「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

7月11日まで休止します

2010-06-23 23:45:00 | お知らせ
明日から参院選挙。
ということで、皆さんには今後の国政を左右する選挙に集中していただくためいつもどおりこの間は休止します。
(なお、この間に特記すべきことがあれば11日にまとめてUPします。)

以下、近況報告。
一昨日書いたとおり前回請求に穴があったことから以下のとおり本日請求しました。
「平成22年5月中に訪中した知事部局(特別職及び出先機関職員含む)県職員に係る当該訪中旅費計算書(「外国旅行命令確認」及び「外国旅行命令明細確認」)」

また、公用車移動分について疑念のあった旅費関係の公文書が今週開示され、額は適正に計算されていることが確認されましたが、この程度の用件(開示された公文書)で3人も下田まで旅行命令を出すというのははっきりいって無駄(旅費+丸1日の人件費相当)というべきです。一人で十分。金魚のフンはいりません。
というのも、旅行命令は「旅行命令権者は、電信、電話、郵便等の通信による連絡手段によっては公務の円滑な遂行を図ることができない場合で、かつ、予算執行上の支出が可能である場合に限り、旅行命令等を発することができる。」(静岡県職員の旅費に関する条例第4条第2項)と全くの自由裁量ではないからです。もちろん、地方自治法上の最小の経費で最大の効果にも反します。
おそらく当該職場では納税者の視点に立った監視・謖セ役が不在で唯々諾々の体質なのでしょう。
その意味でもすべての県民が監視できるように、早急に知事公約「職員の出張費なども、100%県民の皆様にホームページ等で公開します。」を実現してほしいものです。



3776友好訪中予算とは別予算で3776訪中が判明

2010-06-21 22:09:00 | 近況活動報告
3776友好訪中に係る旅費関係書類を開示請求していたが、このうち議会事務局分が開示された。
参加した県議会議員の旅費(浜井卓男141,264円、三ツ矢金秋164,468円、森虫。郎172,884円、大場勝男164,281円、鳥澤富雄167,270円)のほか、県職員杉山嘉章の旅費155,600円について開示があったが、同旅行の復命書(以下の画像)の復命者に連名の県職員河野康裕については開示がなかった。

これについて、河野康裕は公文書開示請求した「ふじのくに3776友好訪中団」公式訪問団第一団には該当しないとのことだった。
つまり、3776友好訪中団と同じ日程で旅行しても県の区分で該当するかしないかにより表に出ない職員がいることになる。
おそらく知事部局においても同様のことが考えられることから、現在請求中のものを入手し次第、漏れのないような新たな開示請求を行う必要がある。

併せて、今回の開示では、旅行命令簿と一体と考えていた「外国旅行命令確認」及び「外国旅行命令明細確認」が開示されなかったので県議会に対しては以下のとおり追加の請求をさきほど行った。

<静岡県議会あて公文書開示請求>
県職員「杉山嘉章」の3776友好訪中団旅行に係る旅費計算書一式(「外国旅行命令確認」及び「外国旅行命令明細確認」)並びに同職員「河野康裕」の5月訪中旅行に係る支出票兼支出負担行為、前記旅費計算書類一式、搭乗券写し及び旅行命令簿。

そして、今回の開示で明らかになったことの一つに、冒頭の訪中旅費のすべてについて、「ふじのくに3776訪中事業費」(予算総額2,276万円)とは別の予算から旅行費用が支出されていたということである。具体的には議会費の事務局費という一般事務経費から支出されていたのである。
これは、3776友好訪中事業費は表向きの予算額であって、他の予算での訪中もあることを以前示したが(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/601.html)、さらにそれ以外にも一般的な予算からの支出も可能ということを示すものであり、例えば本来は福祉名目で獲得された予算からも支出されかねないことになる。
これについては第一団だけでなく第二団やそれ以外の訪中含めしっかり監視し検証していきたい。隠された情報は白日の下に置く必要がある。

県、懲りずに骨抜き事業仕分け第二幕へ

2010-06-17 21:51:00 | 川勝知事公約寸評
国の事業仕分け第二段が注目され好評を博したのに気を良くしてか、県も事業仕分け第二段を9月4日、5日に行うと発表した。

とかく日本一であるとか日本初とかいう言葉を気にする静岡県が今回命名したのが「静岡方式の事業仕分け」。
静岡県独自の工夫を加えたと自慢するが、中身は昨年よりも骨抜き色が強いものとなっている。
まず、昨年の事業仕分けであるが、以下の記事が的確に評価している。
「県が「30億円余りの財源をねん出した」と主張する昨年度の仕分けでは「不要」とされながら名称を変えて復活した事業もあり、実質的な予算削減額はわずかだった。」(6月17日:産経ニュース)
当ブログでもこの県による誤魔化しは取り上げた。http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/505.html
要するに看板の架け替えであり、負を清算したとみせかけ成果として宣伝し、その裏で同様の負の構造をまんまと存続させる詐欺的手法である。
実際昨年の仕分けで唯一名実ともに廃止になったhttp://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/538.htmlとされた「県庁新聞」でさえ、実は廃止ではなく「みんなの馬力」としう電子版で生き残っているらしい。
作成に携わる職員を遊ばせておくわけにもいかないからだろうが、仕分けとは一体何だったのか考えさせられる現実だ。

加えて、あるNPO法人の冊子の記事では昨年の仕分けの様子について「県職員らの建てた筋書き通りに展開しただけ」とか「県職員は肝心な情報を隠し、嘘に近い発言をしても、コーディネーター、仕分け人とも疑う余地はなく」などと評される始末である。

さて、その第二幕の独自の工夫の「静岡方式」であるが、昨年の県民委員の検討に懲りたのか、昨年のメンバー構成に加え県が依頼した「有識者」を加えるという。
これが工夫か?と思うのだが、役人にとっては工夫だそうだ。
次に費用対効果の評価になじまないという理由での文化、教育、学術にかかわる事業は対象外というのも工夫だそうだが、前記産経ニュースにも書かれているが、これによって金食い虫の県の抱えの舞台件p団SPACも対象外、ハコモノの象徴複合文化施設グランシップも対象外、本当に聖域のままでいいのか疑問だ。
もう一つの工夫の業務棚卸表の活用というのは、何のことはない、分かりやすくいえば県が作成した表に基づき県自身が仕分け事業を選定しますというものだが、事業選定からして公募にした方が公正というものだ。

事業仕分けを事業仕分けしたらという声が国の仕分けに対する評価であったが、静岡県の事業仕分けの方がその必要性が高いというべきであろう。



空港できちゃってるのに需要予測やり直すという静岡県!?

2010-06-15 20:18:00 | 静岡空港
昨日の知事会見で明らかになった静岡空港の需要予測のやり直し。
もちろん税金をかけて外部に委託するのだが、いまさらなぜ・・・

というのも、需要予測は空港建設の是非の判断材料として必要とされたものだからだ。
この需要予測をもとに費用対効果を検証し、費用と便益の均衡点となる86万人需要を上回る(費用便益比が1.0を超える)として建設を推進したのであって、百歩譲って目標需要ならともかく空港が完成した今になって再度需要予測を行って何の意味があるのだろう。

これについては、今日の毎日新聞に「(新しい需要予測をして)需要に満たない空港という批判を払拭したい狙いがあるとみられる。」との推察があるが、これまでの県庁役人の発想から見て私も同感だ。
これなら、新しい需要予測を仮に平成23年度70万人とし、未達成の65万人の実績だったとしても需要予測の138万人の半分にも満たないとの批判を避け、税金を投入しての大本営発表で最新の需要予測の9割を達成と鼓舞できる、それが県庁役人の発想なのだろう。
もちろん子供だましだが、注意をもって情報を吟味できない人がほとんどだというのが役人の認識だ。

もう一つ、川勝の認識には役人の刷り込んだ虚偽が詰っているように思う。
川勝は静岡空港の需要予測を「全国の地方空港が過大な需要予測をもとに建設されてきた」とするその他多くの需要予測と同視しているが、実はその予測手法は全く違うのだ。

静岡空港は2000年11月の会計検査院の特定検査で「今後、主として地方公共団体の責任においてなされる地方空港の新設・滑走路延長等の整備に当たっては、まず精度の高い需要予測を実施した上で、これに基づく費用と事業効果の評価を適切に実施することが重要であり、地方空港の利用が効率的かつ有効に行われていくことが肝要である。」との指摘があった上に、
2001年5月の総務省による「空港の整備等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」の中で「このように実績値が需要予測値を下回ることとなった背景には、近年の景気低迷による航空輸送需要の伸び悩みが影響しているとも考えられる。このように、需要予測は精緻な想定を行うためには困難な要素があるものの、空港整備事業の事前の評価を的確に実施するためには、常に需要予測の方法の改善余地について検討し、その精度の一層の向上に努めることが必要と考えられる」「需要予測の方法等の状況についてみると、次のとおり、需要予測の際に使用する仮定等の前提条件、予測手法、基礎データの採り方等について、改善を要すると認められる例がみられた」などと具体的に指摘を受けた後に国交省によって確立された最新の手法によって推計されたものである。
すなわち、静岡空港と同じ手法で需要が推計された新設空港は神戸空港くらいのものなのである。

多くの地方空港がでたらめに近い需要予測だったから静岡も同じという考え方は間違いなのである。

ただし、一方で138万人の需要予測について問題点を検証するという意欲は評価したい。
しかし、役人に真実と向き合う気がなければ嘘を嘘で固める醜態を見せることとなるだろう。
いずれにしても、静岡空港はますます袋小路に入っていく感がある。県民世論を二分化しながら住民投票から逃げ県民合意を形成できなかった大規模事業の末路を象徴している。

静岡空港需要予測を是とした学者に沼津駅付近鉄道高架事業の検証を任せるという静岡県

2010-06-14 22:49:00 | ノンジャンル
今日の知事定例会見で川勝平太は「沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議」の設置を発表した。

これは来年度予定されている事業再評価の前に専門家の意見で方向性を権威付けしようとする意図があるのだが、県公式発表では「沼津駅付近鉄道高架事業については、社会経済情勢の変化を踏まえ、客観的・科学的見地から現行計画を改めて検証することが必要である。このため、まちづくり、交通、公共政策等の専門家で構成する「有識者会議」を今年夏頃を目途に設置する。」となっている。

客観的というが、一番の問題は人選である。
川勝が候補として唯一名前を挙げた森地茂、この名前を聞いてびっくり。なぜならば、この御仁こそ静岡空港建設事業の事業認定を国の専門家として是とした中心人物なのである。
「本需要予測及びその検証方法に関して、法第22条の規定に基づき、専門的学識及び経験を有する者の意見を聴取したところ、妥当であるとの回答を得ている。」(静岡空港整備事業事業認定官報より)
この「専門的学識及び経験を有する者」こそが森知茂であり、この事実については、以下のとおり静岡空港整備事業事業認定取消訴訟でも原告から問題視されている。

<訴訟準備書面から抜粋>
認定庁が「土地収用法22条に基づく専門的学識及び経験を有する者」の意見を求めたとする者のうち、需要予測の専門家である政策研究大学院大学工学博士森地茂氏は同じく需要予測の専門家である静岡空港の需要予測を監修した東京工業大学教授工学博士屋井鉄雄氏とは東京工業大学工学部土木工学科で師弟関係にあった間柄であり、屋井鉄雄氏は講義のテキストとして森地茂氏との編著「社会資本の未来」を採用するなど考え方が共通することは容易に想像できる。また、両者は共に航空政策の推進のための航空政策研究会の理事を務めるなど、明らかに中立性のない偏った人選を行ったものというべきであり、これは自分の予測を自分で評価するのと同様、何ら客観性も無い無価値な意見聴取といわざるを得ない。

さらに、国の運輸政策審議会の委員も務めるなどいわゆる御用学者の典型であり、彼こそが1県1空港などといわれる公共事業推進の旗振り役として「県の発展を左右する空港整備」との表題で「現在、首都圏には羽田、成田の二つの空港が整備されているが、完成後再び飽和状態になると予想され、さらなる空港整備の必要性が高まりつつある。その整備は首都圏第三空港ではなく、複数の空港整備を地域毎に考えることが必要である。」などとし、群馬県にも空港をと公言していた学者なのである。

この人物で
「客観的・科学的見地」
が担保されると考えているのだろうか。
やる前から胡散臭さが付いて回るのではないのか。
信頼なき権威は形だけの権威づけも果たせないだろう。