「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

静岡空港利用者の推移(開港4年目第7月)~全国的に海外旅行活況の中、低迷続く静岡空港~

2013-01-11 22:14:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で4か年を比較したグラフです。
以下、開港4年目の7月目となる12月実績に基づき傾向を概観する。
<傾向等>
開港から4年目の7月目を迎えた静岡空港であるが、「海外旅行などの日本人出国者数が、これまでのピークだった2000年の1781万人を超えて、12年は1850万人程度まで拡大する見込み」(東洋経済オンライン)と報じられる中、震災前の水準にさえ回復せず、まるで報道が他国のことのように需要は低迷している。
特に海外路線は対前年同月比で83.1%と12月の最低を更新した。
今年の年末年始は日並びもよく、「海外旅行全体では約60万人が出鰍ッた前回の年末年始より、「1割程度旅行者が増えそう」(JTB)」という航空業界の活況にもかかわらず、静岡空港の年末年始の海外便利用者は9千404人とさびしい限りの情況である。

今年も釜山チャーター便が運航されるとして韓国アシアナ航空静岡支店の幹部が県庁を訪れたが、昨年のように県職員の視察と称して物見遊山のような公費旅行が行われる可能性が高く、部局調整費の使途などとともに公文書開示請求などでしっかり監視していく必要があるなど、役人らの水面下での行動には注視し、日の当たるようにしていきたい。

国際線の不調の一方で国内線にあっては、初年度をも唯一上回り12月で最高の需要の掘り起こしに成功したANAの沖縄線(国内線の需要の1/3を占める)が対前年同月比152.8%と大きな伸びでけん引する形で、国内線需要は震災前の水準には及ばないものの昨年同月比で121.3%と健闘した。

とはいえ、航空会社の経営状況の指標となる搭乗率(国内線定期便)は昨年の同月の61.8%から今年は56.3.%にまで低下しており、利用者数を増やそうと路線・便数を増やせば搭乗率は一般に不採算のレベルまで下がり、搭乗率を上げようと路線・便数を絞れば利用者数は減るというジレンマの状況は解消されず、撤退を防ぐために税金で需要を支えるばらまきの構図からは抜け出す兆しもない。

結局、国内国際ともに現在の、自立償還が前提のJRや高速道に比べて公共交通機関としては破格の税金支援・行政支援がなければ路線維持すら困難な状況、自立できない状況に、まったく変化はないのである。

では、以下に今月の実績を記す。
<平成24年12月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H24.12/H23.12):搭乗率[H24.12;H23.12]

札幌線:111.8%(5,457人/4,879人):[53.4%;53.7%]
福岡線:112.3%(7,307人/6,509人):[51.9%;65.5%]
沖縄線:152.8%(7,545人/4,938人):[72.7%;65.9%]
鹿児島線:109.5%(1,795人/1,640人):[39.4%;60.8%]

国内定期便計:123.0%(22,104人/17,966人):[56.3%;61.5%]

国内線チャーター便計:0.0%(0人/262人):[-%;87.3%]

ソウル線:80.9%(9,670人/11,953人):[53.8%;57.4%]
上海線:52.1%(745人/1,429人):[37.4%;54.0%]
台北線:-%(2,124人/-人):[51.7%;-%]

国際線定期便計:93.7%(12,539人/13,382人):[52.1%;57.0%]

国際線チャーター便計:13.2%(268人/2035人):[97.8%;90.8%]

全路線計:103.8%(34,911人/33,645人):[54.9%;60.9%)]