということらしいが、5選も頭にあった中で選挙前はまずいということだったのであろう。)
明らかな県民サービスの低下というだけでなく、実質給与アップであることは既に述べたところ(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/339.html)であるが、この時間単価にして実質3%アップの批判をかわそうと県(人事室、行政改革室)が考えたのが業務の効率的な取り組みをするためのミーティング実施や記録をつけましょう、無駄な事務を見直しましょう、というもの。
現場を知らない机上の空論とはまさにこのことだ。
今週はどのくらい来客者が見込まれどの手続きに何人、一人どのくらいの時間が鰍ゥるかを見込み・・・・、これを毎週というからどれだけの時間が鰍ゥることか。
義務ならやらざるを得ないが、「効率的な執行」の名目のためにかえって非効率な残業が増えることは明白だ。
だからといって、部下にやらなくて良いとはいえないのが現場の管理職の悲哀。
残業を減らせという相反する本庁からの指示と、県民サービスとコンプライアンスが求められる現場の現実との板ばさみでやむを得ず雑務を自分がかぶることにならざるを得ないだろう。今でさえ、「やってもいいけど残業が増えるし、県民の利益にはならないでしょ」といえば内部の点数稼ぎ的な事務はやめよう、または自分でやる、となる状況であるのに、担当レベルで無駄と思ってやっている仕事があるわけがない。無駄はむしろ事務ではなく事業そのものであることが本質的解答である。

結局は見かけだけを良くしようとする役人気質が長期の役人知事県政の下、しっかり組織風土として染み付いた結果の現れである。
幸い与野党とも官僚出身、役人出身の知事候補は出さないようである。
新知事の下、より情報を県民に公開し、こういうごまかしの組織体質が県民注視の下、変わっていくことを期待したいものだ。


<参考>
なお、人件費に対する筆者の考えは過去の「雑感20050924-3」http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/zakkan1.html
にて既述のとおり。

逃げ得批判?

2009-03-26 22:38:00 | 日記
知事の突然の辞任の意志を受け、空港事業の失敗や西松疑惑からの事前逃亡との批判が一部に出ている。
しかし、これは当を得た見方ではない。
失敗や疑惑を糊塗するのに最も合理的選択は権力維持・強化に他ならないからだ。
彼が万が一にも5選となったなら、その4年の間で永久に空港事業の負の事実の総括は不可能とされただろう。
権力で隠蔽し尽くされた行政側の情報の開示なしでどうして実のある責任の追及ができるだろうか。なぜ、かの過大な需要予測がまかり通ったのか、誰とどのような裏合意があったのか、等々、いずれも仮に今の訴訟で空港事業が違法とされ勝訴したところで明らかにされるわけではないものだ。
ならば、次の知事がどのようにこの問題を考えるのか。
これを踏まえて民意を示せばよいのではないのか。
もう過去のことと一切触れないという候補が選ばれるのか、過去とはいえ今後のためしっかり清算すべきという候補が選ばれるのかということだ。

いまだ彼は逃げ切ったどころか次の知事が誰になるかという中で審判の前にいるのだ。

開港が決まる前ならまだしも、開港は既に決したことで社会的な契約の中では反故に出来ないところにまできてしまった。だからこそ、知事も辞任の表明をした中で「6月4日の開港が確定した」ことをタイミングの理由として挙げたのだ。

ならば、巨悪が去った今、私憤を超えて、少なくとも安全性と利用者の便宜のためにも早期のILS利用可能な形での運用へと動くべきは極めて合理的な方向だ。
空港があるからといって、その後、多額の税金で支え続けるのが唯一の道というわけではない。福井空港のように自然廃港化に進む選択もあるし、それ以外も・・・、要はこれから先の知事はじめ県民の選択次第だ。

多選や過去の失政や現職の利というプラスマイナスの様々な雑音に左右されることなくこれから先を真っ白な状況で政策選択できる選挙になったこと。これは、6月4日完全開港にとっては時機は遅きに失したものの、その意味で石川知事の辞任表明を評価したいと思う。