「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

事件当時者のみで水利用課不適正事務関係公文書の非開示決定の事実ほか

2014-10-18 23:15:00 | 近況活動報告
本日は、新たな公文書開示による事実と先日コメントで紹介した審査会諮問に係る県意見書への意見について公開します。

大井川広域水道企業団補助金不適切事務処理関係>その1
最終的には自主的に取り消されたものの、あまりに杜撰で隠蔽と時間稼ぎ(2月29日の請求から9月19日の部分開示まで通常よりも6か月引き延ばした)としか思えない非開示の決定及び意見書の提出を行った経緯を明らかにすべく、去る9月21日、以下の公文書の開示請求を行った。

平成26年9月22日付けで「以下の公文書の起案文書(ただし、起案文書に添付の平成26年2月23日付け公文書開示請求対象の公文書写しは重複するため除く)
1 平成26年4月7日付け(25)環水第254号の2「公文書非開示決定通知書」
2 平成26年6月18日付け環水第74号の4「意見書」

この結果、以下のとおり公文書が開示された。
(印影が薄くて見づらいが、水利用課長及び課長代理の欄に「稲葉」、課員の欄に「山下」「岡島」の押印がある。また、黒塗り部分は個人情報保護条例に基づく請求ではなく情報公開条例による請求であるため本人請求であっても非開示とされた部分であるが、私の氏名等の個人情報が記されていたものと思われる。)

全文書:非開示決定通知決裁文書.pdf


全文書:非開示とした意見書の決裁文書.pdf

これらのことから、以下の事実が分かる。
1 両起案は班長の米倉克昌が行っていた。
2 両決裁は課長に代わり課長補佐の稲葉清が行っていた。(決裁権者である課長が不在等の理由がある場合に行使できる「代決」によって決裁している。このような異例な事務では通常は決裁権者帰任後に後閲として押印することとされているが、行われていない。)
3 一般にも市販されている静岡県職員録によれば、米倉、稲葉両名とも平成24年度,平成25年度、平成26年度いずれも同職にある。すなわち、事件のあった平成25年度の事件の主犯者を管理監督すべき責任者であった。

すなわち、事件関係者のみで一連の非開示に続く事務処理による、実質的な公文書開示の引き延ばしが行われていたのである。しかも、この間に対象公文書まで変更されていたことは既述である。
その上で、一連の事実を踏まえて考えれば、以下の関係職員氏名部分の非開示が起案者らによる自己保身の発想の産物であることが容易に推測される。責任感や公益など彼らの眼中にはないのだろうか。


大井川広域水道企業団補助金不適切事務処理関係>その2
次に、非開示の決定から一転、部分開示としたが関係職員氏名を非開示としたことに対して異議申立てを行った件で、先日コメントで紹介した審査会諮問に係る県意見書が本日届いたので、それに対する意見書原案を公開する。
なお、先日いただいたコメントを参考にさせていただいたのでこの場をもってお礼申し上げます。

1 県意見書県の職員氏名非開示理由.pdf

2 当方の意見書原案:
意 見 書
平成26年10月17日付け静情審第23-2号で依頼のあったこのことについて、静岡県情報公開条例(以下、「条例」という。)第25条第2項に基づき、本書のとおり意見書を提出する。
また、本書の提出をもって、意見陳述については希望しないことを併せて回答する。

平成26年10月15日付け環水第158号の2により静岡県知事(条例第2条に規定の実施機関)から提出のあった「意見書」(以下、「知事意見書」という。)に記載の非開示とした理由等について、以下のとおり意見を述べる。
1 知事による「非開示とした具体的理由」について
知事は、知事意見書において、当方が提出した平成26年9月29日付け異議申立書(以下、「異議申立書」という。)において主張した条例第7条第2号ただし書アの「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」に該当する獅フ主張に対して具体的反論をしておらず、「条例第7条第2号に該当し、同号ただし書のいずれにも該当しない」獅Pに繰り返したにすぎない主張を行っている。
よって、基本的には異議申立書において主張した条例第7条第2号ただし書アの「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」に該当する獅フ主張、根拠及び書証を維持する。
2 今回附加する主張
異議申立書の主張に加え、以下のとおり主張する。
(1)条例第7条第2号ただし書アにおける公知性について

平成25年度における静岡県くらし・環境部環境局水利用課水道環境班事務に係る職員及びその管理・監督者の氏名については、異議申立書に添付した職員録写し及びインターネット上の県ホームページ情報のほか、同じく県が「慣行として公に」している「職員出張旅費情報」及び情報提供の推進に関する要綱に基づく「事務事業及び予算の執行実績」からも特定可能である。
(2)法的不合理について

さらに、当該年度中の同班における決裁済みの任意の公文書を公文書開示請求しても特定は可能なものであるが、もしこれに対しても知事が今回同様の処分歴の有無に係る主張で氏名を非開示とするとなれば、単なる組織の内規に過ぎない懲戒処分等における職員の氏名の取り扱いをもって、法令たる「静岡県情報公開条例」の施行を著しく制約する結果を招くものであり法的に不合理な結果を招来するものである。
(3)総括
異議申立書及び本書意見のとおり、平成26年9月18日付け環水第151号「公文書部分開示決定通知書」により知事が非開示とした静岡県くらし・環境部環境局水利用課職員の氏名については、条例第7条第2号ただし書アの「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」に該当するので公開すべきである。
以上

第21回全国市民オンブズマン岩手大会報告その4(最終)

2014-10-11 22:04:00 | 近況活動報告
間があいてしまいましたが、その1(公共事業問題)その2(政務活動費、秘密保護法、地方自治法改正問題)その3(復興計画策定の意思決定過程問題)に続いて、今日はギャンブル問題(カジノ問題)を紹介します。
これは、四つの分科会のうちの一つのテーマで、問題の中心は現在国会で継続審議中の「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案』、いわゆるカジノ解禁推進法案です。
一見すると自治体行政とは無関係に見えますが、当然のことながらカジノ誘致運動が行われれば予算が組まれ税金が使われるわけですが、そればかりではなく、一度誘致されればギャンブル依存症、多重債務問題、風俗環境の悪化など、さまざまな問題が財政負担として、のし鰍ゥってくるのです。
そのため、分科会では「「人と社会とまちを破壊するパチンコ・カジノ賭博」ギャンブル依存症に苦しむ人々をうまないために」とのテーマで、基調講演で依存症の実態を北海道精神保健福祉センター所長の田辺氏に講演していただき、その後、韓国江原ランドカジノの実態調査報告などの現状報告を経て質疑応答が行われ、最終的には大会の最後で大会宣言とは別に以下の決議が行われました。


また、このカジノ解禁推進法案については、日弁連においても今年5月9日に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法案」)に反対する意見書」を取りまとめています。
では、より具体的にこの法案を見てみましょう。

推進する側は、よくカジノは施設の一部に過ぎないなどと言いますが、これまでのリゾート振興との違いは一目で、この法案が「カジノ解禁」にあることは明白です。
そして、推進論の前提はカジノ施設が「観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資する」というものですが、本当にそうなのか?と疑問も出てきています。

ラスベガスやマカオのようなにぎやかな事例だけを見れば観光及び地域経済の振興に寄与というのも嘘というわけではないのでしょう。しかし、一方で多くの失敗事例があることも見なければ選択を誤ることとなります。
併せて、日本の伝統文化からそういうものがふさわしいのかも考えるべきです。
現にヨーロッパにおいてはカジノは存在するもののラスベガスやマカオのようなところはなく、隠れた社交場という形態です。

韓国(全17か所)のカジノは、日本での推進論同様当初の目的である外国人の誘客・利用においては思ったようにいかず、唯一自国民の利用を認めた江原(カンウォン)ランドカジノが開設されるや、そこがカジノの国内売り上げの約8割を占めるに至り、しかもそこでの96パーセントが自国民の利用という目的とかけ離れた歪んだ実態を見せています。
周辺には質屋が建ち並び、カジノ経営者の株式会社江原(カンウォン)ランド所属の賭博中毒センターKACCが年間8億円の予算で中毒の予防・相談・治療などに当たっていますが、中毒患者はすでに1万人を超え自殺者やホームレスを生み出しています。

このようなものが良いというのなら、麻薬を売って患者を増やして雇用が生まれ経済が・・などということと同じ意識構造です。
経済波及効果(お金の循環)はあっても、人間の営みとしての生産性は全くありません。
日本の観光のあり方として目指すべきものでしょうか。

さらに問題であるのが、カジノ管理委員会の許可を受けた民間事業者によりカジノ経営が行われるということです。
カジノは結局は胴元であるカジノ経営に当たる民間会社が利用者の金を巻き上げるシステムです。
この法案の行き着く先はアメリカ資本による日本国民の資産の収奪なのです。

厚生労働省はギャンブル依存症問題に懸念を示し、カジノの日本人利用を認めないよう訴え、超党派議員で構成のカジノ推進団体「国際観光産業振興議員連盟」(通称カジノ議連、静岡県内選出議員も数名名を連ねている)の役員会では外国人限定の修正案に応じる意向を示していましたが、先日10日には一転し、カジノ利用を外国人に限定する修正方針を撤回し日本人も利用できる現行案の骨格を維持することで大筋一致したとのことです。
これに先立つこと8日には、 推進論者の大阪の橋本市長が市役所で記者団に「日本人を排除することに決まったわけではない。日本人を排除したらカジノ資本は日本に統合型リゾートを作る意義はないと判断すると思う」と述べています。
ここにこの問題の本質が現れています。

つまり、アジア最後のフロンティアといわれる日本の資産を狙っているアメリカのカジノ資本に来てもらってその分け前にあずかるには、カジノからの日本人の排除は論外であるということです。
裏で大きな巻き返しの力が働いたことは想像に難くありません。

日本人の精神と富を蝕むこのような売国の動きには明確に反対の意志を表明するものです。

またもや県職員の不適正事務で県民が損害負担

2014-10-09 18:08:00 | ノンジャンル
県は7日に「源泉所得税等の自己点検の結果」という報道資料を公開した。
内容は「自己点検の結果、一部の所属で10人(18件)、196万円余の徴収不足が判明した。」というもので、一見すると、事務の不適正があったことは分かるものの、県民に損害が及ぶとは見えないものだ。
ところが、その後の報道によれば、一部の事務所というのは沼津、富士、静岡、袋井の4土木事務所であり、源泉徴収漏れの分は報酬を支払った相手方から徴収して納めるものの、県が徴収漏れをしたことで納期に遅れたため納めることとなる「不納付加算税」65500円と「延滞税」61600円については、県が県民の税金で補填するとのことである。
つまり、現在県議会で審議中の県くらし・環境部水利用課による「虚偽報告や事務放置で1億8千200万円の損害を県民に与えた県職員に停職6か月、賠償1割の軽い処分で幕引き」事件同様の無責任公務員のつけを一般県民に押し付ける構図が再び繰り返されそうなのである。

問題なのはこれをだれもが他人事のように思っている意識構造である。
前回の水利用課の際の損害額は県民一人当たりにして48円程度であるが、もしこれを県民から直接徴収すると言ったら、なぜ県職員の不適正事務の損害を納めなければならないのかと苦情が殺到するはずである。
しかし、県予算という中から払うと言えば、今のように苦情を誰も申し立てないのである。
実際、税金が来年この分増えるかというとそれもない。
なぜならば、今ですら国と地方の借金は将来世代のつけになって現役世代は負担していないのであるから、将来世代の借金が何倍になろうが、それに伴って国家規模で財政破綻するなどして経済が混乱しない限り、他人事でしかないのである。
ゆえに、納税者である県民も、それを預かる県も、国から以下に予算をとるかは考えても、預かった税金を大切に使うなどという意識は働かなくなるのである。
まして、今回の損害は一人当たりにしたら1円にも満たない。県としては大したことではないとの認識なのだろう。

県行政においては、不適正事務が止まないだけでなく、倫理観の欠如がより促進されることであろう。
本来県民に代わってそういう問題を追及すべき議会ですら、以下の議案を素通りさせようとしているのだから、まさに自虐的状況である。

<国家賠償法>
第一条  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
2  前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
(注:つまり、1割の求償で良いなどとは規定していないのだが・・・。)

静岡空港利用者の推移(開港6年目4か月)~ピーク年の約8割、過去の壁は未だ高く4か月連続で歴代3位~

2014-10-08 19:58:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で6か年を比較したグラフです。
以下、開港6年目の4か月目となる9月実績に基づき傾向を概観する。

<傾向等>
開港から6年目の9月実績は、ここ4か月の傾向に大きな変化は見られない。過去6年間で3位の実績が続いている。
利用者数は前年同月よりは伸びたものの、開港以来の9月の最高52,278人に対しては、これに約2割及ばず、過去の壁は高い。
県が当面の目標としている年間70万人を達成するには過去最高だった初年の年間63万人当時の記録を超えなければならないが、その気配すら見えない状況である。
国内線では過去最高を記録した路線はなく、国際線でも近隣空港との旅客争奪が激化している台湾線が就航3年目にして早くも頭打ちで減少、上海線のみ過去最高となったもののわずか223人増で記録更新しただけで、搭乗率は振るわず57.7%、県の手厚い補助金がなければ完全に赤字路線で、自立運行の見込みが見えない路線である。
唯一明るいニュースは、現在ソウル便の減少分をカバーしている6月からの天津航空(1便100万円補助)のチャーター便が、定期便化されるというものであるが、今より便が増えるというものではなく、現状の3位レベルを今後も維持することには貢献するものの、これだけでは利用者数増加にはならない。
もっとも、定期便化すれば、これまでは中国側の帰国便専用だった機が県民の訪中にも使用できることとなり、利用者数は増加しなくても今よりは少しはましな路線となることは事実であるが。

さて、路線ごとに見た過去6年間の9月実績のみで比較した順位と比率は以下のとおり。
札幌線8,515人   3位/過去6年(1位の平成21年12,796人に対して66.5%
福岡線10,594人  2位/過去6年(1位の平成21年14,196人に対して74.6%
鹿児島線1,728人  4位/過去6年(1位の平成23年2,756に対して62.7%
沖縄線5,331人   4位/過去6年(1位の平成22年5,784人に対して92.2%
ソウル線4,180人 6位/過去6年(1位の平成22年14,736人に対して28.4%
上海線3,449人   1位/過去5年(2位の平成22年3,226人に対して106.9%
台湾線3,082人   2位/過去3年(1位の平成25年3,795人に対して81.2%
また、上記路線以外のチャーター便を含む総利用者は43,799人で過去6年間で第3位、ピークの平成21年(52,278人+上海推計1,550人)に比べて81%であった。

国内線と国際線の過去6年間の推移を見ると、

定期便中心の国内線が2年目以降ほぼ横ばいで、国際線は増減を繰り返しながらも1~2万人の間をやはり横ばいである。

国内線の内訳を見ると、

札幌、福岡の両路線は初年度の壁が遠いものの福岡線には回復が見られる、沖縄線、鹿児島線は横ばい状態にある。

国際線にあっては、

上海線、台湾線がほぼ横ばい、ソウル便が激減するのと対照的に補助金優遇のチャーター便が急な伸びを見せて補填関係にあることが分かる。

では以下、今月の実績を記す。
<平成26年9月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H26.9/H25.9):搭乗率[H26.9;H25.9](赤文字は搭乗率が65%を下回っており、税金補助がなければ路線存続が疑問視されるもの)

札幌線:111.2%(8,515人/7,654人):[63.5%;58.8%]
福岡線:110.1%(10,594人/9,624人):[72.4%;69.2%]
沖縄線:98.4%(5,331人/5,416人):[52.3%;52.2%]
鹿児島線:146.7%(1,728人/1,178人):[79.1%;63.5%]
国内定期便計:109.6%(26,168人/23,872人):[64.7%;61.0%]

国内線チャーター便計:-%(226人/0人):[89.7%;-%]

国内線計:110.6%(26,394人/23,872人):[64.9%;61.0%]

ソウル線:63.7%(4,180人/6,562人):[62.3%;51.0%]
上海線:163.5%(3,449人/2,110人):[57.7%;63.6%]
台北線:81.2%(3,082人/3,795人):[61.0%;70.6%]
国際線定期便計:85.9%(10,711人/12,467人):[60.4%;57.8%]

国際線チャーター便計:-%(6,694人/0人):[85.4%;-%]

国際線計:139.6%(17,405人/12,467人):[68.0%;57.8%]

全路線計:120.5%(43,799人/36,339人):[66.1%;59.9%]