「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

熊本路線廃止「検討中」、知事とFDAの三文芝居

2011-01-31 19:49:00 | ノンジャンル
まず最初は、県と静岡市の子ども医療費助成のバトル(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/724.html)に一定の結論が出た件について。

来年度、直ちに打ち切らないで1年間はこれまでの半額を助成する、と知事が今日結論を出した。
県議選前のこの時期の県議会会派の意向(激変緩和措置を望む)を斟酌してのことらしい。

これについては、川勝知事、小嶋市長双方とも満足しての結論ではないが、現時点では政治的な落とし所だろう。
今日はさらに、FDAが8月1日から静岡空港の熊本線を廃止することを検討中というニュースが入った。
「検討中」といっても今日、国土交通省に路線廃止の届け出はしている。
それでもその撤回が可能だから検討中だということだが、これを受けての知事のFDA熊本路線支援表明を聞くと出来レースの疑いが濃厚だ。
これが、検討中でなかったら援助の名目はない上に、知事は日航の撤退同様「一方的に撤退を」と言って援助どころか激昂パフォーマンスを見せせざるを得ない。

どう見ても不採算な路線、撤退は当然の選択だ。それでも「検討中」というのは・・・
今後、川勝は路線維持を名目に広報宣伝よりも直接的に訪問団やらで税金を投入しFDAに心ばかりの損失補てんに走るのだろう。
そして結局廃止しても維持に向けた税金投入の責任はだれも取らない。税金をどぶに捨てるに等しいにもかかわらずにだ。
下手な三文芝居で税金を浪費するのはもうやめてもらいたいものだ。

サッカー日本代表、美しいチームの勝利

2011-01-30 23:12:00 | 雑感
昨夜はすっかり夜更かしをしてしまったが十分その価値があった。
アジアカップの優勝を果たした日本代表にお礼を言いたい。
チームでの勝利とはこういうものをいうのだと示してくれた。
信頼される有能な監督と個々の能力に磨きをかけた選手、監督のマネジメントと選手の自主性の調和、まさに変化に即応する組織の手本である。

実は県がかつて取り組んだ「組織のフラット化」(http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kensei1.htmlの2-2参照)が本来目指すべきだった組織の姿がそこにはあるのだが、始めから真逆の方向に向かっていったのが静岡県である。
川勝平太はチーム川勝といい、組織をいじったが、本質的なところを欠いているため狙ったとおりにはならない。上記リンク先でも書いたが、組織が目指すべき究極の形態「柔軟性と迅速性を要求されリーダーシップが不可欠のサッカー型(オーケストラ型)チーム」とは程遠く、未だ「反復仕事やルールが固定化した仕事に適性を持つ野球型チーム」、それも管理野球型でこの状況変化の激しい時代に対応しようとしている。
それでも、監督(リーダー)に信頼感があればまだしも、草野球の実績・経験もない、人望もどうかというレベルでは今の県政の無為無策ぶりも納得だ。
自律的なスピード感のある状況対応など夢のまた夢。

そもそも、選手の満足、監督の満足、国民の満足が合致しているのは基本中の基本。
ゆえに、県職員が今自ら問うべきまずはじめの第一歩は、それぞれの現状、個々の職員が自分の満足ために仕事をしているのか、上司の満足のために仕事をしているのか、県民の満足のために仕事をしているのかについてよく考え、そのための行動をすることだ。
特にこれからの静岡県を、日本を、支える柱となるべき若手の成長に期待したい。
自信を持って自律すべし。

なお、私の答えは既述(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/479.html)のとおり。参考まで。

県、沼津の収用と鈴与本体救済をねらってか、物流産業を県の主力産業へとの布石

2011-01-29 23:31:00 | ノンジャンル
赤字のFDAの出資本体である鈴与、その鈴与の本業は物流だ。
県は物流を主力産業へとの名目の下、その鈴与など物流企業の支援のための税金投入に向けた布石を打ちはじめた。

県は、先日28日には静岡空港の過大需要予測を肯定した御用学者(森地茂http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/605.html、兵藤哲朗http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/552.html)2名を招き、「物流に関するこうしたシンャWウム開催は初」(静岡新聞)という異例の「ふじのくに物流シンャWウム」を税金で開催。

御用学者や参加した物流業者から、あれをしてほしいこれをしてほしい、という行政支援始動の前提となる要望(ニーズ)を収集した。

役人とそれに寄り添う業者、そしてお得意の御用学者投入で、着々と既成事実を積み重ねていく手法はいまだ健在である。
まして、この時期の支援が2つの事実とも関係していることは容易に想像できるだろう。

一つはFDAで赤字に苦しむ鈴与本体の支援、
もう一つは物流をキーワードに沼津駅周辺高架化事業の貨物駅是認だ。

特に今回のシンャWウムで基調講演を行った森地茂こそ、その高架化事業の有識者会議のトップ。県の物流振興との連動による貨物駅必要論を唱えることは明らかだ。
また、知事のFDA非難も収まり、鈴与とは今や持ちつ持たれつ(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/723.html)(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/718.html)の良好な関係、この物流支援の話でそれも納得できるだろう。

それにしてもこの御用学者たち、県民の前に出てくる前に知事も非難するでたらめな需要予測で県民に与えた損害について謝罪をし専門家としての責任を示すのが先であり、良心ではないのか。
あちこちでちょこまかと税金にたかって仕事をする様はまさにコバンザメ。
厚顔無恥とは彼らのためにある言葉のようだ。

税金とその使い道

2011-01-28 21:44:00 | ノンジャンル
県は明後日の静岡新聞と中日新聞で個人県民税などの給与天引きを呼び鰍ッる広告をするのだが、その中に以下の一節がある。

「個人住民税は、個人市町村民税と個人県民税を合わせた言い方であり、基本的な行政サービスを支える地域社会の会費のようなものです。

確かに、この純粋な県税は国庫補助と違って県独自の施策に自由に使える貴重な財源であることは否定できないし、これを会費と呼ぶか共益費と呼ぶかはともかく、みんなのために使うものという一般認識は多くの人が共有しているところだろう。

しかしその独自財源が知事やその取り巻きの胃袋に消えていくとしたらどうだろう。
県が今日発表した2月4日に大阪で開催の「関西地区ふじのくに交流会」がそうだ。
本県ゆかりの関係者や在阪総領事館関係者など約160人で飲食「交流パーティー」をホテル日航大阪鶴の間で開催するという。
もちろんパーティだけでは格好がつかないのでパーティー前には川勝平太の講演付きだ。

空港の就航先でもない関西でどうして?と思うだろうが、魔法の言葉(名目)で正当化されている。

それは、「情報発信の強化、人的ネットワークの拡充を図ることを目的に」である。

そんなことを言ったらどこででも幾らでもパーティーし放題じゃないかと思うかもしれないが、だから魔法の言葉なのである。

費用対効果の結果責任を問われない行政ならではであるが、川勝公約の「1円たりとも無駄にしない」がきついジョークだと再認識する実態だ。
それにしてもこの知事はパーティー好きだ。交流には接待パーティーという偏狭さも痛い。

納税者意識を高め、よりよい社会にするために、コストは鰍ゥっても、天引き納税よりも申告納税への制度転換こそが望まれるところだ。

沼津駅周辺鉄道高架化事業、役人の逆襲と躓き

2011-01-27 21:30:00 | ノンジャンル
沼津駅付近の鉄道高架化事業、前知事時代には強制収用が確実視されていたが、川勝平太のゼロベース見直し公約もあって待ったが鰍ッられた。
これは、2010年1月に知事と住民らとの意見交換会で用地買収が難航しているJRの貨物駅は事業に必要ないとの考えを示したためだ。
知事のこの考えを受けてあわてたのがJRと役人たち。
普通なら高架化ができれば貨物駅など作らなくてもと思うところだが、大型事業は大抵関係者の利権のバランスで落ち着いているのに貨物駅のための用地買収だけできないとなればそのバランスは崩れる。
しかし、さすが役人、学者上がりの知事の弱い点を突くかのように間もなく逆転への絵図を書き上げた。
それが、空港でも活躍した役人お得意の有識者(専門家)の利用(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/628.html)だ。

それが今、「沼津駅の高架化問題ですが、先週の有識者会議で、知事が「必要ない」と言われた貨物駅について、地域振興の観点からも必要だという意見をまとめられたのですけれども、どのように受け止められていますでしょうか」との一昨日の知事定例会見での記者質問につながる。

今月の市長選で落選した話題の市長、柱エ信一前阿久根市長は、在京のテレビ番組のインタビューや都内での講演などで役人と政治家の本質を的確に言い当てている。
現行の役人(公務員)制度を「市民を裏切ることで肥え太る大蛇のような身分制度」といい、「政治家は大蛇のうろこにすぎない」と。
もちろん政治家とは議員だけでなく、組織トップの市長や知事なども含まれる。
役人組織は人が入れ替わっていくが脈々と組織論理は引き継がれていく。
その一方で政治家は選挙の洗礼で一個性から次の個性に変わっていく。
本体はぬくぬく生き続け、うろこははがれてもまた別のうろこが付く様は役人組織と政治家の関係をうまくイメージしている。

さて、前段の記者質問に戻って、知事の答えであるが、
「各社の新聞記事を拝読しますと、貨物の方がトラックよりも長距離輸送、また環境に優しい、理想としていいと。そんなことは中学生でも知っていますね。ですからそれはいいんです。問題は、それを沼津にどう落としこむかということですね。一般論として、鉄道輸送の方が、環境に、また重量ベースで見てもたくさん遠いところに運べるということがあります。しかし、ドアツードアではトラックの方がいいという面もありますよね。だから、今、JR貨物の長距離輸送について、そのメリットを言われたというのは、それはもう議論の前提だと思っています。わざわざそれを聞くほどのことではないということであります。それを、賛成に取るのは、まだ早とちりではないかと思っていますね。」と評価先送りの逃避姿勢。
しかし、「どう落としこむか」という貨物駅肯定論の布石とも思える「やはり最先端の学者さんが来られると、物流というものが、実は生産から流通、消費に至るまで、そういうことの重要性というものを捉えるという視点を、正面に出されたのではないかと思っていまして、この点は、それはそれとして、一般論としても、これからの時代の経済を捉える観点としても大事な見解であるというふうに見ております。」との発言が飛び出した。

すなわち、知事の態度の行方もほぼ決まった感じだ。

というのも、役人は既に自ら都合のよい人選で沼津駅付近鉄道高架化事業について客観的かつ科学的見地から検証するための有識者会議のメンバーを掌握しており、現状の世論の認識としては推進側だけでなく反対派もこの会議で議論すること自体は是認していることと受け取られている。
役人からしたら、粛々と決まった結論に向けて会議をこなせば、知事も反対できず、かつ、決まってから結論が気に入らないと言い出しても世論から受け入れられないということは知っており、知事が引き戻した時計の針は戻せると確信している。
さらに、知事が「今考え得るトップレベルの専門家」の結論を受け、いつもの調子で自身が1軒1軒出向いて説得すると息巻いてくれれば遅れを取り戻すに十分な世論形成もできる。
知事が強硬に反対しているわけでないと見えたことで盤石と見えるレールがより一層盤石となるはずだったが、これに水を差すこととなったのが26日の地元団体の動きだ。

地元団体が、「客観的かつ科学的見地から検証」どころか、「高架化事業ありきで議論」している有識者会議に業を煮やし委員に4問の公開質問状を送ったのである。
専門家には空港の時のように会議自体に反対するものはなく、有識者会議自体はみんな受け入れているとでもレクチャーしていたのだろう、この質問に大慌てのようで異例ともいえる(知事コメントではない)交通基盤部長コメントを記者提供した。
「本日、「沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議」の委員に対して、事業に反対する市民グループから公開質問状が出されました。有識者会議では、客観的・科学的見地から現行計画について検証をお願いしているものであり、幅広く自由な観点から議論を行って頂いているところであります。今回のように、外部の方の主張を各委員に直接申し入れることは、今後の自由な議論に影響を及ぼす恐れがあり、誠に遺憾であります。」
一方の役人は人選ばかりかいつでもレクチャーできるのにそれに対する異論は寄せ付けないでガードというのでは自由も何もあったものではないのだが、彼ら役人は自身の意見が中立・公正と思い込んでいるからたちが悪い。
国の役人が県に、県の役人が沼津市(副市長)にという持ちつ持たれつの役人トライアングルのうろこである知事や市長も、役人に有識者という別のうろこを出されてコメントも出せない立場で、今や蚊帳の外だ。

知事は「最終報告を聞いてからですね。今の段階でどうこう言うのではなく、むしろ自由に議論をしていただいて、その議論の結果を見てから御判断を申し上げたいと思います。」と記者の質問を閉めたが、自由な議論で「客観的かつ科学的見地から検証」が出されたと断じられた時点では100%手遅れである。
質問状だけでなくしっかりと具体的疑問点について会見を行い、どこかで、ゆがんだ会議自体を否認していかないと役人の思うつぼである。

とりわけ、費用対効果(費用便益分析)の検証の有無は不可欠。
これについては数年前に友人からこの高架化事業についての開示請求で得た数枚の文書で検証を依頼された経緯があるが、その元のデータの公文書が現存していないそうである。
空港需要予測でも元のデータ(特に北海道便)が補正と称して改ざんされていたのが大きな誤りの原因であることは私のホームページでも書いてきたところであるが、検証するには元データの存在・開示が不可欠である。
まして、費用対効果は最新の情勢を加味した再評価の必要がある。
同じく空港の需要予測でも当初の需要予測534万人が178万人に引き下げられ、さらに(それでも過大だった)106万人となっていった事実を忘れてはならない。

「客観的かつ科学的見地から検証」か否かが感情論ではない主たる争点とならなければ役人よりの有識者・専門家の印籠の前に押し切られる。

前出柱エ元阿久根市長はこうも述べている。
「犯人は上を向いている私たち自身。社会の中で悲しみや苦しみを抱えている人に目が行くようになるべきだ」と。
将来に大きな負債を背負わせる大事業だけにそれを上回るメリットが納得されなければならない。
自律した市民による健闘を期待したい。