「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

大赤字確定静岡空港

2007-10-31 22:56:56 | 日記
JALがようやく就航を決めた。
だが、新千歳便1日1便、福岡便同3便だけだ。
これで
新千歳便が小型2便(県予測では大型1便、中型2便、小型2便)、
福岡便が小型3便(同小型4便)
鹿児島便0便(同小型3便)
那覇便が小型1便(同小型2便)
と鈴与のリージョナル機(70人乗り)による便が福岡と新千歳に各3便だ。
県の収入見込みでは新千歳便に大型機や中型機を見込むことにより、収入見込総額約5億円の半分以上の2億5千万円程度を新千歳便で見込んでいる。
<参考>
http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kusp11.html

しかし、現実として、新千歳便で見込めるのは5千万円程度だ。
全体で見ても1億6千万円程度+リージョナル機着陸料若干の収入しか見込めない。
完全な赤字である。
旅客需要も106万人は絶望的。
現状の便数ではせいぜい40万人程度(搭乗率6~7割程度として)にしかならない。

悲惨なのは鈴与だ。
JALが福岡に3便は誤算だろう。価格競争で劣るリージョナルは苦しい。

問題はJAL就航の条件だ。
報道では需要喚起を県が行うようであるが、はたしていくら鰍ゥるのか。
観光旅行のために税金を投じ、一方で医療福祉分野では財源が無いという言い訳が臆面もなく繰り返されるのだろうか。

責任は誰が取るのか。
国土交通省の外郭団体で需要予測を税金で行った財団法人運輸政策研究機構はどう責任を取るのか。
専門家として需要予測を妥当と評価した屋井鉄雄(東京工業大学)、兵藤哲朗(東京商船大学)、林山泰久(東北大学大学院)らは専門家としての良心が痛まないのか。こういう御用学者がこの国をだめにしている。

最近は暗いニュースばかりで暗澹とした思いが募る。




(無題)

2007-10-24 23:09:32 | 日記
今年何度目の外遊だろうか。
知事は今日、中国に旅立った。
26日まで浙江省で本県との友好提携25周年行事に参加し、29日の上海の航空会社訪問までの間の、土日は今後の県政に生かすための上海視察だという。
これまでも何度も海外にいっているが、どれほど県政に生かされたのか。費用対効果はどうだったのか。PDCサイクルの検証に当たるそれら評価検証結果を寡聞にして知らない。
職員にはNPMであるとか、検証と見直しであるとか、効率性であるとかご立派な弁を立てているが、自己の行動については例外らしい。
しかも自分の金でない税金を使っての行動である。
法令遵守を他人事のように説きながら自身を例外とし、大切な税金の運用を付託されながら節約意識のなかった守屋武昌前防衛事務次官と同じ精神構造だ。

そんな中、関東知事会が全国知事会副会長候補に石川嘉延知事の推薦を決めたとのこと。世も末だ。

(無題)

2007-10-23 23:22:45 | 日記
厚生労働省の肝炎患者リスト隠蔽、防衛省の給油量の隠蔽、赤福の消費期限偽装、遠藤建築士による耐震偽装、官民で次々と明らかになる隠蔽や偽装という嘘。加えて官房長時代に法令遵守を説いていた守屋武昌前防衛事務次官の業者との癒着問題。
政治家も行政も企業もモラルを説く資格を失い、もはやモラル低下というレベルではなくモラル崩壊の状況だ。
とりわけ、肝炎患者リスト隠蔽は薬害エイズ事件と同じく殺人に等しい非道である。
早期に治療していれば救われた命もあったろう。
リストの中には国側(厚生労働省)が訴訟で「カルテが無く証明が不十分」と主張し薬害を否定してきた人も入っていたという。嘘で人を追い詰めてきたということだ。
なぜ繰り返されるのか。
一言でいうならば、役所というところは責任の所在が明確でないからだ。
特に、見て見ぬ振りをしただけではほとんど責任を問われないという役人の確信は事件が繰り返されれば繰り返されるほど強固になっていく。トカゲの尻尾きりのように一部の脇の甘い人間だけが切り捨てられるだけという現実の中、誰も自分がその中に入る、あるいは入るようなへまをするとは思っていないのだ。
よって、世論がいくら厚生労働省けしからんという論調をとって連帯責任を求めても、多くの厚生労働省職員にとってはしょせんは他人事に過ぎないというギャップが埋められることなく事件が風化していく限り、今後も繰り返されるだろう。

福田総理は官僚の相次ぐ不祥事を受けて「過去のことだが、一瞬の気の緩みで(問題が)生じることもあるので、緊張感を持って仕事に取り組んでもらいたい」(毎日新聞)と述べたそうであるが、問題の清算もしていないのに「過去の問題」などというようでは国の指導者として失格である。過去の問題ではなく今眼前にある問題として捉えなければ、この国からモラルのかけらさえも失われてしまうだろう。
道徳なんていうのは建前だとか、勝ったものが正しいなどという意見に対し、こういう現実の中では私も無力だ。

(無題)

2007-10-21 22:36:52 | 日記
「灰皿を必要な所属はありませんか」
これは県の文化学術局文化政策室が全職員向け掲示板で案内した文書のタイトルである。
日本語としておかしい。
しかし、おかしいと思っても誰も指摘しない。
そんな指摘をして損することはあっても得することはないことは周知の事実だから仕方がない。
現実に、内部でものが言いにくいので、私のところにメールで県のここがおかしいという意見をもらうことがある。
かつては、直接県のどこどこに言ったらどうかというような回答をしていたが、今はとてもそういう回答はできない。職員を危険に晒すだけだからだ。
サービス残業問題のように職員の多くに共通するような重要なケースは代わって照会するが、限界がある。照会者である私の所で遵法であればそれ以上追求はできないからだ。
やはり最終的には自己責任というよりも自己の覚悟で乗り越えてもらうしかない。

しかし、疑問点が県民生活に係る行政活動に関することであれば私自身の意思として放置できない。

先日、事務執行上、先週金曜日までの回答が必要であるとして、県厚生部福祉こども局地域福祉室(室長:森下博司)に対し、施設指導基準の考え方を照会したのだが、回答がなかった。
詳しくは後日詳解するが、厚生労働省の基準と異なる基準をもって施設指導している理由を照会した一件であるのだが、県民から尋ねられても現場で答えられなくても良いというものではないことくらいはわかると思って照会したにも関わらず全くの無視である。異なることがおかしいとか改めろといっているわけではなく理由を聞いているだけにもかかわらず、この対応だ。
厚生部というのはお堀の中にあって日々県民と接しないためか現場とピントがずれているようだ。
厚生労働省が患者よりも製薬会社のことを考え情報隠しをしていたのと同じ意識だ。

厚生部は近く、厚生部職員の仕事の姿勢を行動指針として定めるという。
その案が厚生部職員と厚生部関係出先機関職員にメールされ意見を求められたので厚生部職員は現場を知らないことが多いようなのでよい案だという意見を返したが、単なるお題目で終わらせないでもらいたいものである。

不変の隠蔽体質

2007-10-17 23:22:38 | 日記
JALと県との間で合意されていた静岡空港開港時の就航が白紙となっていたことが16日明らかになった。
この日、知事は事態打開のためJAL本社を訪ね就航を要請したが、対応したのは副社長で「前提が変わっているので路線、便数、就航時期すべてを再検討している段階」と、あっけない。
しかし、そこは前向きに解釈するのが得意の知事のこと、「再開できる期待を持てる話だった」と会談後の会見で述べたそうだが、調子に乗って税金の過剰投入はしてもらいたくはない。
今後しっかりチェックしていかなければならないだろう。
それにしても、全国初とか全国一とかプラスの情報は過剰ともいえる広報・宣伝をするくせに、主権者たる県民にとって重要にもかかわらず、この手のマイナスの情報は積極的に明らかにしない。
結局は組織防衛の論理が先行し、県民の知る権利だとか利益というものはお題目としてしか捉えていない。

公金横領容疑で逮捕状が出ている元県職員に失踪後退職金が支給された事件の公判で、県は証拠となる失踪職員の欠いたメモをプライバシーを理由に公開しないように裁判所に申し立てていたが、これも、16日までに「理由がない」として静岡地裁から却下されていたことが明らかになった。
退職金支給は不当として訴えている原告代理人が「行政権力の恣意的な情報操作につながることを危惧していたので、ほっとしている」(朝日新聞)と話したそうだが、もっともだ。

未だに県民の利益よりも組織防衛のための行政に汲々とし、派手なパフォーマンスの影で陰湿化を深める県に、いつになったら光が差し込むのか。
今や全く打開の糸口がつかめない。