「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

逃げ得批判?

2009-03-26 22:38:00 | 日記
知事の突然の辞任の意志を受け、空港事業の失敗や西松疑惑からの事前逃亡との批判が一部に出ている。
しかし、これは当を得た見方ではない。
失敗や疑惑を糊塗するのに最も合理的選択は権力維持・強化に他ならないからだ。
彼が万が一にも5選となったなら、その4年の間で永久に空港事業の負の事実の総括は不可能とされただろう。
権力で隠蔽し尽くされた行政側の情報の開示なしでどうして実のある責任の追及ができるだろうか。なぜ、かの過大な需要予測がまかり通ったのか、誰とどのような裏合意があったのか、等々、いずれも仮に今の訴訟で空港事業が違法とされ勝訴したところで明らかにされるわけではないものだ。
ならば、次の知事がどのようにこの問題を考えるのか。
これを踏まえて民意を示せばよいのではないのか。
もう過去のことと一切触れないという候補が選ばれるのか、過去とはいえ今後のためしっかり清算すべきという候補が選ばれるのかということだ。

いまだ彼は逃げ切ったどころか次の知事が誰になるかという中で審判の前にいるのだ。

開港が決まる前ならまだしも、開港は既に決したことで社会的な契約の中では反故に出来ないところにまできてしまった。だからこそ、知事も辞任の表明をした中で「6月4日の開港が確定した」ことをタイミングの理由として挙げたのだ。

ならば、巨悪が去った今、私憤を超えて、少なくとも安全性と利用者の便宜のためにも早期のILS利用可能な形での運用へと動くべきは極めて合理的な方向だ。
空港があるからといって、その後、多額の税金で支え続けるのが唯一の道というわけではない。福井空港のように自然廃港化に進む選択もあるし、それ以外も・・・、要はこれから先の知事はじめ県民の選択次第だ。

多選や過去の失政や現職の利というプラスマイナスの様々な雑音に左右されることなくこれから先を真っ白な状況で政策選択できる選挙になったこと。これは、6月4日完全開港にとっては時機は遅きに失したものの、その意味で石川知事の辞任表明を評価したいと思う。