「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

川勝知事、功績を問われ「東アジア文化都市の経済効果」を挙げ、恥の上塗り

2024-04-04 11:43:51 | 川勝平太語録

つくづく残念な人である。

知事辞任表明を受けての3日の記者会見で任期中の功績として富士山世界遺産登録に次いで昨年の東アジア文化都市事業の経済効果が過去最大で大成功だったと自慢した。

静岡県開催地の経済効果389億円で過去の開催地(横浜市をスタートに6市1区1県)の最高の経済効果91億円を大きく上回ったからであるが、実際、県民には東アジア文化都市事業として実感がないのではないだろうか。

というのも県以外の市町が例年開催の大道芸ワールドカップや花火大会などや民間開催の静岡ホビーショーや家具メッセなどを認証事業などとして集客実績に入れ経済効果を出しているからである。

県独自の事業にあっても防災士養成講座や砂防フェスティバルや消防学校体験訓練というものまで、かき集めたイベントを東アジア文化都市事業の協働プログラムなどと称して経済効果に算入しているのである。

本人は真顔で自慢していることから見て、役人がどうやって算出したかという実態は説明されておらず、知事を喜ばせるための役人の数字だけを信じ切っているのだろうが、裸の王様そのものだ。

せめて次期知事は役人に丸め込まれないだけの見識を持った人であって欲しいものだ。

 


川勝知事、4期目途中で辞任を表明

2024-04-02 19:04:16 | 川勝平太語録

「実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。」

4月1日に行われた静岡県庁の入庁式での知事発言である。

これを言ったらどうなるか。普通の人なら容易に予想ができるのに、思ったとおりに言ってしまうのが川勝という人物である。

国政の大物政治家にも失言癖のある人がいるように、問題があっても言葉で盛り上げようとしてきた長年の癖というものは歳をとるにつけ治しようがなくなるものだ。

全国知事会を、「中身は烏合の衆と言っていい」「器が小さい」「一緒に行動を伴にすることすらできない」「出席するに値しない」

かつてのJALへは「破っておいて、金をよこせっていうのは、もう、なんていうのか、これはもうナショナルではないと。エゴイスティックフラッグだと。だから墜ちたんだと。」

また、NHKの報じた荒茶の放射能暫定規制値越えに対する「騒ぎ立てる一部の記者がいてあきれはてております。その見識のなさにね。」「何が社会正義ですか。公器であることをわきまえなさい。」

直情型の問題発言は知事就任当初からのもので、本人が変わったというよりも、むしろ彼に対する世間(特にマスコミ)の見方が変化したというのが実情だろう。(彼が辞任会見の際に「風潮」という言葉を使ったのも自分は変わっていないのに世間が変わったという認識を思わず素直に口にしたのだと思われる)

4期という長期の知事職にあっても成果と呼ぶべき成果は挙げられず終わるのも、皮肉にも辞任に追い込まれるに至った冒頭の発言にあるように、そして就任当初から「改革は県庁の優れた人材と二人三脚でやるのが筋」などと、彼が県職員の能力と習性を見誤っていたからだ。

公約どおり一期4年で辞めていたなら晩節を汚すことなく終わったであろうに残念な人である。


静岡県の新野球場(浜松市)をドーム球場に! ぶれない川勝

2024-03-07 17:03:38 | 川勝平太語録

私はできればドーム型にしたいと思っている。野球場建設のための寄付を募り、寄付したいと思うような雰囲気を作ってください。」

これは平成26年12月25日(木)17:39~18:16に行われた知事と難波副知事 や交通基盤部幹部らとの謀議の記録での知事発言記録の一節である。

既にホームページ掲示板に掲載(https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/6658/1659243313/114)しているものであるが、彼の考えはぶれがなく一貫している。

平成30年12月の報道で、同11月19日の知事定例会見における「プロが入れるようなものを造るというようなことを考えられる所だと思っておりますので、2万2千は譲れないなと思っておりますね。」との明言を事実上撤回し、「白紙で議論をするということ。(浜松市民が)アマチュアだけの球場がほしいならそれでよろしい」(静岡朝日テレビ報道)とした。

と、引いたかに見えても、県議会やマスコミ、県民世論の一貫性のなさを見抜いているのである。

現に令和6年2月県議会では3案が示され、うち2万2000人規模が2案あり、その一つは堂々と多目的ドーム型として提示されているのである。(ちなみに建設費及び維持費が最も高額なドーム型を熱烈支持しているのは知事与党で旧民主党系労組の支持会派であるふじのくに県民会議の県議。かつて連合という労組組織が静岡空港推進を支持議員に強要していたのと同じ構図か?企業や団体という組織に隷従せざるを得ない与野党議員の哀れさはこの国の哀れさにも通じるものだ。)

次の知事選が来年に迫る中というタイミングも絶妙で、スズキの会長もさぞ注目していることだろう。参考:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/news/6658/1659243313/35-43

ぶれない川勝、無為無策の県議会を尻目に「防災」から「海がめ」というキーワード(大義)切り替えで虎視眈々とこの時を狙っていたことは明らかだ。

これはリニアにも言えることで、平成26年6月5日(木)17:56~18:04に行われた知事と難波副知事らとの謀議では

私はリニアは、日本のためには、松本を通った方がいいと思っている。松本空港の近くを通って、空港とリニアが一体となった方がいい。松本空港の真下はリニアで、静岡空港の真下は新幹線です。松本を周っても、10分くらいの違いです。(リニアの工事は)何があるか分からない。水とエコパークと2つで攻めるのが一番、説得力がある。」とのたまわったと記録されており、

現在も見え隠れさせているルート変更が最善との考えも、以前から全くぶれていないのである。

もちろん最低でも空港新駅という魂胆も。リニアの水問題にあってもゴールポストを動かしていると今頃になってマスコミが批判に転じ始めたが何を今さらと言いたい。(http://www.omb-shizu.sakura.ne.jp/20180103.html

そういう意味では、評価・態度がグラグラ揺れるマスコミや県議会よりも川勝の方がまだ信用できそうである。もちろん考えには同調しないが。


乗数効果を知らない財務大臣を笑えぬコストベネフィット分析を知らない静岡県知事

2011-02-25 21:00:00 | 川勝平太語録
今日の毎日新聞の「富士見の祭典 知事、効果の検証表明 「どうやって…」戸惑う職員」という見出しの記事。
川勝が県議会で県議の質問を受け富士見の祭典の「コストベネフィットにおける費用効果、費用対効果があったかということについてもいずれ報告を」と答弁してしまったことについての記事であるが、この答弁からはっきり分かるのは川勝平太はコストベネフィットアナリシス(CBA)と経済波及効果が全く別物であるということを知らないという事実である。
まして、コストエフェクティブアナリシス(CEA)との違いもちんぷんかんぷんに違いない。
一方の役人(職員)はもちろんその違いを知っているので見出しのような戸惑いが生じる結果となったということである。
川勝は答弁の中で、
ツインメッセで行われた食の祭典の延べ来場者37,000人を引き合いに出し「1人が1,000円使えば3,700万円になる」として効果の例を示したが、これは経済波及効果における「効果」概念であってCBAにおける「便益」やCEAにおける「効果」とはならない。

具体例としては、静岡空港の開港前に県が発表した経済波及効果は開港初年度で556億円であるが、CBAにおける費用対効果(B/C)は国内線のみで投資額117,458百万円に対して便益計156,912百万円で1.34というものだ。(県による空港事業の費用対効果分析⇒aircba.pdf
ちなみに、費用と便益の均衡点は利用者にして86万人であるので、現在の静岡空港は63万人程度なので空港事業は費用に対して効果が無かった事業という評価となる。

そもそもCBAにおける便益(効果)とは社会的に実質的な厚生の利得をもたらす場合にのみ便益として計上できるのであって、しかも、その便益は将来にわたって予測されるものをすべて現在価値に割り引くという作業も必要となる。
経済波及効果では来場して1,000円の食事をしたら計上できる(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/742.html)が、これはCBAでは利得とは認められないのである。
川勝の例でいえば、37,000人が1人1,000円使ってもそれは単なる消費であって生活の質の向上などの社会的厚生の利得が生じなければBCAでは効果ゼロとなるのである。

川勝は「心に訴えた効果」があるとも言っているが、どのようなものであれBCAにおいては、貨幣価値に換算しなければならない。そしてその測定には消費者余剰の概念が用いられる。
つまり、CBAの計算とはそれほど容易な作業ではないのである。
「県の担当者は「簡単ではない。どのような方法で調べられるのか検討したい」(毎日新聞)と、職員が戸惑うのも無理からぬことなのである。よほど手抜きをしなければ前添付の空港事業のような費用効果分析を一月や二月で出せるわけがない。

まあ、そうはいっても、要求する方が「もの知らず」なのだから、職員にあっては経済波及効果でも出して与えておけば、殿御満足であろう。
ただし、その場合の効果が費用を上回るのは当然だ。
税金で10万円のフルコース料理を10人に提供したら直接効果だけで100万円の消費が生じるからだ。経済波及効果では誰が出費したかは問われない。税金で出そうが効果に計上されるのである。
県民にとっては、まったく無駄な事務コストである。
愚かなリーダーを持つとコストがかかるのはどこも同じだが、
結局それが川勝県政のレベルに相応ということだ。

やはり、情報公開日本一の公約は詐欺だったのか

2011-02-18 21:20:00 | 川勝平太語録
以下は今週15日の知事記者会見の一幕である。
本県の情報公開が進まない理由がよくわかるのでその部分を抜粋し記録しておく。
(全文は県HPで御確認を。)

<記者>
 JALの搭乗率保証の裁判についての県の対応に関してですが、裁判で提出された準備書面について、県は公表されないということだったのですけれども、その理由の一つが、弁護士の先生がそういうふうにするべきだと言っているということ。・・・(中略)・・・、原本の写しでもいいですし、あるいは要約したものでもいいと思います。そこらへんは県にお任せしますけれども、公の裁判ですので、・・・(中略)・・・、やはり速やかに公表してもらいたいなと。当事者は、県であり知事でありますけれども、言わば県民が準当事者というか当事者だと私は思っています。ですので、どういう主張のやりとりがあったのかということは、やはり速やかに県民に公表されるべきだと思いますので、もう一度再考していただければというふうに思います。

<知事>
 そうですね、一旦弁護士にお任せするというふうにした以上は、その姿勢はやっぱり守るというのが、依頼した者の義務だということです。公表に関しましては、全部見られる訳ですからね。だから、時間の問題で、しかも、そう時間的なずれもですね、遅い遅いと言う程のものでもないかなと。遅いと言う程のものではないだろうと思っています。

<記者>
 やはり県民が一人ずつ東京地裁に足を運んで閲覧をするということは事実上無理ですので。

<知事>
 やってください。

<記者>
 私はやりますけれども、それを県民にやってくださいとは言えないと思うのですよ。いくら知事でも。

<知事>
 今私が「やってください」と言ったのはあなたに申し上げたのです。

<記者>
 私は言われなくてもやるのですが、やはり当事者である、当事者というか責任者である県がですね、しっかりとそれは公表するべきものだと思いますし、その法律家の判断と為政者の判断というのは別物であると思うのですね。弁護士の先生がこう言ったからというのは、よく裁判沙汰で行政側の人がよく使う言葉ですけれども、法律家の判断と行政あるいは政治家の判断というのは分けないといけないと思うのですね。

<知事>
 私は、正義はこちらにあると思っています。・・・・・(中略)・・・・・何と言いますか、数ヶ月待てとか一年待てとかということではありません。裁判というのはもちろん、公開されますので、傍聴人もいらっしゃる訳ですから。ですから決して秘密裏にやっている訳ではありません。手続き上、本県の信頼する弁護士3人にお任せしたと言った以上、私はもう彼らの見識、これを信頼し、それの言われるとおりにしたいということなのですね。これは県一体でございまして、私が言うことによって、チーム川勝の一体感が損なわれるということがありますので、この件に関しましては、スタンスは変わりません。

以上

要するに、県にとって不都合な主張は注目される公判だろうが県民の目から遠ざけたいということである。
知りたければ東京に閲覧に行けと。
しかも、一般県民だけでなくマスコミに対してもというのは静岡県らしい。
マスコミは県が発表してくれというものだけ載せてくれればいいんだという上から目線が露骨に出ている。
広告費、コマーシャルなどで県はお得意様。逆らえないということを知事も分かっているのだろう。

「手続き上、本県の信頼する弁護士3人にお任せしたと言った以上、私はもう彼らの見識、これを信頼し、それの言われるとおりにしたい」という川勝の言葉はまさに知る権利や自律性といった理念や合理性を欠く「信心」だ。
彼は職業を誤った。宗教家になった方が成功するだろう。