「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

どうする下田市長松木正一郎、国交省のポチでいくのか市民の命を救うのか<下田市道の駅問題>

2024-06-30 08:51:05 | 下田市政
7月17日から能登半島地震で被災した金沢と奥能登を結ぶ自動車専用道の「のと里山海道」と「能越自動車道」が対面通行になることが決まり大幅な時間短縮が可能となった。特に震源からより近い「のと里山海道」の被害は大きく発災時に防災拠点の能登空港の孤立化を招くなどしたが、被災から3か月かかったものの奥能登方面への低速での一方通行が可能となっていた(ただし奥能登からは一般道迂回で戻らなければならず時間がかかっていた)。今や、はや震災から6か月である。

これは伊豆半島にとっても人ごとではありません。というのも、伊豆半島は能登半島のような自動車専用道の整備すら満足に出来ていないからです。
特に南海トラフ地震の被害想定で緊急車両でさえ1週間以上は不通になると想定されている天城峠区間の自動車専用道路は着工の見込みさえたっていません。
また、何十年後かに仮に整備されたとしても、行政が示す被害想定は、能登で実証されたように自然の力の前では、高規格道路とはいえ被害なしで済むなどというのは想定ですらなく希望でしかないからです。

特に、公共事業においては税金をもって整備するため最低限の技術指針はあるものの、知見の十分でない例えば液状化(まして能登で注目され始めた側方流動)のような事象への対策においては現実に追いついていないのですから。(国は昨年5月の盛土規制法の施行通知いわゆる技術指針において「開発事業等に際しては、開発事業等実施地区及びその周辺域において、地震時の液状化現象により悪影響が生じることを防止・軽減するため、液状化に対する検討を行い、適切な対策を行う必要がある。」「液状化地盤の判定は、標準貫入試験、スクリューウエイト貫入試験、コーン貫入試験等の地盤調査結果、細粒 分含有率試験結果、地下水位の測定結果等を用いて行うことを標準とする。」「十分締固めた盛土では液状化等による盛土の強度低下は生じにくいが、渓流等における高さ15メー トル超の盛土や火山灰質土等の締固め難い材料を用いる盛土については液状化現象等を考慮し、液状化判定等を実施する。」などとして随所で液状化問題についてようやく言及し始めたが具体的数値基準は不十分。)

好例は中部国際空港の埋め立て工事における不同沈下です。
今年2月の諸報道では、
「愛知県警は9日、中部空港(常滑市)に隣接する中部空港署について、地盤沈下が原因とみられる建物の損傷や傾きなどが確認されたため、来年春をめどに空港ターミナルビルに一時移転すると明らかにした。」
「県警施設課は「南海トラフ地震などが起きれば傾きが大きくなる恐れもあり、災害時の拠点活用は困難」と移転理由を説明する。」
「中部空港島は埋め立てで整備されたが、中部国際空港会社によると、空港のターミナルビルや滑走路などでは目立った損傷などは確認されていない。」
と場所によって大きな差が出ています。

なぜこういった差が出たのか。
空港島の空港施設地域はトヨタなどの民間が出資する空港会社が、警察署などの空港関連地域は県企業庁が、それぞれ埋め立て工事をしたからです。
空港会社は、関空を教訓に埋め立て土砂に専用セメントを混ぜた改良土を使って液状化対策を行なったのに対し、県企業庁はあくまで公共工事の基準に従った土砂の埋め立て工事をしたに過ぎないからです。
役所のやることだから安心だとか間違いないというのは、知見の乏しい災害対策においては大間違いです。税金で賄う以上、民間のように最先端の知見を取り入れお金をかけたりはできないからです。

である以上、伊豆も能登を教訓にして、天城峠より先は車両部隊の救援を1週間以上も待ちそこに期待するのではなく、孤立化・孤島化を前提として被災直後の救命・延命対策をこそ急ぐべきでしょう。
陸路も海路も遮断される中で自衛隊の車両が集まる防災拠点整備が重要などという想像力の欠如した防災対策を優先するようでは住民や観光客の生命は守れません。
元役人とはいえ土木畑出の市長松木正一郎、令和4年3月18日下田市長室で国交省から特定の場所(液状化危険度大の場所)を工事発生土で埋め立てて道の駅をという提案という名の事実上の指示を単に忠実に実行するだけのポチとして防災のためにあったらいいね程度のものを優先するのか、それともその前に市民の命を守るためにすべき多くのことを先に成し遂げようとするのか。予算も時間も余裕がない中、それがわからないようでは、はっきり言って、行政を預かるものとしては失格というべきでしょう。
(※なお、下田市は今日現在、公文書開示請求を行った令和4年3月18日の国交省の提示図面について、黒塗りでもなく、あるかないかも答えられないという極めて異例の対応をとって隠蔽している。国が示した新たな建設発生土処理場所としては箕作以外にも下田市街地を危険に陥れかねない谷と沢を埋め尽くす図面も含まれているとされる。)
(参考図:国交省伊豆縦貫道資料から)

リニア水問題合意、知事が変わりJRに手玉に取られる静岡県

2024-06-29 07:23:45 | 川勝後の静岡県政
28日、先日の、水の回復は「工事によって生活環境や自然環境に著しい影響があり、工事との因果関係が明白になった場合」であると極めて限定的に解釈している旨のJRの会見を受けて、静岡県がJRの認識を紹介したところ「健全な水環境の回復措置が必要との合意事項に条件があるとは考えていない」との回答が届いたとし、鈴木康友知事は3者合意を遵守できていると会見で述べたという。

これで納得してしまうという静岡県の姿勢は故意なのか愚かなのか、いずれにしてもお粗末だ。
JRは3者合意の「健全な水環境」の解釈として「生活環境や自然環境に著しい影響」を、「回復」の解釈として「因果関係が明白」であることを言っているのであって、合意事項に条件をつけているわけでないことは最初から明らかだからだ。

国際会議などでの宣言で採択を優先し解釈を故意に曖昧にすることはよくあるが、当事者間でのこのような重要な約束事で解釈を詰めていないことがそもそもの大問題だ。

元々、この合意を主導したのはJR東海らしいが、知事が変わっただけで静岡県はすっかり手玉に取られてしまっているようだ。

今度の知事さん、我々とともに県民を騙してくれる側に静岡県を指揮してくれていい知事だなーというJRの声が聞こえるようだ。

早速の茶番劇、役者は河原崎県議と鈴木康友静岡県知事

2024-06-27 07:07:48 | 川勝後の静岡県政
先週、浜松ドーム球場における知事の狙いについて「本心の全面ドーム球場(開放型ドーム球場は選挙用で光や音漏れを理由に自分以外に否定させる目論見)」と書いたが、早速役者が揃い県民向けの猿芝居が行われたようだ。

というのも、昨日26日の県議会で自民党の河原崎県議が風や照明の影響を理由に開放型ドーム案に疑問を呈し、これに対して鈴木康友知事も「密閉型ドーム球場に比べ、強風などの影響を受けやすい」とデメリットを認めたのである。公約違反との批判を抑え、全面ドームへ進む道が開けた瞬間である。

まさに「人栄え国亡ぶ 盲(めし)ひたる民世に踊る」状況だ。

また、ここで久しぶりに部局調整費(議会のチェックのない事業もできてしまういわば裏の予算)の使途について公文書開示を受けたので2部局(知事直轄、スポーツ文化観光)について紹介しておこう。


事前に知らされていないと自民党から川勝前知事が糾弾されるに至った県東部の文化施設についても新文化施設の整備を前提にした調査費用がこの部局調整費に盛り込まれているのがわかる。県議会が自ら予算統制の役割を放棄し、行政府に自由なお金を与えておきながら事前に使い道を知らせないと憤るのはイチャモンと言われても仕方ないのではないかと思う根拠である。
また、フランスに出張しラグビーW杯を誘致した費用も計上されているが、いつの間に誘致などという意思決定がなされたのか。県民の知らないところで決まって行動に移されるという、下田市の防災道の駅と同様で、権力者の奢りでしかない。

まさに「権門(けんもん)上(かみ)に傲(おご)れども国を憂うる誠なし
財閥富を誇れども社稷(しゃしょく)を思う心なし」の状況である。

時代は繰り返すというが、今ほどそう感じることはない。

リニア水問題合意、JRは因果関係が明白な場合しか回復措置の義務はないと認識、詰め甘く騙された静岡県

2024-06-26 07:50:10 | 川勝後の静岡県政
静岡県が工事によって新たに流失した水量の回復が約束されたのでボーリング工事を認めた静岡県、山梨県、JR東海によるリニア工事の3者合意。

しかし県の詰めが甘かったようでJR東海は25日の会見で水の回復は「工事によって生活環境や自然環境に著しい影響があり、工事との因果関係が明白になった場合」であると極めて限定的に解釈していることが明らかになったのである。

これが川勝が辞任に追い込まれた選挙によって新知事が前のめりにならざるを得ない状況に追い詰められ、それをJR東海に見透かされた結果である。

特に因果関係については被害者が立証することが難しいということは川勝時代から散々言われてきたことだ。

安易な合意でJR東海に主導権を奪われた鈴木康友新知事。やはり関心ごとは浜松のことだけのようだ。

松木正一郎、再選するも市民の期待は萎み得票率は70%から51%に急落(下田市長選挙)

2024-06-24 06:44:41 | 下田市政
現職優位はあるにしても、直前2回の市長選では現職が大差で敗れ続けていた下田市長選挙。しかしそこには市役所移転場所など具体的で大きな争点があったからこそであり、投票率も67%以上となっていた。前回現職を破って当選した松木も相対得票率70%で圧勝していた。

今回は先日述べたとおり大きな争点がなく施策も抽象的で原則どおり現職優位が働いたようだ。
とはいえ、知事選ではあるが川勝が期を重ねるごとに支持を固めていったのとは逆に、松木市政は信任されたとはいえ、相対得票率は70%から51%に急落、しかも投票率も60.87%と低調で絶対得票率は31%にと、メッキが剥がれつつある状況である。
また、大票田の旧町(中心街)出身であることからその地盤を中心に逃げ切ったというのは浜松出身の鈴木康友に類似しており、今回支持の大きかった旧町、稲生沢、朝日地区住民の声ファーストでいくのかバランスを取るのかも県政同様に見ものである。

日本経済も先行き不透明で市長の支持(得票)も陰りが見え地区によっては市民の不満もより一層顕在化しやすくなる中、天の時も地の利も人の和もなく市の成長に結びつくような具体的施策が彼の思いどおりに為せるとは期待できない。どれほどの強権をもってしても、この国が自由主義と民主主義に立脚した法治国家である以上、市民個々の協力を得るのは難しくなりおそらく二期目の4年でできることは限られるだろう。故にこれまでの隠蔽や裏工作といった手法や費用便益比を示さない放漫財政を改められるのか、今後も監視を続けていきたい。